リアクション
第17章 AfteWorld_5年後
「んー…。最近の魔法ってさっぱりだわね」
ぺらぺらとイルミンスールの図書館の本を真宵が読み漁る。
面白みにかけるし、これといって強力なものもない。
「まよまよ。ため息ばかりついてると、幸せが逃げますよ?」
「だ、誰がまよまよよ!」
「皆さん、真宵のことをそう呼んでますから、テスタメントも合わせたほうよいかと思ったのです」
「合わせなくっていいからそんなものっ」
「ふむふむ…」
真宵のノートを覗き込むと、可愛らしいイラスト入りの魔法研究らしき文面が纏められていた。
「きれいに纏まっていますね」
「当たり前でしょ」
「胸は育ってませんね」
「―……」
続け様で言われたものだからつられて自爆しかかり、一瞬口を閉ざした。
「は?育ったわよちゃんと。最後の抵抗で細やかでも」
「水平線もお好きな方がいますから、まぁ大丈夫では?」
「くっ余計なお世話よ」
テスタメントの口ぶりに不愉快になり、フンッと顔を背けてやる。
「先生は細やかなものは好まないかもしれませんね」
「ちょっと、それ…どういう意味よ」
「これでもいれてはどうですか?」
メロンパンを2つ取り出し、追加オプションしてはと言う。
「大きなお世話だっていうのっ」
「で、でも。彼の周りにはだいたい、このような女性が多いのですよ!」
「ふーん、はいはい」
「そうそう。先生と任務にご一緒したので、使い魔を見せてもらったのですけどね。ずいぶんと美しいポレヴィークでしたよ」
「へ、へぇー…」
「バストも、このプリン級なのです!」
ぷるんとふるえる甘いプリンをパートナーの前に置く。
「わ、わたくしへの嫌がらせ!?」
「いえ、心配しているのですよ。ライバルが増え過ぎて、真宵が悲しんでいないかと…」
「だ、誰がっ」
「種族を超えた愛もあるかと思うのですよ!あっ、テスタメントは真宵の先生を取るつもりありませんから、ご安心してください」
テスタメントは未だに、真宵が彼のことを忘れられないでいるのだと、5年経っても勘違いしっぱなしだった。