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<エピローグ>

ウィニカからの手紙。

前略 
「紅蓮の機晶石」の探索、ならびにモンスター討伐にご協力くださった皆様

本来は、ひとりひとり、直接お礼を言わなくちゃいけないのですが、
こういう形で連絡したこと、ごめんなさい。
少々プライベートが立て込んでいて……いえ、その話は後に回すことにします。

まず、ああいう状況の中で、酷く自分勝手な行動をとってしまって、ごめんなさい。
今思えば、恥ずかしいやら情けないやら、いたたまれないきもちでいっぱいです。
そんな中で、自分勝手なあたしを見守り、力を尽くしてくもらったこと、
本当に、本当に感謝しています。

結果として。
「紅蓮の機晶石」の貴重なサンプルを見つけ出すことができました。
あのとき、そのサンプルに関して、いろいろとアドバイスをいただきましたね。
「こっそり持って行けばバレないよ」とか「あたしは何も見てないよ」といってくれた人もいました。
かなり心が動きました。
でも、あのときのあたしは、メイを助ける為に「紅蓮の機晶石」をどう使うのか……石に何ができて、何ができないのか、そんなことさえ、何も知りませんでした。
探している間は、その事実に目を塞いでいたけど。
もしあのとき、あたしがあの石を手に入れたとしても、結局あたしは今までと同じに、何もできないまま「石」を睨みつけているだけだったと思います。
だから、あたしは今回の結果に満足しています。
「石」はあたしの手元にはないけど、信頼できる機関できちんと研究してもらえる事になりました。
そのうえ……コアを失った機晶姫の再生に何ができるか、そんなテーマまで、研究対象になっているそうです。
その為に動いてくれた人を、あたしは何人も思い浮かべることができます。
そして、それはきっと間違っていないと思います。

ひとつだけ、残念なことがあります。
あたしもその研究チームに加わりたかったのです。
もちろん、必死で頼み込みました。
あたしの「必死」が、少し傍迷惑なのはみんな知ってる通りなんですが……首を縦には振ってもらえませんでした。
今回あたしがやらかしてしまったことが「研究者としての資質」を欠くと判断されてしまったのかと落ち込みました。
でも、違ったみたいです。
実は、先刻、手紙をもらいました。
なし崩しで休学状態になっていた母校、蒼空学園からです。
アーティフィサーの基本過程を学ぶようにというメッセージと、ニルヴァーナ創世学園への推薦状でした。
そしてその後は、希望の機関に進むように、と……。

今回のことで、わかったことがあります。
私には、力が足りない。
それはもう、致命的に。
けれど、力が足りないことは致命的なことではない、ということも知りました。
力が足りなければ、それを貸してくれる仲間は必ずいる。
「仲間」と呼ぶには、今回のあたしは助けてもらうばかりでしたけど……。

だから、あたしはもっと勉強して、仲間と力を合わせることのできる、本物のアーティフィサーになります。
そして、いつか必ずファニー・メイを……あたしたちの友達を取り戻します。
あたしたち……もちろん、アイシァと一緒に。
本人は「ウィニカの助手になる」と言っています。
アイシァは相変わらずたいしたスキルもないドジっ子のままで、
本当にそんなことが可能なのか、時々不安になったりもしますが……
うん、でも、きっと大丈夫。
励ましてくれたみんなの顔を思い出して、そう思っています。

なにもかも、協力して、励ましてくれたみんなのおかげです。
繰り返しになりますが、本当に…… 



「なにやってるの、ウィニカ?」
 ウィニカは慌ててサインを掻き込むと、ペンを置いた。
「ちょっと、手紙書いてた」
「ふーん。あんまり無理しない方がいいよ、明日も早いんだし」
「うん、もう終わったから、平気」
 ウィニカは微笑んでそう答えると、そっと、スタンドの明かりを消した。


 もっと冒険して、もっと勉強して、色んな技術を研究して……いつか絶対、直すから。
 だから、だから待っててね、メイ……。


 ……了。
 

担当マスターより

▼担当マスター

寒月堂

▼マスターコメント

 
協力者の皆さんのおかげで、ウィニカもアイシァもいい所に着地できたような気がします。
いつか、メイを助けられる日が来たらいいですね。がんばれ二人ともー!
運営様からいただいたシナリオでしたが、この二人を無事に救い出せて、本当に嬉しいです。
皆様、素敵なアクションを本当にありがとうございました!

えー……それは、それと、して……。
前回、個人的な都合で代筆していただくという最低の結果になってしまい、申し訳ありませんでした。
今回、せっかくまた機会をいただき、久々に復帰させていただきましたのに……この体たらく。
ご参加いただいた皆様に本当に本当に申し訳なくて、穴があったら……いえもう、なかったら掘って埋まりたい気持ちです。
取り急ぎ、一秒でも早くお届けしたいので、あまりだらだら書かずに切り上げますが……。
時期的なことや他シナリオとの流れも考えてのアクションをいただいた方もいらっしゃったと思いますが、完全にズレてしまいました。
本当にすみません。
もう一度……精進させていただく機会がいただければと思いますが……どうなのか……。

ともあれ、今回は本当にありがとうございました!
 

▼マスター個別コメント