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飛び交う光線と博士の砦

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飛び交う光線と博士の砦

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エピローグ 爆弾魔

「……寝てしまっていましたか」
 発明品のひとつである”寝不足も解消する爆睡ライト”通称、”爆眠ライト”。
 それを使われ不覚にも眠ってしまっていた自分を情けなく思いながら、助手は体を起こした。
 電子で構成されてるとはいえ、ペーパのこだわりで人間と同じように作られている。
 その事に、もはや失敗作としか思えない助手だった。
「博士はどうなったでしょうか……ああ、逃げたみたいですね」
 博士が居る最深部の監視映像を確認しながら、助手は小さくため息をついた。
 さて、あとはどうしたものか、ここを静かに出るか。
 監視映像を突然止める。
 淡泊としていた助手の表情に真剣な表情がにじみ出た。

「……こうしている場合ではありませんね」
 助手は未だにぐっすりと眠っているノーンと吹雪を抱き抱えると、最深部へと向かったのだった。

     §

「早く脱出してください!! ここはまもなく爆発します!!」
「……お前はっ!!」
 呆然としていた心は慌てて現実へと引き戻され、平助は拳銃を構えた。
「今はそんなことをしている場合ではありません。早くここを脱出してください」
「何を言ってるんだ?」
 周りの契約者達からも「俺達をだまそうって言うのか」などと疑惑の声も上がり始める。

「もちろん言いたいことはあると思います。何なら私を逮捕してからでかまいません。早く脱出を」
「…………」
 ようやくただ事ではないと理解した平助は、助手の手へ手錠を掛けた。
「よし、脱出だ! よく分からんが急げ!!」

     §

「無事でしたか、警部!」
 外に出れば下っ端の佐々木と、警察仲間達が待っていた。
 なぜ助手だけ逮捕しているのかなど、佐々木に質問攻めされる。
 しかし、全力で走ったためすぐに声もでらず平助はゆっくりと深呼吸をする。
「ぜーぜー……すぅーーーー」

 ドカーーーンッ!

 そのけたたましい音に全員が振り向いた。
 穴の開いた屋根、所々から吹き出る黒い煙。そして火。
 先ほどまで自分たちの居た豪邸は、形こそは残ってるものの無残に崩れようとしていた。

 ふと、平助は助手を見る。そして考える。
 もし助手の言葉が無ければ今頃はあの中に居たのだろうと。
 この爆発は一体誰が仕掛けたのだろうと。

 何か嫌な予感が平助をよぎったのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

朱坂理樹

▼マスターコメント

 お疲れ様でした!
 バッドエンドというわけでもハッピーエンドという訳でもないですが、どうでしたでしょうか?
 今回はペーパ側のPCがうまくやってくれたなあというのが正直な感想です。
 (余談ですが、今回のペーパの捕まる確率はやや高めでした)
 
 いよいよ終盤に差し掛かっています。
 謎の爆発、いったいなぜ起きたのか……。
 最後までお付き合いいただけたら幸いです。ありがとうございました!