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兄の仇はローレライ!?

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兄の仇はローレライ!?

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〜疑問〜

 海を航海中の帆船には大勢の兵が乗り込み戦いを待ちわびている。船の舵を取るのはイングリッド。目的海域が近付くにつれ彼女の表情も真剣味を増す。一方帆船の一角で人が集まって何やら真剣な会話を交わしている。
リリ・スノーウォーカー(りり・すのーうぉーかー)とそのパートナー ユリ・アンジートレイニー(ゆり・あんじーとれいにー)は今回の事件の疑問について話しているようだ。
「先程女の様な青年によってもたらされたスキュラ犯人説。私としては船を襲ったのが何であろうと関係ないのだよ。」
「どういうことなのですか?」
「歌だよ。生き残った船員の話では歌が聞こえてしばらくして船は沈められた。これは怪物が歌っている可能性と歌によって怪物が現れる可能性があるという事なのだよ」
「つまり誰かに操られているってことですね」
「うむ、だが怪物が歌っていた場合はとても怖ろしいな」
「なぜです?」
「意図的にローレライなどに罪を被せようとしたという事になる。怪物は狡猾でそれでいて力もある事になる」
二人が話しているい所に真っ黒なドレスを身に纏った中願寺 綾瀬(ちゅうがんじ・あやせ)漆黒の ドレス(しっこくの・どれす)がそっとやってきた。
「もし、犯人がローレライの仕業に見せるように行った犯行だとするなら、次に行為を行う時も必ず『歌』が聞こえている時のはずですわ」
「ローレライが無実ならそれでいいわ」
「ガッ」
その時突然船から大きな音がした。どうやら船底をこすったようだが問題はなさそうだ。
「みなさんすみません。岩場が近い事を失念していましたわ。船はかすっただけなので大丈夫です、お気になさらず」
そうイングリッドが焦った様子で言っている。目的前に沈没なんてかっこ悪い話も現実未を帯びていて困る。
「さっきの話の続きなのですがこの船にも歌を歌う能力を持った方も多くいると思われます。その方達と共に歌を歌う事で怪物をおびき出す事が出来るんじゃないでしょうか?」
「うむ……それは面白い……かもしれん……よし、みなに聞いてみよう」
パッフェルがその提案に同意を示すと綾瀬が提案した。
「ボートを借りてもよいですか? 『式神の術』で式神にした機晶爆弾を先行させますわ」
「まるで漁だな。当ったら木端微塵ではあるが」
そうすると綾瀬は早速ボートに仕掛けを施しているようだ。
いつの間にか大きな岩場が近くに迫ってきていた。気のせいか岩場に女の人がいるように見える。
いや気のせいではない、確かに海の中にある岩場に一人たっているようだ。
海に不穏な空気が漂い始めた。