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リアクション
タイムリミットと交流会
終了の放送が流れるちょっと前。
ホリイとブリジットを助けたエヴァルトは学校入口まで来ていた。
追いかけているのは香菜たち。
「はぁ…はぁ……流石に基地からずっと走り続けんのはキツイな」
徐々にエヴァルトの走るスピードが落ちていく。
「相手は体力切れよ!」
「なら、オレがいっきに捕まえるぜ」
「頑張って、耀助ちゃん」
耀助がスピードを上げてエヴァルトに近づく。
「捕まえ、た!?」
耀助の手が届きそうになった時、エヴァルトは常時発動していた飛び込み前転の要領で倒れ込みながら地面に手をつき、回転の勢いを利用して足を耀助の脇の下から振り上げるようにすると、遠くに放り投げた。
「うげぁ!!」
飛ばされていく耀助。
投げた後はそのまま前転、回転中に後方を確認し、香菜と寿子の位置を確認したエヴァルト。
「誰が体力切れだって?」
回転終了直後に横っ飛びで寿子と香菜の連携を避けていると、そこへケイドロ終了のチャイムが鳴り響いた。
『ピンポーン! 3時間経過しました。今この瞬間以降に捕まえた場合は無効とします。お疲れさまでした!!』
回避行動を取っていたエヴァルトは拳を握りしめて勝利を噛みしめた。
◇ ◇ ◇
捕虜の面々で考えた交流会という名の食事会が食堂で開かれている。
「海!」
料理が得意な生徒たちが作った簡単な料理やお菓子が並んでいるテーブルから離れた場所でジュースを飲んでいる海を発見したルカルカが声をかけてくる。横にはアコがサンドイッチを頬張っている。
海のそばでは今回チームを組んだ柚と三月がお菓子をつまんでいた。
「お疲れ! どうだったケイドロは。最後まで逃げられた?」
「私たちは基地で捕まってしまいました」
「あ、そうなんだ」
「そういうルカルカは逃げられたのか?」
「もちろん! でも、新入生も侮れなかったわね。アコ」
「うん。回避に専念する時もあったし」
「新入生もそうですが、私も成長して先輩らしくなってるんでしょうか? それが少し気がかりです」
「そうだね。追い抜かれないように僕ももっと強くならなくちゃ!」
海たちとルカルカたちが会話を弾ませている場所以外にも、いろいろな所で先輩も後輩も関係なく、お互いによくやったというようなやり取りをしながら親睦を深めているのが見える。
「うんうん。けっこう打ち解けてるんじゃない?」
「ケイドロのアイデアは大成功だな」
「そうね。これからもこういった交流ができるようなイベントを考えなくちゃね」
満足そうに陽一と会話する理子は次のイベントを何にしようかと想いを馳せながら、この親睦会を楽しむのだった。
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担当マスターより
▼担当マスター
冬神雪羅
▼マスターコメント
初めまして、冬神雪羅です。
ケイドロ、懐かしんでくれましたか?
私も小学校の頃近所の子たちとよくやったなーと思いながら執筆させていただきました。
と言ってもこちらは少々物騒ではありましたけど。(笑)
またの機会がありましたら参加してくださると嬉しい限りです。
それでは失礼します。