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リアクション
第3章 それぞれの修学旅行
吉野方面にやって来た、霧島と早瀬の二人。
今回、現地の統轄である騎凛は そ の 手 の 事 には疎いから……軽く、免れることができた。
さあ……始めようか。
……調査というの名のデート。を。
3‐01 そしてデートという名の戦いへ
ベージュのシャツに長袖、ロングスカート。カラーリングは、淡い暖色系でまとめている。
「現地調査の為、制服で教導団と悟られないように」と上申。
もちろんこれも、騎凛の許可は十分に得られた。
「早瀬さん。がんばってくださいね」と。
「うん……あたし、がんばるわ」
だって、今日は霧島さんとのデート、なのだもの。
秋の空にとてもその私服が映えている、早瀬 咲希(はやせ・さき)。
メイクも普段以上に、気合入れてキチンと……
「おっ。到着したようだな」
そう。今日は、彼女も一緒だから。……負けられないわ。
「霧島さん、(それにやっぱり)早瀬さん」
その思いは彼女も同じ、そう。水無月 睡蓮(みなづき・すいれん)。【霧島 玖朔(きりしま・くざく)と夜の図書館デートをした】……だけど。
……称号が、不公平だゾ!
彼女は、そうちょっぴり思っているに違いない……?
だって早瀬の方は、【霧島 玖朔(きりしま・くざく)と公園で、キ、キ、……キ……ス……】……しただなんて!
勝負は今日だ。
負けられないぞ。
「……が、がんばれ私」
彼に会うため、精一杯の勇気をもって教導団に押しかけたのだもの。
さいわい……水無月の家系は、事実水神様を祭る神社の巫女。これが功を奏し、吉野での任務に特別つくことが許可された!
水無月も、きっちりおしゃれにきめてきている。
彼女は、水色基調にした服装が、涼しげな秋にも、彼女自身にも、よく合っている。
さて今回の教導団の任務の上で、重要な役割を果たすであろう吉野の水神関連。水無月はきちんと……
「ち、ちゃんと事前に、吉野の温泉旅行プランまで練って来たんですっ!」
早瀬、「……(温泉、……うん。望むところよ。相手にとっても不足なし)」。
霧島、「……(温泉。……うむ(ちょっとどきどき))」。
霧島は、あまり目立たないようにと、刺青を隠す長袖。
そんな霧島に、そっと、でもべったり、くっつこうとする水無月。
を牽制、しているのか?、早瀬も、さっと霧島の横に。とても、にこやかな笑顔……だ。
「あっ、は、早瀬さん、……霧島さん、……では、行きましょうか(温泉温泉……!!)」
「え、ええ。行きましょうよ、水無月さん。霧島さん。(温泉、温泉……!!)」
静かな霧島(温泉……温泉……!!)、二人それぞれの想いを、どう受け止めようというのか。
ここに、本シナリオ修学旅行2019・奈良戦役最大の戦いが始まろうとしている……!
3‐02 トーテムポールから出発!
彼ら独自の観光コースによると、ここが出発点になる。
ここはどうやら、興福寺。
五重の塔を背景に、記念撮影。……
いちばん下から順に、見てみよう。
フリッツ・ヴァンジヤード(ふりっつ・ばんじやーど)、
サミュエル・ハワード(さみゅえる・はわーど)、
鷹村 真一郎(たかむら・しんいちろう)、
そしててっぺんに、
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)。
……いきなり何事か、と思われたかも知れない。
が、五重の塔を背景に、組体操で【トーテムポール】を決めよう、というわけだ。
「サ、サミュ、動くな! 眼鏡が落ちる!」
いちばん下。土台として……「あー、潰れないように全力で踏ん張る!」フリッツ。
「(自称)教導団名物としては、潰れるわけにはいかん! ……う、くっ、くっ!!」
「ほらフリッツ笑っテ笑っテ(ほっぺむにっ)」
「う、くくく……くっ。い、いかんっ」
ぐらぐら、……
「おっ。下の方が騒がしいですが……「鍛えてたから大丈夫」というフリッツを信じますか」
「た、鷹村さん……
よぅしいくよぅ、……体育得意な私のバランス感覚を見よ!」
ルカルカが、鷹村の肩の上で、立ち上がる。
「は、はは。無茶目立ってる……あたり前か、だって……」
下から、
243
210
191
165(cm)
「……ギネスに申請しておくね」
「というわけで、俺が記念写真を撮る。いいかな?」
カメラを構えるルカルカのパートナー、ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)。
「……はい笑って?」
「あはは♪」
「に、にかっ」
「ほらフリッツ笑っテ笑っテ(ほっぺむにっ)」
「く、くくくくくぐ(は、早く……)」
「……はい笑って?」
「ダダ、ダリル殿〜〜わざとやっておりませんか??!!」
カシャ。
ずーーーん
「あ、イタタ……た、鷹村さん??
ご、ごめんなさいっだいじょうぶ??」
「(お、めのまえに、お、おっぱ……!!)だいじょうです(にかっ」
「ほらフリッツ笑っテ笑っテ(ほっぺむにっ)」
「………………」
「……フリッツ?」
「………………」(返事がない。)
「フリッツーー!!」
ということで、トーテムポールから始まった、鷹村、ルカルカ、ダリル、サミュエルにフリッツ五人の修学旅行。
ルカルカは、サファリルックのキュロット、シャツにネクタイという服装で活動的に決めている。
「制服は真っ赤で目立つから、やあん」
皆も今日はそれぞれに、私服で奈良を訪れた。
鷹村は、そんなルカルカと、観光ガイドを見つつ、皆を案内役。
「ここが地球か」
クールに決めているダリルも、内心は興奮。改札ではいきなりバーに激突した。
フリッツは、制服の上に薄いコートを三枚ほど羽織って着ている(「いつも鎧だから、落ち着かんのでな」)。
「大体、いつでもどこでも訓練だのなんだの言ってるから「教導団はパラ実より脳筋」とか言われるんだ! 後方で研究している科の立場がないだろうが!
……というわけで、今日は戦わないぞ。まあ、こういうのも楽しいものだな」
「アレ何? これ何?」
あっちこっち行ったり来たりしつつサミュエル。
「団長いないの、ざんねン……デモ、お土産は買っていくからネ」
この間にも、町中に徐々に姿を見せつつある、道満の操る式神たち。……でも無視。
このまま、今日くらいはバトルなんてなしで、楽しい修学旅行になればいいのだが?
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