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第七章 戦闘を行う者達

「サクラコさん、獣人の村開発での貴重なお話、ありがとうございました」
 泪がサクラコにお礼を言うと、
「いえいえ……思い返すと、また行ってあげたくなりましたね、資料館。 みんな元気にしてるかなあ……!」
 サクラコは懐かしみながら返した。
「獣人の村の話し、中々興味深かったな。今度いってみたいね」
「そうですね」
 弾とノエルが話していると、
「話は一旦、ここまでだ。何かが近づいてくるぞ」
 耳を生やした司が皆を止め、前を見ると、近くにいた京介とリルが前に出て構えをとり、姫月と樹彦が村長を引き連れて少し後ろへと下がった。
「村長、ご家族から捜索と保護の依頼が出ています」
リブロが幸祐達といた自警団とは別の自警団を引き連れ、村長の前に現れた。
「それと、貴方が村への交付金横領や蛮族へのテロ支援を行った疑惑も掛けられていますのでご同行願います」
「わしはそんな事をしておらん、それに森に入ったのは村で決めたことじゃ、捜索されるいわれはないぞ」
 リブロ・グランチェスター(りぶろ・ぐらんちぇすたー)の言葉に村長は返した。
「これは何だ、周りを取り囲むように人員と配置など俺達を取り押さえようとしているのか?」
 司がリブロ達に質問すると、リブロは傍にいたエーリカ・ブラウンシュヴァイク(えーりか・ぶらうんしゅう゛ぁいく)アルビダ・シルフィング(あるびだ・しるふぃんぐ)に幾つか呟いた。
「本当は穏便に事を済ませたかったのだが仕方ない……」
「了解っ! アルビダ、気をつけてね」
 アルビダがバトルアックスを手に自警団と共に走り出し、エーリカが航空戦闘飛行脚【Bf109G】で空へと上がった。
「村長! こちらに!」
 姫月が村長を誰も方位のない後ろに誘導すると樹彦も注意しながら後ろに下がった。
「ごめんなさいね」
 泪は左右の自警団に向かって機関銃を先制攻撃で致命傷を下げながら攻撃し、行動不能にさせ、司や弾達も左右それぞれ自分の近くにいる自警団を対処にまわった。
 特に多い前を守っていた京介は、神速と軽身功で木を蹴り、縦横無尽に駆け自警団に近づくと鳳凰の拳で気絶させる程度に攻撃をし、リルはトゥーハンディッドソードを持ち、剣撃をブレイドガードでリブロの村長を狙った狙撃をスウェーで受け流すと、ツインスラッシュで作った剣圧で近づいてきた自警団を気絶させていった。
「生かさず殺さず無力化させる。難しいですね……」
 リルが呟き、すぐ後ろにいた楓がカタクリズムを使い、周りの石を操作し、自警団のみぞおちやこめかみにぶつけ気絶させた。
 村長を引き連れて後ろに移動していた姫月達の頭上にエーリカが絨毯爆撃の要領で火術を放ってきた。
姫月が飛んできた火術を爆炎波で相殺した。
「リブロ、無事か! ここはあたしが、あんたはターゲットを……心配するな、あたしを誰だと思っている」
 石をバトルアックスで弾きながらアルビダがリブロに声をかけ、京介に向かって走り出した。
 京介は襲ってきたアルビダに素早い立ち回りで攻撃を避け続けた。
「おい、あんた、避けてばっかりじゃ勝てないよ」
「あなたは強い……が、これは集団戦だ。どれだけ個人が強くても数の勝負には勝てない」
 京介の言葉で周りをアルビダが周りを見てみると、リブロ、エーリカ以外でこちらに味方していた自警団などは全員気絶していた。
「あんた、これが狙いだったのか、リブロ! どうする!」
 チェンタウロ戦闘偵察飛空艇で射撃の位置をずらして攻撃していたリブロは、リルの守りに阻まれ村長を撃つ事はできなかった。
「数的不利か、相手もこちらを殺す気はないようだ、撤退させてもらう」
「ああ、そうしてもらうと助かる。依頼主には無事、村長を連れ帰ると伝えてもらおう」
「……伝えておこう」
 司の言葉を聞いてリブロ達は、戦闘体制を解くと元来た道を戻っていった。
「危険は去りましたね。また襲ってくるかもしれませんから、更に警戒しながら進みましょう。撮影は一旦、中止です……いいですか?」
 卜部が皆に語りかけると、皆が頷き森の奥へと歩いた。

「こちらにもっと戦力があれば」
「エーリカ、過ぎた事はしょうがない。一旦、戻るぞ」
「ああ、それにしてもあの小僧、素早かった。今度は最後まで戦いたいものだ」
 リブロ達が来た道を戻っていると、
「リブロ様」
「幸祐か、こんなに大人数でどうした?」
 リブロの前に村長の息子を引き連れた瑛菜達が現れ、その中にいた幸祐がリブロに近づいた。
 幸祐がこれまでの経緯を話、瑛菜や村長の息子にも確認を取った。
「そうか、騙された事に迷惑料がもらえるのなら良しとするが、思慮深いドラゴンか、今後の我々の為に話を会ってみたいものだ」
 そう言うと、リブロ達も列に加わった。