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第3次スーパーマスターNPC大戦!

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第3次スーパーマスターNPC大戦!

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(ジゼルと他は対等じゃない!(キリッ)
 ………………なんて言っててもすでに積み重なってるものが多々あるわけで、信用というか安心できるかい!)
 心の中で一人乗りツッコミのようなものをしながら、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)はこの日、彼女が未来の弟と勝手に認定してみたアレクと豊美ちゃん――飛鳥 豊美(あすかの・とよみ)を追いかけていた。
(豊美君相手に、それこそジゼル君に言えない様な事をしていないか念のために……)
 そんなこんなでリカインはアレク達に巻き込まれる様にロミスカへ飛ばされていた。
「ところでリカイン。今日は何故俺達……というより俺か? 俺を尾行していた理由は? 暇なのか?」
 尾行に気づいていたらしくストレートな質問をぶつけてくるアレクに、リカインもまたストレートな答えを返す。
「アレ君が豊美君におかしな事をしていないかと思ってね」
「おかしな事、ですか? えぇと……その……アレクさんがこうなのは、私がアレクさんにそうしてほしいと望んだからであって……」
 もじもじ、としながら告白する豊美ちゃんは、リカインの意図する所の『おかしな事』とは違う、アレクが自分のぱんつを被っているという『おかしな事』のことを言っているのだと思っていた。
 やっぱり豊美ちゃんだなぁ、と言いたげに二人が温かい視線を注いで、それからアレクは質問に対する否定を口にする。
「豊美ちゃんにはしていない。断じて。
 俺は豊美ちゃんが大好きだ。一人の女性として尊重しているつもりだ。だが性的な感情を向けた事は無い。
 そしてリカイン、この豊美ちゃんは【終身名誉魔法少女】――永遠の少女という訳だ。
 少女とはつまり愛でるもの! 手を出そう等以ての外!!
「な、何だかアレクさんにそう言われると、恥ずかしくなってきますね……。
 あっ、も、もちろん嬉しいですよ、アレクさんにそこまで言ってもらえるのは」
 アレクの言葉に顔を赤くする豊美ちゃん、そして力説するアレクにリカインも納得がいったようだった。



(私にも分かる……この人達、格好はその、凄いけど……強い。
 『ぱんつがないと勝てない』は嘘じゃない……!)
 ぱんつを被った『ぱんつ戦士』たちをそのように評価して、遠野 歌菜(とおの・かな)は覚悟を固める。
(温泉に入る前で良かった……。豊美ちゃんだってきっと恥ずかしかったはずなのに、アレクさんにぱんつを託したんだ。
 私だって……羽純くんにならぱんつ、託してもいい……!)
 そして、隣で今の状況に呆れている月崎 羽純(つきざき・はすみ)へ向き直る。羽純くんっ、と呼ばれて振り返った羽純は、もじもじ、と恥ずかしそうにする歌菜の様子に、とても嫌な予感を覚えた。
「羽純くん……私のぱんつ、使ってもいい……よ?」
「…………」
 予感が現実のものとなって、羽純は心底勘弁してくれと言わんばかりに歌菜に尋ねる。
「まさかとは思うが……俺に被れ、と言っているのか?」
「うんっ」
「断じてお断りだ。被れるか……!」
 拒否の意思を羽純が示すと、えーっ、と歌菜がにじり寄って来る。
「羽純くん、どうして拒否するの? ぱんつがないと勝てないんだよ!?」
「どうしてもこうしてもあるか……! とにかく俺は被らないぞ」
 言って羽純が顔を背けると、むーっ、と頬を膨らませた歌菜があっ、と何かを思い付いて口にする。
「じゃあ、私が羽純くんのぱんつを被るから、羽純くん、ぱんつ貸して!」
「なっ――」
 驚く羽純に構わず、歌菜がずいっ、と身を寄せ羽純の下半身に狙いを定める。
「ちょ、俺のを寄越せって――歌菜、ちょっと落ち着け! 女性用じゃないと無意味だ!」
 羽純の言葉に歌菜の身体がピタッ、と止まる。
「……そっか、女性用じゃないと意味がないんだっけ。うぅ、差別だよぅ……」
「そういう問題じゃないだろ……」
 うっすらと目に涙を浮かべる歌菜を見、どうしたものかと羽純は思案する。羽純にもロミスカのぱんつ戦士が只者ではないことは、彼らから漂う雰囲気から察せられていた。
「羽純くん、一生のお願い! 皆もぱんつ被るんだから、恥ずかしくないよ?
 アレクさんだって、豊美ちゃんのぱんつを被るんだからっ」
「いや、そう言われてもな……」
「……もしも負けちゃったら……女の子皆の、私のぱんつがあの人達に取られて、被られちゃうんだよ?
 そんなの、絶対イヤ……!」
「う……」
 羽純の脳裏に、ぱんつ戦士にぱんつを剥ぎ取られる歌菜の泣き叫ぶ顔が浮かぶ。歌菜を愛し、共に歩む者としてそのような事態は絶対に避けなければならない。
(……歌菜の大事なものを、他の男に渡す訳にはいかない。アレクだけだと、心配でもある。
 ……やるしかないのか?)
 さらに少しの間を置いて、羽純は視線を逸らしたまま、手を歌菜の下へ伸ばして言う。
「歌菜、貸せ。そして、俺を見るなよ。終わるまで、見るんじゃない」
「羽純くん……ありがとう!
 私の大事なもの、羽純くんに預けるねっ。頑張って、羽純くん!」
 手に置かれる、ほんのりと温かなぱんつ。まさか脱ぎたてなのかという思いは早々に捨てて、覚悟を決めた羽純は歌菜のぱんつを被る。
(お前ら、覚悟しろよ? 俺をこんな姿にさせた礼は、きっちりしてやる)
 身体に満ちる、確かな力を感じながら羽純は、殲滅して優勝あるのみ、と誓うのであった。



