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リアクション
■東軍VS西軍大激突!
【東軍】の神輿のひとつには、
パラ実らしくスパイクやモヒカン風の飾りつけがされ、
セシルが乗っている。
セシルのパートナーの
幸田 恋(こうだ・れん)は、
セシルの開会宣言に続いて喧嘩神輿のルール説明を行う。
「派手にぶつかり合いながらお互いにパフォーマンスをしたり啖呵を切ったりします。
勝負を付ける方法は、お客さん達による投票で。
『どっちの神輿がパネェか』で判定していただきます。
判定基準?……ノリと勢いで。パラ実ですし」
恋は【西軍】として参加し、パートナーと競うつもりだ。
また、セシルと同じ【東軍】の
グラハム・エイブラムス(ぐらはむ・えいぶらむす)も、
恋に続いて説明する。
「そーいや、勝ったチームの景品とか決めてなかったからな。
よし、じゃあこの場で勝手に決めるぜ」
「な!? 何、勝手に……」
セシルの声は無視して、グラハムが続ける。
「いいかてめぇら!
勝ったチームはここに居るセシル大先生が、
終わった後の打ち上げの料金を全額奢ってくれるそうだ!
高級焼肉食い放題だ!当然負け犬共は自腹だ、気合入れろよ野郎共ォ!」
「ヒャッハー!!」
「うおおおおおおお!!」
大いにもりあがるパラ実生たちを見て、
セシルは後に引けなくなる。
「こうなったら、全員、飯が食えないほどボコボコにすればいだけのことです。
【キャプテン・フォークナー】の恐ろしさを思い知らせてやります」
危険なことを考え始めるセシルであった。
★☆★
【西軍】の
姫宮 和希(ひめみや・かずき)は、焼き肉に俄然張り切る。
「おまえら、勝って好きなだけ食わせてやるぜ!」
「ヒャッハー! 飯だー!」
パラ実生徒会長の和希に、神輿をかつぐパラ実生が歓声を上げる。
和希は、晒に法被・ショートパンツといういでたちであった。
「今回はパンチラ返上だぜ!」
「なんだよ、生徒会長のパンツが見れると思って神輿を担いだのによォー」
そのため、見上げた者の中から残念がる声も上がったりしていた。
「なんか言ったか!?」
「な、なんでもねえよっ」
★☆★
かくして、
恋とグラハムの神輿が、さっそくぶつかりあう。
パラ実の校章と、「西」「東」と書かれた旗で殴りあうなど、派手な戦いが繰り広げられる。
「焼肉を食べさせてもらうのは私です!」
「へへーん、俺に勝てると思ってるのかよ!!」
食べ物に目がくらんだ恋を、グラハムが挑発する。
★☆★
さらに、
【東軍】には、
泉 椿(いずみ・つばき)の桜吹雪で飾った喧嘩神輿が参戦する。
「うりゃああっ!!」
神輿の上でペットのアヒル園長と共に
軽身功を使いバック転を決めるなど、パフォーマンスしたのち、
椿が突っ込んで行く。
「負けねえぜ! いくぞセシル!」
「「ヒャッハー!!」」
椿とセシルが、和希たちに襲い掛かる。
「ふふふ、モヒカンども、おののくがいいッス!」
しかし、そこに、
ノエル・マスターシード(のえる・ますたーしーど)が、
【西軍】としてセシルや椿の前に立ちふさがる。
ノエルは、神輿の上でポーズを取りつつ、
大量に持ってる種モミ袋でジャグリングをして相手チームのモヒカン共を挑発する。
「種モミだ!」
「奪えーっ!」
集まったモヒカンたちに、ノエルが光条兵器を食らわす。
「くらえ、我が【星種シャイニングシード】!」
実際には七色に輝くだけの種モミという光条兵器であり、攻撃力はない。
だが、種モミを拾おうと、モヒカンが殺到して混戦となる。
「普段は種モミをめぐって殴りあったりしてる連中だし、
パラ実の連中はどいつもこいつも自分勝手なアホ共っスけど、
そんな連中が一つにまとまってみると、凄いパワーを発揮する物っスね。
それを気付かせてくれた事に感謝して種モミをくれてやろう」
ノエルが、さらに、周りのモヒカンたちに種モミ袋をバラまく。
「ふはは、あがめろグミン共」
ドヤ顔で言ったノエルだが。
「あいつ引きずりおろせー!」
「ブチ殺して焼肉にしてやらあっ!」
「ひいいいいいいいいいい!?」
しかし、そのせいで、ノエルの神輿にモヒカンが殺到し、
「ぎゃああああああああああ、ノエル殿のスカタン!」
「うわあああああああ、俺は【東軍】なのにー!?」
恋やグラハムも巻き込まれてやられるのだった。
★☆★
一方、【西軍】の
屋良 黎明華(やら・れめか)は。
「キマク名物種モミの塔」をイメージした、塔型の神輿の頂上で踊っていた。
20世紀の日本のディスコのようにライトアップされ、
スモークが発射されるこの神輿は、
機動力重視の軽量級神輿である。
「ひゃっはあっ! ひゃっはあっ!
