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合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

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合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

リアクション

 切も「ワイは? ワイは?」とやってくる。
「可愛いけど」
「金髪なのがねえ…。私達のブームは黒髪の東洋人、キュートな男の子なの」
「じゃあ、私のバトル友達になってくださーい!」
 と新人の武器オタク、ベアトリーチェが笑顔で、背中に背負っているバズーカーを切に向ける。
「それは友達とは言わない〜!!」
 切が逃げるのを面白がって、ベアトリーチェが追い回す。

「アンジェラさん、こんにちは」
 政敏とリーンが声をかけた。
「お久しぶりね。政敏にリーン、と言ったかしら?」
「はい。以前はありがとうございました。あの、アンジェラさんに聞くのは筋違いかも知れないんですが、ミケロット・ダ・コレーリアさんの行方について、ご存じないですか?」
「…一度だけ、会ったことがあるわ」
「本当ですか!? どうしていましたか?」
「お世辞にも元気、とは言えなかったわ。でも私はミケロットは大丈夫だと思っている。今はどこにいるのか、私もわからないわ。でも、彼は彼なりに再生の道を歩んでいるはずよ」
「ミケロットさんに会うことがあれば、『花達は、悩みもするけど、皆、元気です』と伝えてくださいませんか?」
 リーンの言葉にアンジェラはくすっと笑って
「『花達は、悩みもするけど、皆、元気です』ね。凄く繊細であなたたち思春期の人にしか言えない言葉だわ。私には二度と言えない言葉。…分かった。会ったら必ず伝えるわ」

 次にアンジェラは
「お久しぶりね」
 と邦彦に挨拶する。
「久しぶり。なかなか忙しいようだな、アンジェラ」
「おかげさまで。でもあなたに会いたくて仕方なかったわ。…季保にオイタはされなかった?」
「季保も同じことを言っていたよ」
「いやね、あの女。男の趣味が一緒で同門だなんて、最悪だわ」
「腐れ縁というやつだな」
「まさしくそうね。…今度、2人きりでデートしてくださらない?」
「はいー、そこまでー」
 大人の男女ムードが漂いかけてきたときにネルが割り込んでくる。アンジェラは「いいところで邪魔がはいったわ」と小声で呟く。
「わ! アンジェラ姐さんだ!」
 周と総司がねーさん!! と飛びついてくる。
「ああ、ふくよかなおっぱい、良い香りだ〜」
「これぞまさに『双丘のフロンティア』…」
「あらー久しぶりねえ、ボクちゃんたち」
 とアンジェラは微笑むと、ふたりをばっきぼきになるほど抱き締めた。
「ギャ−!!」
「私も会いたかったわよ〜!! これくらいでギャアギャア言わないの!」
 オホホホホ、とアンジェラの高笑いが響き渡る。

「私、何にも分かってなかったんだね」と真珠は呟いた。
「あの浮遊島でみんなに助けてもらったのに、自分に迷ってばっかり。自分のことばっかり。ねえ様はあんなにちゃんと自分の壁にぶつかっても、乗り越えていっているのに、私は足踏みばかりをしているわ…自分が情けない」
「それでいいじゃないですか」
 ふと、側をみると真人が立っていた。
「自分を演じる必要なんてないです。足踏みをするのが、自分ならその足を少しだけ前に出すよう、頑張っていけばいいんですよ」
 英虎とユキノも
「俺たち、真珠さんのことはよく知らないのだけれど…だからこそ僕ら兄妹の『友達』になってほしんだー。みんなで楽しい思い出をつくっていけば、それが真珠さんの『人生』になっていくんだと思うんだよね」
「あたしもそう思います」とユキノ。
 にゃん丸も
「お爺さん孝行って言ったら孫の幸せそうな元気な姿見せるのが一番だよね。クヨクヨしてると、真珠ちゃんの魅力が半減しちゃうってもんだ」
 アキラも
「蟹座なんだから、カニっぽく生きりゃいいんじゃね? 知ってるか、蟹座の星物語。カニは友情に命を掛けた名脇役、縁の下の力持ちなんだぜ?」
 と料理をパクつきながらアドバイスしながら去っていく。
「みんな…」
 そこに
「お疲れさん」と温かい紅茶を差し出してくる人物がいた。
「色々と経験したりアドバイスを聞いたりしているだろうから、自分にしっくり来るモンはあったか?」
「え、ええ…」
 真珠は、男に見覚えがあった。今は仮面をつけてはいない。
(この人、たぶん…あの時の人。仮面の下に優しい心を持っているあの人…)
「ケセアレは最期に言っていた。『王者は孤独』だって。その孤独を癒したのがルクレツィアだったてな…」
「それは、本当なの? 伯父様の最期の言葉なの?」
 真珠は詰め寄るが、その問いかけには答えず、男は続ける。
「『愛する者の為なら命はいらない』って言い切った男と、同じ血が流れてる真珠なら、どんな生き方だって見つけられるさ。あいつは道を間違えたが、あんたはきっと大丈夫。家族や仲間が居るあんたならさ。孤独なんて感じる暇が無い位に、賑やかな連中ばかりだからな…それでも迷う事、悩む事があったら誰かに助けを求めればいい。家族でも、友達でも…好きな男でも、な? ちなみに俺はお勧め出来ないぜ、なんせ悪い人間だからな」
「…この紅茶のかおり、あの時のあの人ですね…」
 トライブ・ロックスター(とらいぶ・ろっくすたー)はにやっと笑った。
「最期にアドバイスをもう一つ。男ってのは可愛い子の手料理に弱いモンだ。それが例え身内でもな…一品作ってみたらどうだい。爺さんは喜ぶだろうし、好みの男もコロッと必殺できるかもだぜ?…まぁ、別の意味で必殺になるかもしれねぇけどな」
「頑張ってみます。…私の料理の腕があがったら、あなたにも食べてもらいたい」
「サンキュー」
 トライブはそういうと、去っていった。