リアクション
◇ ◇ ◇ ダッシュローラーを穿いて走っているルカルカ・ルー(るかるか・るー)とルカ・アコーディング(るか・あこーでぃんぐ)。 二人は顔が瓜二つである。 背後からはアコの賢狼で隠れ身が解除された瀬乃 和深(せの・かずみ)と瀬乃 月琥(せの・つきこ)が追いかけてくる。 「掴まえてごらんなさぁい」 うふふあははといった効果音が付きそうな感じにそう言うルカルカ。 「それ……違う……」 「漫才してないでさっさと掴まれ―!」 アコがルカルカに突っ込みを入れていると、和深がエロ姿を見たいが為に放つワイヤークローが飛んで来る。 それはルカルカの呪い影や賢狼が防いでいく。 「行くよ、アコ!」 「オッケー!!」 教室へ入って行くルカルカ。アコは窓から外へ出て、雨どいを伝って別の教室へと入る。 「「こっちだよ!」」 あちこちの教室から顔を出すルカルカとアコ。 「「違う違う、こっちこっち!!」」 「もーちょこまかと動き過ぎて分かんなくなるよ」 ハイドシーカーと行動予測である程度の位置は月琥がキャッチするが、たび重なる出入りでやや混乱してくる。 「兄さん! あそこの教室で決着つけよう!!」 「分かった」 アコが入って行った教室に入る月琥と和深。 「さぁ、観念して俺のワイヤークローに巻きつかれろ!! そしてエロい姿を俺に見せてくれ」 「兄さん……」 若干目的が違っているのに呆れる月琥。 そんな二人にルカルカは可動式のホワイトボードをドア側へ押して、入って来た彼らの目の前に迫らせるのだった。 「大自然の驚異だーっ」 びくりと肩を揺らす二人。 「うわっ」 「ビビった〜」 心臓を落ち着かせていると、続いてあちこちから机が投げられてくる。 「今度は暴れ机だーっ」 「うぉい!?」 「ちょっと待った、待ったー!!」 飛んで来る机に交じって他の教室でちょろまかせた黒板消しも飛んで来る。 「待てと言って待つようじゃ、まだまだ甘いよ!」 「こんな妨害ありなの!?」 「スキルじゃないもーん」 「ルカ……そんな嬉々として言う事じゃないんじゃない?」 地道にルカルカたちの妨害に耐えながらチャンスをうかがう和深と月琥。 飛び交う机で視界が狭まっているのに月琥は気付く。 「兄さん!」 「二人まとめて捕まっちまえー!!」 遮っている机の隙間を縫って月琥はオイルヴォミッターを発射。 動きを止めた二人に和深はワイヤークロー【剛神力】で二人まとめて捕らえようとする。 しかし、ルカルカは分身の術で、空蝉の術でそれを回避され、逃げられてしまう。 「惜しい!」 「もうちょっとだったね」 「「それじゃ、バイバーイ!!」」 教室に残ったのは散乱した机と悔しがる和深と月琥だけだった。 |
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