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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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2)

ニルヴァーナの創世学園都市にて。
シェリエ・ディオニウス(しぇりえ・でぃおにうす)を誘った
フェイ・カーライズ(ふぇい・かーらいど)は、
ガイドブックを片手に、街の中を散策する。
シェリエも、ニルヴァーナに来たことがないだろうし、というのが誘った理由だが、
フェイ自身もこの街について詳しいわけではない。

行き当たりばったりで街を散策することにはなったが、
珍しいものがたくさんあり、シェリエは目を輝かせる。
「パラミタとはまた違った、いろんなものがあるのね」
「ああ、シェリエに喜んでもらえてうれしいよ」
フェイは、クレープを2人分、購入して、シェリエに渡す。
「ニルヴァーナで取れた果物が入ってるそうだ」
「へえ、おいしそうね。ありがとう」
シェリエは、お礼を言って、クレープを頬張った。

「ところで……」
フェイは、せっかくの機会と、普段はあまり話せないことを聞いてみようと思っていた。
「シェリエの両親は、その後、帰って来たのか?
私もあの時は帰ってくるとだけ聞いた程度だったからな」
「そうね。今はグランツ教に狙われているから、一時的に地球に避難しているところよ」
「なるほど……」
フェイは腕を組んだ。
「まだまだ事件は解決していないということか」
「ええ。でも、早く、皆、平和に暮らせるように頑張ろうと思うわ」
シェリエは、気丈な笑みを浮かべた。

「それでこそ、私の認めた結いっ子だな」
フェイは、シェリエのポニーテールの髪を見つめて言った。
「結いっ子って……」
シェリエは苦笑する。

「そうだ、シェリエ。
今、今やりたい事とか目標ってあるのか?」
「やりたいこと?」
「ああ。
シェリエがステキな恋人が欲しいというのは知ってるが、
それ以外に何かやりたい事。
例えば喫茶店をもっと大きくしたいとか、それ以外で何かやってみたい仕事とか。
……というのも、うちの連中を見てるとそれぞれやりたい事があるっぽいんだが、
私にはそういうの、ないから……シェリエにはあるのかなって」
フェイは、パートナー達にそれぞれ目標があることをあげて、
シェリエに問う。
シェリエは、少し考えて、答えた。
「そうね。やっぱり、素適な恋人がほしいのはもちろんだけど……。
やっぱり、今は、両親を助けるのが最優先ね」
真面目な表情のシェリエに、フェイはうなずいた。
「そうか。
わかった、この手紙を後で読んでくれ」
「お手紙?」
「ああ、読むのは後でいい」

そう言い、フェイとシェリエは、また、創世学園都市の散策へと戻っていった。