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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

リアクション

■□■7■□■ 古代遺跡

一方そのころ、遺跡では。

伊吹 藤乃(いぶき・ふじの)は、
魔鎧形態のオルガナート・グリューエント(おるがなーと・ぐりゅーえんと)を装備して、
ダークビジョンを使い、通路を進んでいた。
「隠れ身とブラインドナイブスを使って、
棍棒で殴って気絶させれば、確実に武器が奪い取れるでしょう」
両腕両足、胸部、腰部を覆う黒い鎧と黒いドレス姿の藤乃は、
バトルロイヤルを思いっきり楽しんでいた。

★☆★

槍を持った如月 正悟(きさらぎ・しょうご)と、
エミリア・パージカル(えみりあ・ぱーじかる)は、つかず離れずで、
身を隠し、お互いを囮にしようとしていた。
(でもティセラ達契約者いないんだったら、
剣の花嫁というより、『剣のお局様』なんじゃないかな)
一瞬、そんなことが脳裏をよぎったが、正悟は誰かに遭遇しないか集中することにする。

★☆★

樹月 刀真(きづき・とうま)と、
漆髪 月夜(うるしがみ・つくよ)の武器は石であった。
「俺と出会ったときのことを覚えているか」
「もちろんよ、刀真」

強い力の武器を探し求めていた刀真は、
月夜に出会った際、
自分がほしいのは光条兵器であり、
自分の都合に月夜を付き合わせるつもりはなかったので、問いかけた。
「俺は俺の力の為にその剣が欲しい。
だがお前が俺に付き合う理由がない。
だから選べ! 俺に従うか、俺を拒むか」

「『従うなら、お前は俺の剣で俺のものだ』……そして私はその手を取った」
月夜は、最強の「剣」として、刀真とともにあろうと決意したのだった。
「『最強』であるなら最後まで残らないとな!」
二人の気持ちは通じ合っている。

「私の『石』(意思)は硬くて強い!」
「月夜、その『石』と『意思』をかけたのはつまらない」
二人の気持ちは通じ合っている。

★☆★

藤乃と、
正悟とエミリア、
刀真と月夜は、同時にお互いに気づき、三つ巴の戦いになる。
「くっ、こうなったら!
お前は俺の剣だ!」
「わかったわ、刀真!」
刀真が月夜の脚を持ち、思いっきり振り回して、月夜が手に持った石で殴りつける。
「うっ!?」
「さすがに想定外ね!」
藤乃とオルガナートは、月夜にぶっ飛ばされる。

「あ、あれは黒のレースガーター付きだ!」
「このバカ!」
「ぎゃああああああああああああ!?」
エミリアは、正悟を槍でボコボコにする。

「刀真のバカ、スケベ、変態!」
「って、スカートはいてるんだからこうなることもわかって……ぎゃああああ」
月夜は刀真を殴る蹴る。
「そ、そんなことより、アイテムを全員にもらえるように提案を……」
「そうだった」
ボロボロになった刀真に言われて、月夜は当初の目的を思い出す。
二人の気持ちは通じ合っている。

「ポータラカの方ですか……?
話し合いに来ました」
騎沙良 詩穂(きさら・しほ)が魔鎧清風 青白磁(せいふう・せいびゃくじ)をまとい、
魔法少女の姿で現れて、姿の見えないポータラカ人に問いかける。
「というのも今回の頂上決戦、参加者に色々な武器をお渡しのようですが疑問があります。
配給品、頂上決戦にしては余裕がありますよね。
ポータラ科の技術で例えるなら、
詩穂たちが消しゴムやスリッパを武器にしている様なものです。
しかし、その中に機関銃やレプリカ・ビックディッパーという
起爆剤を入れることによって一気にバトルを加速させる意図」
「わしのわがままじゃけ。
参加者は光条兵器の強化を希望しておる。
全員の希望は叶わぬか?」
詩穂と青白磁は口々に言う。
「でも、最後のもう1人とは闘わないと認めてくれないよね☆」
刀真と月夜に対峙しながらつぶやく詩穂だったが。

(ポータラ科などというのはキャラクエにも登場しない。ポータラカだ)
ポータラカ人の声が響き渡る。
(戦わせるのは契約者達の実力を分析するためだ。全員の強化はルールなので無理だ)
事務的な返答が返ってきた。
「律儀なんだかひどいんだかよくわからないよ!」
詩穂はずっこける。

そこに、如月 佑也(きさらぎ・ゆうや)アルマ・アレフ(あるま・あれふ)が走ってくる。
「皆、やめろ! 石を集めれば願いがかなうんだよ!」
「石を7つ集めると、全員のほしいものをもらえるはずよ!」
説得を始める二人だったが。

さらに。
「「「パラミタ撲殺天使降臨♪」」」
メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)
セシリア・ライト(せしりあ・らいと)
フィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)が、現れたのであった。

「魔法少女は撲殺天使にも負けないよ!
関節、極めてあげます☆」
「……魔法少女なんだから魔法使え」
詩穂に青白磁がツッコミを入れていると。

いきなり、爆発が起こり、遺跡が崩壊した。

★☆★

「ふうっ。これで争いは無くなったわね!」
神楽 授受(かぐら・じゅじゅ)は、
グレン・アディール(ぐれん・あでぃーる)にダイナマイトをわけてもらい、
エマ・ルビィ(えま・るびぃ)とともに遺跡を爆破したのであった。
なお、エマと授受は、機会が来るまでコタツでお茶して待機していた。
「い、いったい何が……?
そういえば、前もこんな感じで遺跡が吹っ飛んだ気が……」
這い出してきた詩穂達に、エマは笑顔で言う。
「みなさん、気はすみましたか?
仲間同士で戦うなんて、とっても悲しいことですわ……。
もうやめましょう、ね?」
「……」
「もうやめましょう、ね?」
「へんじがないよ」
「ただのしかばねのようですわね」
一同を気絶させ、顔を見合わせる授受とエマであった。
「しかたないね。お茶を続行しよう!」
「そうですわね」
こうして二人は平然とお茶を再開するのであった。