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【空京万博】オラの村が世界一!『オラコン』開催!

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【イリヤイケ麺】

「椿さんのお店って、どこら辺ですかね〜」
「『来れば分かる』と、本人は言っていたがな……」
「あ、アソコ!あそこで歌ってるの、泉さんじゃないですか?」
「あぁ、そうだ。行ってみよう!」

 円華御上、それに神狩 討魔(かがり・とうま)なずなの4人は、泉 椿(いずみ・つばき)が運営しているという『イリヤイケ麺』のブースを探していた。
 椿に『先生、円華、絶対食べに来てくれよ!』と、招待されていたからである。
 
 ブース目指して進む一向の耳に、やがて椿の歌声が聞こえてきた。

「永遠のイケ麺〜♪いつかきっとわかるぜ〜!♪イケ麺が イケ麺が イケ麺が〜好〜き〜♪」

 イリヤイケ麺のイメージソング『アイラブユー イケ麺』である。 

「な、なんていうか、インパクトのある曲ですね……」
「うん。一度聞いたら、しばらく耳から離れない、みたいな」
「あぁ〜、この曲は危険ですよ〜!コレはきっと、当分頭の中をグルグル回ります〜」

 《パラ実式工法》で作り上げたブースの一角に設けられた特設ステージで、一心不乱に歌う椿。その足元では、【アヒル園長】が巧みな踊りを披露している。
 初め椿は、今回のオラコンに警備担当として参加する予定だった。しかし、思いの外警備希望者が多かったため、ブースの運営に専念することにしたのである。

「歌詞はちょっとアレですけど、かなり効果あるみたいですね、この歌」
「というと?」
「ホラ、良く見ててください。椿さんの《驚きの歌》に思わず足を止めたお客さんが、今度はラーメンの匂いにつられてカウンターの方へ移動してます」
「……本当。スゴイ効果ですね」
 なずなに言われて一同が見ている内にも、何人ものお客がラーメンの器を抱えてブースから出てくる。

「先生、円華!それに討魔となずなも!みんな、来てくれて嬉しいぜ!」

 一曲終えた椿が、ステージから降りてきた。

「あ、泉さん!」
「それにしても、椿さんにこんな特技があったとはね〜。全然知りませんでした〜」 
「別に、特技なんてもんじゃねぇよ。ただ、カラオケ歌い慣れてるだけで−−」
「いやいや。中々のモノだったよ。ねぇ?」
「はい。それに、衣装も奇抜だがよく似合っている」
「え!い、いや、それほどでも……」

 御上と討魔に同時に歌とドレスをホメられ、思わず顔を赤くする椿。

「と、とにかく、まずはラーメンを喰ってってくれよ!ミナ、ラーメン4丁頼むぜ!」
「ハイ♪ラーメン4丁入りましたわよ」

 エプロン姿のミナ・エロマ(みな・えろま)が、慣れた手つきでラーメンとスープを用意しながら、イケヤ村から連れて来た【狩猟採集民】を《指揮》する。
 5分もしない内に、4人の前にラーメンが並んだ。

「え〜?もう出来たんですか〜?」
「はい。このイケ麺には、細麺を利用してるんです。ですから、火が通るのも早いんです」

 驚くなずなに、ミナが説明する。

「ツルツルした食感の麺ですね。それに、変わった味がします」
「でも、この麺の味が、つゆや薬味によく合う」
「麺には、イケヤ村特産のパラミタトウモロコシを使っております。臭みを抑えつつ、素材の味を引き出す組み合わせを見つけ出すのに、苦労しました」

「……どうかな、先生?」
「うん。美味しいと思うよ。素朴だけど、それだけに深い味わいがある」
「ハイ。とても美味しくいただかせて頂きました」
「ホントか!よかった〜。みんながそういうならダイジョブだ!」

 ホッとした表情の椿。

「あの〜、御上先生。もしよかったら、お食事中のトコロ、お写真に撮らせて頂いてもよろしいですか?」
「え?写真?」
「はい。宣伝のために、ステキな男性が美味しくイケ麺を食べていらっしゃる写真が欲しいと思いまして……。ダメでしょうか?」
「頼むよ先生、この通り!」

