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ア・マ・エ・タ・イ

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ア・マ・エ・タ・イ

リアクション

「あぁあっ、セレン、セレンんんっ」
「んんっ、セレアナ……やぁっ、スライムがぁあ」
「にょにょーー」
「……や、もう、ダメぇ……セレンっ……」
「あぁあ……セレアァあ……」
「にょー」
「セレン……お願い……一緒に……」
「あぁあああんっ」
「ひゃうぅうううっ」
「にょにょにょにょにょー」
 セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)は、スライムと共にぐちゃぐちゃになっていた。

 事の起こりは、花見弁当だった。
「うわあ、この花見弁当ってば空京の行列のできるデパ地下のやつじゃない? セレアナってば、気合入ってるわねえー」
「そ、そう? たまにはいいじゃない」
 はしゃぐ恋人を前に、セレアナはどこか後ろめたいような気持ちで目を逸らす。
(いえ、これはちっとも後ろめたくなんかない。正当な、自己防衛よ!)
 セレアナの脳裏に、セレンフィリティが作ったありし日の料理の数々が浮かぶ。
 ある物は黒く、またある物は何故かレインポー。
 見た目にそぐわず中身も大変個性的。
 口にするのは、死すらなまぬるい覚悟が必要。
 それを回避するためならば、こんな散財安いモノだ。
(それに、セレンも喜んでくれたようだし……)
 弁当をつつきながら、ぼーっとそんな事を考えていたセレアナは、ふと、隣にその恋人がいなくなっていたことに気づく。
「セレン?」

 セレンフィリティの膝の上に、青いスライムがいた。
 どこから来たのだろう。
 スライムの上には、何故か赤いソースのようなものが塗られている。
 そして、スライムは花見弁当をむっしゃむっしゃと食べていた。
「……どこから来たの?」
「にょー」
 弁当泥棒ではあるが、見たところ敵意は感じられない。
 それどころかむしろ可愛らしさすら感じて、ちょっと構ってあげたくなる。
 膝の上に居すわられても困るので、岩場の影に連れて行って降ろすことにした。
 弁当のおかずをいくつかスライムの前に置く。
「これだけあげるから、食べてなさい。じゃあね」
 セレンフィリティがスライムの前から去ろうとしたその時。
「にょー!」
 置いていかれると思ったのか、スライムがセレンフィリティに飛びついてきた。
「わ、ちょっと……ん、や、そこはっ!」
「にょにょにょー!」
 二度と置いていかれるものかと、スライムは必死でセレンフィリティに絡みつく。
 関節という関節に密着し、肌全体に吸いつき、はりつき、ぷるぷると身を震わせる。
「だ……だめえ……」
「セレンってば、どこに行ったの? セレン?」
「あ……セレアナ、やっ」
 そこに、恋人を探しに来たセレアナと鉢合わせる。
 恋人の痴態を見つけ、しばらく固まるセレアナ。
「セレアナ……見ない、で。あんんっ、た、たすけて……」
「……ずるい」
「は?」
「スライムにばっかり、セレンの身体を堪能されてたまるもんですかー!」
「ひゃああああ!?」