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インベーダー・フロム・XXX(第2回/全3回)

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インベーダー・フロム・XXX(第2回/全3回)
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【1】 CHURCH【3】


「今頃、刀真はメルキオールに接触している頃合いか」
 玉藻 前(たまもの・まえ)は神官の目を盗んで庭園に居た。
 秋の始まりを思わせる落ち着いた陽気と、礼拝堂を出入りする信者達の穏やかな表情を見ていると気が緩みそうになるが、ここはクルセイダーとの関係が疑われている場所。
 不足の事態に対応出来るよう、玉藻は礼拝堂に不審な人物が近付かないか、見張っていた。
「とは言え、ぼーっとしているわけにもいかんな」
 奇麗な花の咲く花壇を見た。ここにナラカに由来する植物が自生しているようなら、ナラカとの関連性はより明確になる。
 玉藻は花を眺め、怪しい点はないか調べ始めた。
「……ふむ、見た事のある植物ばかりだな」
 けれども、お目当ての植物は見当たらなかった……がしかし、花壇の陰でため息を吐く霧羽 沙霧(きりゅう・さぎり)は見付けた。
「はぁ……。メルキオールって人、凄い美形だったなぁ。大丈夫かな、鈴蘭ちゃん……」
「何をこんなところでいじけている?」
 沙霧は一瞬驚いたが、玉藻が内偵に来た仲間だと知ると、またため息を吐いた。
「だって、美男子と懺悔室で二人っきりだよ? 心配じゃないか?」
「心配と言うと、メルキオールがお前のパートナーを……」
「うわあああああ! 聞きたくない!」
 沙霧は頭を抱えた。
「懺悔する鈴蘭ちゃんの手を、あの人が優しく取って……いや、そんなはずはない、鈴蘭ちゃんに限って!」
「ば、馬鹿者、大きな声を出すな……!」
 忠告は右から左、沙霧はおもむろに一輪花をむしりとった。
「大丈夫、大丈夫じゃない、大丈夫、大丈夫じゃない……」
 花占いを始める。
「大丈夫じゃない……うわぁ! どどどどうしよう!」
 その場で転がり始める。
「そ、そんなはずはないんだ!」
 もう一輪占おうと手を伸ばした時、その腕をテンプルナイツが掴んだ。
「お止め下さい」
「あ……」
 平静を取り戻して周囲を見回すと、冷ややかな目のナイツ達に囲まれていた。
「え……?」
 あと、玉藻はとっくに身を隠して、庭園から消えていた。
「あ、あのぉ……」
「お帰り願いましょう」