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ヒュズクデンゲラブンゲリオン

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ヒュズクデンゲラブンゲリオン

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3.ヒュズクデンゲラブンゲリオン道場破り!

「たのもーう!」
 部室の外から、前時代的な台詞。
 部長がドアを開けると、そこには……
「フハハハ!我が名は世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスの大幹部、天才科学者ドクター・ハデス(どくたー・はです)!」
 そこにはある意味お約束通り、ハデスとアルテミス・カリスト(あるてみす・かりすと)が立っていた。
 唖然とする部員たちを前に、ハデスは笑う。
「ククク、今のヒュズクデンゲラブンゲリオン部の実力がどの程度か、ヒュズクデンゲラブンゲリオン部OBであるこの俺が直々に見てやろう!」
「ヒュズクデンゲラブンゲリオンOBだと!?」
「そう。なにもかもみな懐かしい。ヒュズクデンゲラブンゲリオンに打ち込んだ青春時代……」
「いえハデス様蒼空学園の高等部通っていませんでしたよね?」
 遠い目をするハデスにアルテミスが突っ込む。
「まあ、というわけでヒュズクデンゲラブンゲリオンで俺が勝ったら、この部の看板はいただいていくぞ!」
「面白いですな。私が教えたヒュズクデンデラリューバの成果を見せる時がきたわけだ」
 ハデスの挑発に、微妙に間違えながらアルクラントが乗りかかる。
 しかしハデスはそれを制して続ける。
「……と言いたいところだが、俺は昔のヒュズクデンゲラブンゲリオンで受けた傷が原因で、二度と試合は出来ない身体だ。そこで、勝負は、俺のヒュズクデンゲラブンゲリオンの弟子、アルテミスが挑むとしよう!」
「えええっ!」
 聞いてないよーとばかりに焦るアルテミス。
 びしりとヒュズクデンゲラブンゲリオン部のメンバーを指差したハデスの指が、一人の青年の前で止まる。
「さあ、キロスよ、部を代表してアルテミスと勝負するのだ!」
「へ、オレ?」
「ええええっ! き、キロスさんと勝負ですか!?」
 更に焦るアルテミス。
「面白い……私の弟子、キロスも初心者とはいえそのシンクロ率は非常に高い」
「いや何時の間に弟子?」
 キロスの反論をスルーして、アルクラントは話を続ける。
「ただ、こちらのヒュズクデンゲラブンゲリオンはあくまでも団体戦を想定している。このままでは勝負が成り立たない」
「その話、一口乗るであります!」
 やって来たのはヒュズクデンゲラブンゲリオンに興味を持ち、こっそり部室に忍び込んでいた葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)
「自分、道場破りチームに入れていただくであります!」
「ほほう、我が傘下に入ると? よし歓迎しよう!」
 吹雪がハデスの仲間に加わった!
「さあ、共にキロスをぐっちゃぐちゃのばっきばきにして酷い目に合せようであります!」
「えええええええー」
 手を握りながら物騒な台詞を吐く吹雪に、アルテミスは返事も反論もできない。
「一人増えたけど、試合にはまだまだ足りないね……よし、こうしよう」
 エースが提案する。
「この部室には特に渡すような看板はないし……いっそ、部員を交えて紅白戦にしたらどうだろう?」
「面白い……面白いわね!」
 即座に乗っかるセレンフィリティ。
「じゃあこうしましょう。あたしたちコーチは道場破り組に入るわ。新人組との対決ね!」
「またそんな勝手な……」
 セレアナの文句は黙殺される。
「私たちが教えた新人さんたちの実力は、計り知れません……きっと、いい勝負になりますね」
「みんなを、信じてるよ!」
 舞花とネージュもセレンフィリティに同意する。
「決まりね。さあ、あたし達を越えていきなさい!」
「む……何だかちょっといい話っぽくなってしまったが、さあ行け、アルテミス!」
「これは面白くなってきましたね。いい絵が撮れそうです」
「それでは、師弟対決とも相成りましたヒュズクデンゲラブンゲリオン、勝負の開始ですぅ!」
 凶司がカメラを回し、セラフのリポートする声が響いた。