(また……またなの? どうしてこう行く先々であの忌々しい……あぁ、名前を言うのも躊躇われる……!)
 状況を把握したアデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)が、またアッシュ絡みの事件なのかと心の中で嘆きの声を上げる。もちろん当の本人は関係ない――いや、全く関係ないとは言えないが、ともかく『彼』が首謀者となった事件に巻き込まれた事で、パートナーである綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)は精神に多大なダメージを受け、最近は半ば引きこもり状態になっていた。心配したアデリーヌは懸賞で得たパラミアンの優待券をネタに、さゆみが少しでも癒やされればとの思いで連れてきたのだが、それが見事にアダとなってしまった。
(くっ……嘆いても仕方ありませんわ。一刻も早くこのバカバカしい世界から脱出しませんと)
 でなければさゆみが、愛してやまないさゆみがまた壊れてしまう――アデリーヌのそんな思いは、耳に届いた奇っ怪な声によって儚く砕かれる。

「ひぇひぇひぇ……
 アディ、私にあなたのぱんつ貸して……ひぇひぇ……」

「ひ、ひぃい……!」

 夏のホラーにピッタリな表情と声で、ぱんつを貸せと迫るさゆみにアデリーヌは腰を抜かしてへたり込んでしまう。
「アッシュ……必ず、この手でシメる……ひぇひぇひぇ……」
「さ、さゆみ!? ああっそんな、いけませんわ!」
 アデリーヌの静止の言葉も、今のさゆみには届かない。
「ひぇひぇひぇ……ここで会ったが百年目……貴様をシメる……ひぇひぇひぇひぇひぇ!!」
「いやあああぁぁぁ!!」

 ……そして、半ば強制的にぱんつをさゆみに貸すことになったアデリーヌは、床に崩れ落ちてううっ、と涙を流していた。
「許せない……あの男、さゆみをこんな、こんな……!」
 アッシュへの怒りを新たにするアデリーヌの横で、ぱんつを被ったさゆみは身体に流れる強大な力に、歓喜の声を上げていた。
「ひぇひぇひぇひぇひぇーーー!!」
「こんな風に壊してしまったのは、絶対許しませんわーーー!!」