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―アリスインゲート1―後編

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―アリスインゲート1―後編

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 サビク・オルタナティヴ(さびく・おるたなてぃぶ)があなたに質問します。
「はーい。正直に言ってねー。アリサはどこかなー?」
「し、しらな――」
 小指。外側に折れます。
「ああああああああああああああああああああああああああああ――!!」
 あなたはESCの重役社員です。もうすぐ昇進が約束されています。
 実質この会社の権利者であるアイザック・サンジェルマン博士の言いなりになり続け、頑張って点数を貯めていました。
 でも今非常にピンチです。あなたは、誰とも知らないおかしな女性二人に捕まってしまいました。見た目に反して彼女たちは腕力があります。掴まれた腕は振りほどけそうにありません。
 アリサが誰かは知りません。でも、アイザック博士がまた拉致してきた人間ではないかと予想出来ます。
 もし、あなたが博士の邪魔をしたら、あなたの未来はどうなるのでしょう?
「知らないってことはないだろう? せめて何処にいるのか思いつくところを言ってくれればいいんだぜ? な?」
 シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)が耳横から囁きます。
 首を横に振りますか? 縦に振りますか?
 縦に振ったら、昇進はなくなるでしょう。あなたは地位というものに貪欲です。ここで終わる人間ではありません。
 横に振るしかないですよね。
 はい。薬指。
「いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい――!!」
 イタイですよね。
 でも、昇進がかかっています。社長にもなれるかもしれません。収入は今の倍になります。プライドもあります。指の10本くらい安いですよね?
「ほ、本当に知らなっいんだ……! はしてくれ……」
 懇願するあなたにサビクが答えてくれます。
「ダメ。アリサが見つかるまで離さないよ」
「そ、そんな……!」
「だからさ、そっと俺達のいうこと聞いてくれればいいんだよ。そしたらこれ以上痛い思いをしなくて済むぜ」
 折れた指をシリウスがつついてくれます。骨が折れているのがよくわかります。
「知らないならそれでもいいんだけど、この会社にある実験室がどこにあるか知らない?」
「しら――」
 中指――人差し指――。まとめて横に二回転。
「うううううううううううううううううううううううううううううううううう――!!」
 中指と人差し指が螺旋状になってます。あなたの指すごいザンシンですねにううううううううううううううううううううううううううう 。
「知らないはずがないよね? 重役だもんね?」
 サビクが折れてないあなたの親指を握ってくれます。
 そして耳元で囁いてくれます。
「この指……さけるチーズみたいにしよっか?」
 親指に手首方向へのちからがかかります。このままだとどうなるかな。どうなるかな?
 反対からもシリウスが囁いてくれます。
「命は惜しいよな? 死んだら終わりだぜ? 俺達は別にそれでもいいけどな――」
 彼女たちを案内すれば助かります。でも昇進もできません。今の地位も崩れるでしょう。
 断れば、指は裂け、命はありません。この後どんな拷問が待っているのでしょう。楽しみですね。
 さあ、あなたはどうしますか? どうしますか? 死にますか?