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【蒼空に架ける橋】第3話の裏 停滞からのリブート

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【蒼空に架ける橋】第3話の裏 停滞からのリブート

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――監獄島、本部区域。

「……どうしました?」
 通信を終え、溜息を吐いたオミ・ナに側近が問う。
「兄貴がやられた可能性がある」
「兄貴って……ナオシがか?」
 恭也の言葉に、オミ・ナが頷く。
「通信に出たのが別の奴だったんだよ。何かない限り――やられでもしなければ兄貴が自分が出ないわけがないからね」
 さらりと答えるが、オミ・ナの表情は険しい物であった。
「しかし……どうやって脱出するんですか?」
「あの向こう、まだいるわよ?」
 マルティナとフレイアが振り返り、収容区域の道に目を向けた。その先にある扉はただ静かに閉じられているが、向こう側にはヤタガラスが居る。

――オミ・ナ達は、ヤタガラスに追われこの部屋に逃げてきたようなものであったのだ。
 先程襲われた際、マルティナが【真空波】を放つも全く効果が無く、フレイアの装備では対抗が出来ない。
 危うく攻撃を受けそうになるが、恭也が借りた照明弾の光で一瞬だけであるが隙を作る事は出来た。
 その隙を突き、唯斗がプラチナムの力を借り【バニッシュ】と【ライトブリンガー】による攻撃を放つ。【バニッシュ】は威力が弱い為かあまり効果は見られなかったが、【ライトブリンガー】を食らうと体の一部が散り、何とか動きを止める事ができたのである。
 しかしこれ以上ヤタガラスとの交戦は不利と判断し、全力で本部区域へと逃げ込んだのである。
――これはたった一体との交戦での話だ。収容区域には、まだまだヤタガラスは存在している。

「私とマルティナちゃんはあの変な奴、相手にできないし……」
 少し俯きつつフレイアが呟くと、申し訳なさそうにマルティナが頷いた。
「俺の方も正直効いてた、って感じはしなかったな」
 恭也が信号拳銃を見て呟く。照明弾はあくまでも一瞬だけ怯んだようでしかなかった。白燐手榴弾も同じく、明りが弱すぎる。
「となると攻撃が通るのは【ライトブリンガー】しかないか……」
「しかし連発は難しいかと。力尽きたらそこまでです」
 唯斗の言葉に、安全地帯に居るという事で魔鎧状態から解除しているプラチナムが呟く。
「なあ、船の方はどうなってる?」
 オミ・ナが側近に問いかける。
「先程、漁船の方であの魔物を撃退したと報告を受けました」
「おっけ、流石だねモリ・ヤ。それならうちの船使えるよな?」
 オミ・ナの言葉に側近が頷く。
「よし、なら手はある。エレベーターが来たらあたしらも向こうに行くよ」
「向こうに? そういやさっき策はあるって自信満々で言ってたけどよ、向こうに行ってどうするんだ?」
 唯斗の言葉に、オミ・ナはニヤリと笑みを浮かべて言った。
「向こうから出るんだよ。元々、前もこうやって逃がすつもりだったんだからね」