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第三章

「ニアちゃん、こっちこっち!」
「階段で転ばないように気をつけてくださいね」
「うん、大丈夫」
 ニアを連れて屋上へ向かう小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)
「ま、待ってー」
 そして、迷子になってニアの後をついてきたアリス・ウィリス(ありす・うぃりす)
「ここの屋上はすごいよー♪ ちょっとした遊園地になってるんだから!」
「……ゆうえんち?」
「ニアさんは、遊園地初めてですか?」
「うん、初めて」
「とっても楽しい場所なんだよー」
「楽しい場所……。それは、楽しみ」
「さぁ、着きましたよ」
 ベアトリーチェが屋上へのドアを開ける。その先に広がるのはちょっとした遊園地になっている屋上だった。
「ちょっと寒いねー……。ニアさんは平気?」
 寒さに震えるアリスは隣にいるニアに声をかける。
「ゆうえんち……。とっても、とっても、楽しそう……」
 が、目の前に広がる光景に夢中で寒さすら忘れ、目をキラキラさせているニアだった。
「ニアさんの目がすごくキラキラしてる……」
「連れてきて良かった♪」
「そうですね。それでは、早速行きましょうか」
「……行く」
「早速、乗り物乗りに行こう!」
「まずは、どれに乗る?」
 そこそこの規模の屋上遊園地で賑わっている。
「……あれ」
 ニアが指差したのはメリーゴーランド。
「メリーゴーランドですね」
「よーし、それじゃあ行こう♪」
 その後も、ゴーカートやジェットコースター、ゲームコーナーで楽しむニア達。
「……とっても、楽しい」
「それは良かった♪」
「ニアさんは次どれに乗りたい?」
「えっと……」
「ヒーローショーやってますよー、そこの可愛い子もそちらのかっこいい子もぜひ寄っていってねー。あ、はい。風船もどうぞ」
 四人の行く先で冒険者のマントにぬいぐるみや動物の耳にしっぽを装着して群がる子供達に愛想良くに風船を配る世 羅儀(せい・らぎ)
「ボクにも風船ちょうだいー!」
「はーい、どうぞー」
「ヒーローショーだって! どうするニアちゃん?」
「おや、やぁ美羽ちゃん。皆さんもご一緒で」
 ふと美羽達に気付いて寄ってくる羅儀。
「こんにちは♪」
「今日は買い物かな?」
「今日はニアちゃんと一緒に遊びに来たんだ♪」
「ニアちゃん?」
「この子がニアさんだよ!」
 アリスがニアを羅儀の前に出す。
「……こんにちは」
「こんにちは。羅儀だよ。良かったらヒーローショーとかどうだい?」
「……楽しい?」
「もちろんだよ」
「なら、行く」
「決まりですね。それでは皆さんで行きましょうか」
「それなら特等席に案内してあげるよ」
「わー♪ ありがと!」
「お安い御用さ。さぁ、行こうか」
 羅儀の案内の元、ヒーローショーの会場へと向かう四人。