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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第1回/全2回)

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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第1回/全2回)

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 その一方で翡翠、北条 円(ほうじょう・まどか)は隠れ身を使い、赫夜達に先駆けて隠密に潜入していた。
 蘭華・ラートレア(らんか・らーとれあ)は翡翠たちの飛行艇を見つかりにくいようにしつつ、雲のなかを探索し、浮遊島までたどり着いていたのだ。
 そして円は城内で横にとりつくと、翡翠の破壊工作で静麻から横流しされた火薬を壁に埋め込み、赫夜達の到着を待って爆破出来る様に準備する。
 それを白乃 自由帳(しろの・じゆうちょう)が赫夜たちに連絡する。
「こちらに進入路を作りました。上手くいけば、王座の間への近道ができるかもしれませんわ。わらわが開けて進みましょう」
 赫夜たちが駆けつけてくると、すでに城壁に穴あけ、侵入できるようにしていた。
 また、この通路を他の生徒達が利用できるように、携帯電話を使い連絡を廻していた。
 恐らくHCを持った生徒たちが一斉にその連絡を流してくれるだろう。
「じゃあ、僕が一気に赫夜を連れてその穴を突き進む! …とは言え、他の面々を持ち上げる力は少し、たりないかな…」
 赫夜達が駆けつけると、コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)が潜入路をつかって、赫夜を一気に王座の間まで連れて行こうとする。
「俺たちはいい。赫夜さんを守ってくれ。それに赫夜さんが先行するのはまずい。体力温存するためにも、コハクさん、赫夜さんを頼めるか?」
 佑也はそう、コハクに頼む。
「勿論です」
「その前に、忍びの俺が先に進む! リリィ、助けてくれるよな」
 自由帳が進入路を開けていくとそれに従い、にゃん丸、リリィ、が先陣を切って進んでいく。
「勿論よ、にゃん丸」

 その後、連絡によって追いついてきたアシャンテ・グルームエッジ(あしゃんて・ぐるーむえっじ)は赫夜を護衛し、赫夜を護るために戦ってきたらしい。
 どうやら、後から追いかけてきたバッソ隊を巨大甲虫(カブトムシ)の「ザイフォン」で撹乱しながら隙を見て狙撃し、また、毒虫の群れを呼び出して、毒を与えたり、大量の虫で視界を塞ぐなどして、殲滅させてきたようだ。
 同じく、イーオン・アルカヌム(いーおん・あるかぬむ)アルゲオ・メルム(あるげお・めるむ)も、真珠を救い出そうと追いついてきた。

 ラートレアは穴を開けた時に出た砂礫で再び自身に迷彩塗装を施し、外内部から穴の位置を発見されない様に自身の体でカモフラージュした。蒼空学園の生徒たちが駆けつけてくると、姿を表し、進入路を進ませた。


 王座の間の廊下までたどり着く一同。
 しかし、そこに独りの人物が立ちはだかった。
「良く、ここまで来たね。歓迎するよ」
 優しげな風貌で笑う、ヘイゼルアイの瞳。しかし、そこに本当の笑いは無かった。
 ミケロット・ダ・コレ−リア。
 その人である。