シャンバラ教導団へ

百合園女学院

校長室

薔薇の学舎へ

2023年ジューンブライド

リアクション公開中!

2023年ジューンブライド
2023年ジューンブライド 2023年ジューンブライド 2023年ジューンブライド 2023年ジューンブライド

リアクション

 水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)は教導団大尉として多忙な日々を送っていたが、ある日、唐突に休暇が取れた。
 周囲では、ジューンブライドのイベントが盛んに行われているが、ゆかりは多忙故に--そして、過去の失恋の傷から立ち直っていないこともあって、結婚はおろか恋愛とも無縁、一歩を踏み出せない状態のままだった。
 そんな時、マリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)は模擬結婚式のイベントの情報を見つけ、ゆかりの元にやってきた。
「カーリーも女子に生まれたんだから、こういうので少しは人生楽しまないと!」
 マリエッタにそう言われ、気乗りはしないが一度は経験してみようか、と思ったゆかりは模擬結婚式に参加することを決めたのだった。
 相手がいないのは今後の課題。ということで、ゆかりの相手はマリエッタがすることになった。
 模擬結婚式を行う式場に着くと、早速ゆかりたちは衣装を選び始めた。マリエッタはさっさとプリンセスラインのドレスを選び、アクセサリーもバッチリ決めている。
 一方ゆかりは、衣装に悩んでいた。純白のウェディングドレスは外せないが、白無垢も捨てがたい。シャンバラ各地の花嫁衣装だって、パラミタらしくて魅力的だ。--そんなこんなで、ゆかりはAラインのドレスとヴェールを選んだ。
「……これ、私?」
 姿見を見て、ゆかりは自分の姿に驚く。そのすぐ近くでは、
「……なんかあたし、女子として負けてる気が……」
 とマリエッタが呟いていた。

 そして、ようやく模擬結婚式が始まった。ゆかりの隣に並んで一緒に歩くのがドレスを着た花嫁--しかも相方のマリエッタだ。
 ロマンチックな気分はしないが、それはそれで素敵な瞬間かもしれない、とゆかりは思う。気楽に模擬結婚式を楽しもう、とばかりにゆかりはウェディングドレスを、模擬結婚式の雰囲気を堪能していた。
 ちらりと隣を歩くマリエッタを見れば、頬を赤らめている。緊張しているんだ、とゆかりはなんだか微笑ましく思っていた。が、実際のところ、マリエッタは模擬とはいえゆかりとの結婚をするのだ、ということでドキドキしていたのだ。
「誓いのキスもしてみる?」
 そう、ゆかりに問われたマリエッタがどのような反応を返したか--皆さんのご想像にお任せしよう。