お祭りなのだー!」
神輿の塔の上をお立ち台に見立て、往年のディスコで用いられたような扇をふりふり、
セーラー服をひるがえして踊りまくる。
「ひゃっはあっ!」
「ひゃっはあっ!」
担ぐパラ実生たちも、掛け声をあげて、全力で東軍にぶつかっていく。
さらに、観客サービスのため、
客席になだれこんでいく。
「うおー!?」
「ひゃっはあっ!」
「ひゃっはあ! 種モミなのだー!」
もみくちゃになりながらも、黎明華が笑顔で叫ぶ。
「ひゃっはあ、ひゃっはあ……って、きゃあああああああああああああああ!?」
観客席で応援していたリリィ・クロウ(りりぃ・くろう)が、
ディスコ神輿に巻き込まれて潰される。
潰れたリリィは、パラ実生にお立ち台の上に引きあげられ、
苗床を発動する。
その効果で、つぶされていた、ノエルや恋たちが復活する。
「その者、祝福されし種モミと補正下着をまといて、
種モミの塔に降りたつッス!」
「きゃああああ、見ないでくださいー!?」
ノエルの言葉でリリィが復活する。
ノエルの言う通り、リリィはズタボロになり、下着姿になっていた。
★☆★
しかし、そこへさらに。
【西軍】のマリィ・ファナ・ホームグロウ(まりぃ・ふぁなほーむぐろう)が、
敵味方かまわず、血煙爪を振り回しながらダイブする。
「どーん! このお神輿は乗っ取ったぁ!」
「きゃあああ、せっかく復活できていたのに、
人の神輿を奪うとは何様ですかー!?」
「何様だぁ?
お神輿は神様の乗り物に決まってんだろぉ!」
恋の神輿を乗っ取ったマリィが、
一升瓶を次々に開けていく。
「今日がここぞというときだー!」
超有名銘柄の日本酒を、惜しみなく、神輿にだばあ、とかけていく。
「持ち上がれ! 攻撃力! ヒャッハー!」
血煙爪をぎゅいいいいいいいいいいいいいいいいいいん、と回転させて、
マリィが突撃していった。
★☆★
「こっちも負けられるか! いくぜ!」
【西軍】の和希は、軽身功で敵味方の神輿を飛び石の様に飛び回って挑発する。
しかし、暑いので緩めた晒がするすると滑り落ちて、
胸が丸見えになってしまう。
「和希!? おまえ、恥じらいを持て!」
「俺はこのくらい気にしないぜ!」
椿に突っ込まれるも、和希は堂々とナイチチをさらすのであった。
「うわあっ!? すまん、セシル!」
そのフェイント(?)により、椿は和希にやられ、
【東軍】のセシルは追い詰められる。
「飯のためだ!」
和希がナイチチ全開でセシルの神輿に飛び乗る。
「祭りのときは大盤振る舞いするもんだ!」
マリィが血煙爪を振り回し叫ぶ。
「ひゃっはあ! セシルもお立ち台に上るのだー!」
黎明華も、扇をひるがえして迫る。
「うわああああ」
かくして、セシルは、
捕まって引きずりおろされ、黎明華の種モミの塔お立ち台神輿の上に担ぎ上げられる。
「これが、パラ実の食い物と種モミへの執念ッス……ぐふっ」
ノエルは、倒れたままつぶやいて、モヒカンにつぶされる。
かくして、壮絶な喧嘩神輿は、【西軍】が勝利するのだった。
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