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リアクション
ノアが戻って来てしばらく、絵音達女の子と一緒に北都が戻って来た。
「ただいま、リボンは乾いているかな」
戻るなり北都は、スノハと一緒に干しているリボンの方に急いだ。
「もう、大丈夫だね。付けてあげるね」
「うん」
乾いたリボンをスノハの頭に飾ってやる。これで元通り。絵音が戻って来れば完全に。
「ほら、これで完璧」
「ありがとう」
スノハは確認するようにリボンを何度も触った。
「帰って来たのか。お、似合ってんな」
北都とスノハに気付いたアキラはやって来た。スノハを一言褒めてから智知達の所に戻って行った。遊んでいる最中だったのだ。
「まぁ、乾いていたし」
リボンは汚れずに見事に乾いていたので頼み事を果たしていたかは面倒なので気にしなかった。
それからしばらくして図書館組が戻って来た。
「あ、スノハちゃん」
「ももんちゃん、お帰り」
スノハと桃音は楽しそうに再会を喜んでいた。
「リボン、可愛いですよー」
「ありがとう、お姉ちゃん」
水穂は頭にあるリボンに真っ先に気付いた。褒められたスノハ嬉しそうに頬を紅潮させた。
「まだ、なんだね」
ネージュは、絵音の姿が無いことを確認してから先に帰っていた北都に聞いた。
「もうそろそろだと思うんだけどねぇ」
彼女の予想通り、北都の返答は芳しくなった。
公園に戻って来たスノハは、桃音と一緒に遊んでいた。
「ナコ先生に戻って来たことを伝えたいけど、そんな雰囲気じゃないね」
ネージュは肩を小さくしているナコの方を見ながら北都に言った。
「ちょっと無理そうかな」
北都は少し面倒そうな顔でナコ達を見ていた。言わなくても戻って来たことは見れば分かる。なにより、絵音がいないのだからどうしようもない。ますますナコの肩が小さくなるだけだ。
「でも、心配したらいけないですから伝えた方がいいですよー」
水穂は二人の気持ちは分かるが、きっちり帰って来たことを勇気を持って報告する必要があると訴えた。
それにより、ネージュと北都は報告に行った。
「ナコ先生」
「これだから、新米は困るんだ。うちの子が無事じゃなかったら責任取ってくれるんですよね。……何ですか」
「民間人に保護されたなんていい加減な嘘を言わないのよ。絵音が戻って来たんですか?」
二人の呼びかけに絵音の両親は一斉に顔を向け、絵音のことを聞くも姿が見えないことに緩んだ顔は怒りに戻った。
「戻って来たんですね。子供達の相手本当にありがとうございます」
ナコは、辛いのを隠した笑顔で北都とネージュに礼を言い、また仕事に戻った。
それぞれの場所に戻った北都とネージュは、絵音が戻って来るまで園児達の相手を続けた。
「ももんちゃん、これ見て」
「すごいねー、お姫様だよ」
スノハは桃音にお姫様写真を見せていた。桃音は、楽しそうにスノハに付き合っていた。
絵音が戻って来るのはもうしばらくしてからだった。