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魔王SOS!

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魔王SOS!

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「ぐぬぬ、ここはどこですかぁ!?」
 魔王の配下を増やす為、生徒から得た情報をもとにイルミンスール近郊の森へやってきた魔王エリザベートは迷っていた。
「ど、どっちが学校ですかぁー!」
 必死に叫ぶが、全くわからない。
 むしろ、今までどうやってここに進んできたのかも全くわからないのだ。
「ぬぅー、腹減ったですぅ」
 ぐぅ、となるお腹。
 空腹を感じるこの機能は教導団の技術の賜物なのだろうが、今は少し邪魔に感じれた。
「下手な行動は浪費するだけですぅ……」
 実際、お腹がすいたようにエネルギーも減っているのだろう。
 下手に動けば全機能がダウンしてそのままお陀仏になってしまう未来が見える。
 樹にもたれかかった魔王はぼーっとした視線で森を眺めるが、学校の姿は見えない。
「ま、魔王はこんなところでへこたれねーですぅ!」
 根拠のない自信を振りかざし、自分に発破をかける魔王は、自分に近づく影に気づいてはいなかった。
「ククク、魔王エリザベートよ! もうイルミンスールの不自由な生活には戻りたくあるまい?」

■■■

「あのアンポンタンめ! おかげで私の評価がズタズタですぅ!」
「ダメだよ、エリザベートちゃん。 そんなこと言っちゃ」
 魔王を追いかけ、生徒に話を聞いたエリザベートは、自分が裸ワイシャツで森へ向かったという話を聞いて憤慨していた。
 その道中で合流した協力者に宥められつつ、全力で森の中を疾走していた。
「あの大ババ様も学園に残しとくのは心配ならねーですぅ! とっととあのちんちくりんをとっ捕まえて帰るですぅ!」
 自分の発言の後、ついてきてないよなと辺りを見回すがアーデルハイトの影は見当たらない。
 一息ついたエリザベートはアーデルハイトによって噂が悪化しないことを祈りつつ、魔王を探す足を速めた。