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トリック・オア・コントラクト!

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トリック・オア・コントラクト!
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■□■4■□■ 加能シズルと山葉校長

パーティー会場の別の場所。
秋葉 つかさ(あきば・つかさ)は、
加能 シズルに、
「できる限り派手な恰好できてくださいね」
と勧めておいた。
つかさ本人は、露出ギリギリの格好である。
会場にやってきたシズルは、ドラキュラの格好をしていた。
つかさは、ちょっとがっかりするが、これはこれで、とスキンシップを開始する。
「つかささん、寒くないの?」
「仮装ですよ仮装。別に見られて楽しむなんて少ししか考えてませんよ」
シズルは、恥らいつつもスキンシップを受ける。
「いっしょにいろんな方の仮装を見て回りましょう。
のぞきの練習と思って……。
シズル様にものぞき部に入ってほしいですし」
「のぞき部は……心の整理がつくまで、もう少し待ってほしいのだけど」
「では、それはそれということで」
シズルとつかさは、パーティー会場を回り始めるのだった。

★☆★

そのころ、
山葉 涼司(やまは・りょうじ)の周囲では。

五十嵐 理沙(いがらし・りさ)が、涼司に向かって来て、言う。
「ちょっと、大学にウチの学校が乗っ取られそうってどういう事よ!
……って、ええええええ!?
なんなのよこの筋肉ダルマ!?」
「な、なんだよ急に」
涼司は平服で参加していたが、シャツの前を開けていた。
理沙とおそろいのデビル付け羽と手作りの2本角とシッポの姿の、
セレスティア・エンジュ(せれすてぃあ・えんじゅ)も、めまいを起こしそうになる。
「間近で見ると……全くの別人に見えるのは、
わたくしが地球人の見わけがあまりつかないからなのですか……」
「ヤマハといえばメガネだったのに!
嫌、その筋肉何だか生理的に嫌!
容認できないわっ。
もう校長室にも行けないから、私、転校するしかないのね!?
だって校長室って毎日通うものよ。
御神楽校長の件以来喪に服してたから行ってなかったけど……
シャツ脱ぐなんてぇえ、私的に拷問よ!?」
「おい、落ち着けよ」
「て、転校先を考えなきゃ。
文化的生活維持には西側よね。
大学や天学はおっさんだし……って、教導団しか無いって事? がーん」
「理沙、少しお待ちなさい。転校とかはもっと色々良く考えてから。
というかもう少し勉学に励まないと他の学校にはわたくし達行けなくってよ」
「そういう問題か!?」
セレスティアに、さらに涼司がツッコミを入れる。
「ほ、ほら、御神楽校長が戻ってくる可能性だってあるわけだし。
今その為に尽力している人達を信じましょうよ」
「そ、それもそうね……でも、その筋肉、どうしてもいやああああああ」
「おまえら……」
理沙とセレスティアの漫才を傍観する涼司の近くに、
ルキノ・ラウェイル(るきの・らうぇいる)がやってきて、いきなり筋肉にさわる。
「トリック・オア・トリート!
というわけで、お菓子をくれなきゃいたずらしても許されるってことやね?」
「ちょ、やめ!?」
「で、お菓子持ってんの?」
「う……」
「じゃあ、デコ校長を継ぐ者として、額にマジックで肉って書くよ!」
ルキノは、嬉々として、涼司の額に肉と書いた。
「だーっ! 俺の胸や腹にさわるのはやめろー!」
「きゃー!」
涼司はなんとかルキノを振り払う。

★☆★

「涼司くん、トリック・オア・トリート。お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ」
そこに、かわいくてセクシーな、普段着ないタイプの魔女風ドレスの
火村 加夜(ひむら・かや)がやってくる。
「すまん、あいにく菓子は……!?」
加夜は、そっと涼司の腹筋をさわって、割れた所をなぞって、
さらに、いきなり脇腹をくすぐった。
「ドキドキしました?」
加夜は、涼司の手を引っ張って、頬に口づけしようとする。
「すまん、これ以上はなしで頼む」
頬を赤くした涼司は、キスを寸止めする。
「わかりました。仕事の息抜きになれたらうれしいです。
……来年はイタズラしに来てくださいね?」
加夜はにっこり笑うのだった。

★☆★

「あらあら、すごいものが見れましたね」
「山葉校長……」
つかさとシズルは、その様子をのぞいているのであった。