 椿は『パンッ!』と手を合わせて、御上を拝む。

「メガネ、外さないとダメだよね……」

 『コクコク』と、必死に首を縦に振る椿。
 ギリシャ彫刻並に整った顔立ちのお陰で、色々と面倒な目にあっている御上は、普段は瓶底メガネをかけて顔を隠している。

「はぁ……。分かったよ。今回だけだからね」
「やった!!じゃ、討魔。御上先生の隣に座ってくれよ」
「な……!なんで俺が」
「お前だって、黙って座ってれば十分イケメンで通るんだよ」
「『黙って』……?」
「あぁ、もう!細かいコト気にすんな!ホラ、早く!」

 ともかくも写真を手に入れた椿は、早速それをプリントアウトして、店の目立つトコロに展示する。

「ヨシ、これでイケ麺のイケメンコレクションのナンバー1とナンバー2が埋まったぜ!いや〜、ナンバー1はどうしても先生に飾って欲しかったんだよな〜。アリガトウ、先生!」
「コレクション……って、まだ増やすのかい……」
「モチロン!イケメンに沢山ラーメン食べに来てもらって、一日も早くイケヤ村のパラミタ分校を再建しないとな!」
「まぁ……。ここの売上で、学校を建てるんですか?」
「あぁ。ウチの分校、校舎が全壊しちゃってさ。『なんにもないと人も集まんない』ってミナも言うし、それにラーメンが人気でれば、村にもお金が入るようになるしさ」
「ステキです、椿さん!頑張ってくださいね、私も応援しますから!」
「オゥ!宣伝よろしくな、円華!それと、おまえも頑張れよ!」

 互いに夢を持つもの同士、2人は、固く手を握り合うのだった。



 そして、御上たちが店を去ってからまもなく−−。

「すみません、『イケ麺』はここでよろしいでしょうか?先程御上先生たちに、『ここのラーメンが美味しい』と伺ったのですが……」
「いらっしゃい!イケ麺はここだよ!さぁ、座って座って!」
「あ!スゴイいい匂いするよ〜」
「ラーメン3つ、お願いしますにゃ〜」 

 店にやって来たのは、伏見 明子(ふしみ・めいこ)九條 静佳(くじょう・しずか)鬼一法眼著 六韜(きいちほうげんちょ・りくとう)の3人だ。ちょうどお昼時のため、どこで食事をしようかと物色していたトコロで、御上たちとバッタリ会ったのである。
 
「ハイ、ラーメン3つですね。少々お待ち下さい」
「お?なんだ、伏見じゃんか。確か、二子島で会ったよな……って、なんだよ。その『にゃー』ってのは?」
「そこのブースのくじ引きで、『琴音ちゃん変身セット』が当たったので、早速試してみてるのにゃー」

 明子の頭と腰で、【琴音の耳】と【琴音のしっぽ】がピコピコ踊っている。

「わざわざ口調まで変えちゃってさ。ノリノリなんだよな、マスターってば」

 呆れ顔で、静佳が言う。

「お待たせしました♪ラーメン3つです」
「お、早いですにゃ〜」
「まぁ♪これは美味しそうですわね」
「頂きますにゃ〜……あちっ!」
「ま、まさかマスター、舌まで猫舌なのか!?」
「こ、コレは自前ですにゃ……」

 御上の写真にご利益があったのか、はたまた円華たちの宣伝が効果があったのか。
 これを皮切りに、イケ麺はたちまち行列の出来る人気店になったのであった。

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【イリヤイケ麺】

【基本値】
 4,5,2=11

【修正値】
《MC》(運営)泉 椿(いずみ・つばき)(客)伏見 明子(ふしみ・めいこ)
:2×2=4

《LC》(運営)ミナ・エロマ(みな・えろま)(客)九條 静佳(くじょう・しずか)鬼一法眼著 六韜(きいちほうげんちょ・りくとう)
:1×3=3

《IC》なし
《MB》設定:+1、イベント:+1、適性(アイテム・スキル)+1=3

 4+3+0+3=10
 10+11=21

【判定結果】
 大成功!:PP+2

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