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リアクション
【博季・アシュリング(ひろき・あしゅりんぐ)の一日】
 早朝に目を覚ました博季。彼は教師を志望しているらしい。
 そんな彼に、臨時講師の話が舞い込んだ。イルミンスールの教員に欠員がでたらしい。
「よし、ちゃんとやらないとなっ。……ふあぁ」
 意気込みつつもあくびは止まらない様だ。
 そのあくびをかみ殺しながら自分と、妻であるリンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)の弁当を作る。
 その後は掃除と洗濯を済ませて、リンネを起こす。
「リンネさん、もう学校いくよ」
「あと五分〜」
 定番のセリフを言いながらものっそりと起き上がり、弁当を持って学校へと二人は向かった。
「ってわけですぅ。よろしく頼むですぅ」
 イルミンスールの校長、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)に事情を説明される。
「事情は分かりました。……リンネさんのクラスを受け持つのもいいです。
 でもなんで調理実習なんですか!」
「細かいことは気にするなですぅ」
 どうやら想像していたものと違っていたようで、少し気落ちしている。
―調理が苦手なんですか?
「い、いや……料理は得意だし好きなんだけど、僕は魔法学科を志望しているから。
 でも、任された以上はちゃんとしないとね」
 気持ちを改めて調理実習へ向かう彼は、『プロの主夫』に見えた。『教師』でなく申し訳ない。
 調理実習が行われている教室で博季は大人気だった。
「リンネちゃんの旦那さんだ〜可愛い〜」
「本当に可愛いーあはは〜」
 みんながそう囃し立てる中、フレアリウル・ハリスクレダ(ふれありうる・はりすくれだ)も一緒になって囃し立てる。
「むしろこれだと、リンネちゃんが旦那様。なんてねっ」
「そうだったのね? リンネちゃんびっくりだ!」
 リンネも驚いたように、だが嬉しそうだ。
「いや君たち、人をからかってないで実習をして!
 フレアも率先してからかわない! リンネさんもしっかりして!」
 照れながらもきっちりと実習を監修していく博季。だが内心では少しだけ喜んでいるのだろう、顔が少しニヤついている。
―どうでしょう? ここはお二人仲良く寄り添いあってお弁当を食べさせあうのは?
「ちょ、スタッフさん!?」
 その言葉に実習室からは囃し立てる声がそこかしこであがった。
 結局、博季はリンネと寄り添いながらお弁当を食べることになった。
 リンネと一緒に帰宅した博季。
 今朝干していた、洗濯物をたたみ、再度掃除を行う。
 その上で仕込んでおいた夕食を二人で食べ、一緒にお風呂。
 ……一緒にお風呂!?
「ええ、毎日一緒だけど……節約にもなるし」
 博季の恥ずかしいというラインがイマイチわからない。
 さすがに撮影もできないのでここまで。その後はゆっくりと就寝したそうな。
 これが博季・アシュリングの一日――