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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

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■□■3■□■ 雪原に穴

鳥羽 寛太(とば・かんた)は、レプリカ・ビックディッパーをシャベル代わりに、
雪原に穴を掘っていた。
「時代はイコン……。
つまりロボットだというのに、どうしてわざわざ剣の花嫁が集まっているんでしょう?
ああ、最終決戦ってやつですか?
うーん、今更って感じですねー。
大体ずるいですよねー。散々良い思いしたくせにさー」
ブツブツつぶやきつつ、スーパードクター梅に教わったストレス発散法を試すというのが、
寛太の目的であった。
「それにしても、掘りにくいですね。
シャベルの方がよっぽど掘りやすいのに。
ポータラカ人も、なんでこんなものくれたんだろ」

★☆★

そのころ。
桐生 円(きりゅう・まどか)とパートナー達は。
「掲示板でも表明したけど、鳥羽 寛太(とば・かんた)さんの武器を奪いに行くことにするよ!」
円の言葉に、ミネルバ・ヴァーリイ(みねるば・う゛ぁーりい)がはしゃぐ。
「本当?
剣がほしいと思ってたんだー! 杖かっこわるいもん!
よーし、うばっちゃうぞ、ひゃっはー!」
円は、魔鎧のアリウム・ウィスタリア(ありうむ・うぃすたりあ)を装備して、
ミネルバとオリヴィア・レベンクロン(おりう゛ぃあ・れべんくろん)とともに、寛太の元に向かう。
(パッフェルちゃんが小姑……ありかな。
M心にきゅんきゅんくるし
少し苛められたいかもしれない。
なんか可愛い、からかっても楽しそうだ)
道すがら、円はそんなことを考える。
「殺し合いとか煽りながら
負けた方に称号付与するとか言ってる。
生き残る事、前提だよね。
要するにポータラカ人を楽しませろってことかな」
「でも花嫁の姑っておかしいわよねぇー。
だって、花音さん以外契約してらっしゃらないしー。
花嫁の行き遅れさんになるのかしらぁー。
あっでも私300歳で……なにも考えなかった事にしましょ……」
道すがら、円とオリヴィアは、そんなことを話している。
「でっかい剣、でっかい剣、ふんふーん!」
ミネルバは杖を振り回してウキウキしている。

★☆★

穴を掘り終わった寛太は、レプリカ・ビックディッパーを放り出すと、
両手を地面について、穴の底に向かって叫んだ。
「カンナ様のおでこは15センチー!」
15センチー、15センチー、15センチー。
「ミネルバちゃんあたーっく!」
そこに、ミネルバが杖を持ってランスバレストで寛太の尻に突撃した。
「グハァッ!?」
穴に落ちながら、寛太は叫ぶ。
「穴を掘ったら別の場所を掘られてしまった!?」
そのまま気絶する寛太であった。

「気に入らない、気に入らないのよ……」
そこに、くろいオーラをまとった伊万里 真由美(いまり・まゆみ)が姿を現す。
「気に入らない……。剣の花嫁なんかが優遇されるのが気に入らない。
守護天使用の武器にしなさいよ。バカなの?」
「ボクに言われてもなあ」
円の発言に、真由美はカチンときたらしい。
「あんたそんな武器で私に挑むつもり?
レプリカ・ビックディッパーを持つ私に?
あんた達の中で生き残った子だけ相手してあげる」
(ハッタリでラスボスっぽくふるまえば、なんとかなるでしょ)
そう考えつつ、真由美は命じる。
「行け、わがしもべ、カーラ!」
カーラ・シルバ(かーら・しるば)は、
寛太のレプリカ・ビックディッパーを奪って二刀流にし、
さらに、真由美からも受け取って口にくわえる。
「さんとうりゅうれふ。むかしまんがでよみました。なんとかなるものれふね」
「か、かっこいいー!」
「かっこよくないわよぉー、ミネルバ」
ミネルバに、オリヴィアがツッコミを入れる。
「じだいはろぼっろ……ふまり、きしょうきだというろに、
こんなにはなよめがあつまっていては、かんちがいされてしまいまふ」
カーラは、口にレプリカ・ビックディッパーくわえたままで器用にしゃべる。
「おのれ……厨二力(ちゅうにちから)では負けないよ!
ヘルジャッジメントー!!」
小型飛空艇ヴォルケーノに乗ってきていた円は、ミサイルを発射する。
「ぎゃふうううううううううううううううう!?」
「って、杖以外の武器使ってるじゃないの!」
「武器はないけど武装飛空艇ならありあり、合法合法」
三刀流なんてやってるせいで、カーラと真由美はあっというまにぶっ飛ばされ、
円はレプリカ・ビックディッパーの入手に成功するのだった。
「あんた達、剣の花嫁じゃないんだから絶対優勝しなさいよ!」
黒焦げの真由美に、
「ボク光条兵器使えるけど?
パッフェルとおそろいの銃がほしいなー」
円は言い、
「くっ……覚えてなさい!」
そのまま気絶する真由美であった。