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御神楽 環菜の学園対抗ツンドラカルタ

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御神楽 環菜の学園対抗ツンドラカルタ

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閉会式


 環菜の発動させたぼよよん君二世によって、グラウンドはめちゃくちゃになってしまった。明日から春休み明けまで突貫工事でグラウンドの整備が行われることだろう。整備しやすくするために、グラウンドに埋められたすべてのぼよよん君二世が地上に姿をあらわしている。
 閉会式は、蒼空学園の食堂で行われることになった。夕暮れを過ぎ、かなり肌寒くなったためだ。予報では夜に駈けて雪となるらしい。
「今日はおつかれさま。結果発表よ」
 環菜は賞状を広げる。
「第一回、ツンドラカルタ優勝者、鬼崎 朔、スカサハ・オイフェウス。貴公らの功績をここにたたえここに表彰します」
 蒼空学園の学生達が一斉に騒ぐ。朔は無表情のまま賞状を受け取り、するすると丸める。勝利には興味あるが、賞状にはそれほど愛着はないらしい。
「優勝校は、蒼空学園ね。私の学校なら当然の結果ね。でもみんなよくやったわ……代表として影野 陽太君、前へ」
「はいっ!」
 自分が呼ばれるとは想像もしていなかった陽太は思わず椅子から飛び上がる。隣に座っているエリシアは小さく嘆息して陽太の背中を環菜のホウへと押してやる。
「おめでとう」
 環菜から陽太へと楯が手渡される。陽太は楯を掲げてみせる。
 ぼよよん君二世で吹き飛ばされた風祭 隼人も何食わぬ顔で復帰し、仲間たちに拍手を送っている。
「不届き者もいたけど、みんなよくやったわ。走り回ったからお腹が減ったでしょう。運営に協力してくれた人もありがとう。あなたたちがいなければ、今日という日を迎えられなかった」
 環菜が指を鳴らすと、食堂と厨房を区切るシャッターが開かれる。シャッターの向こうには、忙しく働くおじさんおばさんたちがいる。
「これは私からのささやかなプレゼント。帰りは寒いでしょうから、ここで十分食べて暖まって。ほかの学校からの参加者も遠慮なく。この宴はあなたたちのものなのだから」
 環菜は皆に背を向ける。
「あとはあなたたちで楽しみなさい」
「よっしゃー!」
 影咲 阿童がカウンターにダッシュする。
 イルマ・スターリングも同様だ。
「大食いでパラ実魂みせたりゃ!」
 隠れ身で食堂に忍び込んでいた改造人間パラミアントこと五条 武が発破を掛ける。パラ実生たちは食堂全体をゆらすような勢いで料理の並ぶカウンターに殺到する。
「あら、ケーキも色々ありますわ」
 神代 明日香はザッハトルテを取る。明日香の横ではどりーむがクリームをわざと跳ねさせて、ふぇいとの顔に付いたそれを舌で舐めとっている。
 カオルとマリーアは食堂の隅でグラウンドを眺めていた。夕暮れからゆっくりと夜へと移り変わってくる。
「あ、雪……」
 マリーアが空を指さす。新しい年の象徴のような、純白の雪がまるで舞うように落ちてくる。
 ゆっくりと雪は降り積もる。
 グラウンドに屹立した無数のぼよよん君二世の上にも。
 白い雪で飾られた巨大なスプリングは、まるでツンドラ地帯の針葉樹林のようだった。


 御神楽 環菜のツンドラカルタ ―了―









 自室へと戻った環菜は、誰かと電話で話している。
「発動までの所要時間を短縮してほしいのだけど――えぇ、超伝導でもなんでもいいわ。あと、飛ばされた標的を自動追尾するシステムも開発を急いで頂戴。携帯アンテナが必要なら増強も考えるから……えぇ、頼んだわよ」
 すでに来年のための仕込みを始めているらしい環菜に、ルミーナは小さくため息をつくのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

溝尾富田レイディオ

▼マスターコメント

御神楽神楽のツンドラカルタを担当致しました溝尾富田レイディオ(みぞおとんだ―)です。ご参加下さいまして、ありがとうございます。
読み札案を募集いたしましたが、そのすべてを採用することができませんでした。申し訳ありません。
どの案も、自分の学校に絡めていたり、PCの境遇や嗜好に合わせたものだったりとすばらしいものでした。
ここからはまだ蒼空のフロンティアに慣れていらっしゃらない、という方向けのお話になるのですが、蒼空のフロンティアメイン画面から上部マニュアルを選んで頂き、マスターシナリオ講座と進んで頂きますと、アクションを掛ける際のちょっとしたコツなどが書かれています。参考になるのではないかと思います。もう読んだという方も、改めて読んで頂くと何か発見があるかも知れませんね。

それでは、またお会いできる日を楽しみにしております。
ゴッドスピード!