空京

校長室

終焉の絆

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終焉の絆
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到来、金色のイコン 2

 味方の支援を受けながら、ザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)強盗 ヘル(ごうとう・へる)アルマイン・スカウターのエネルギーを大量に消費し、
 周囲にバリアを展開しながら敵陣へと突っ込んでいく。
 セラフィム機たちが突っ込んでくるアルマイン・スカウターへと攻撃をするが、
 バリアに阻まれるのと昌毅とローザからの支援攻撃により、攻撃に専念することができないため、止めることができない。
 敵陣を突破したアルマイン・スカウターはそのままグラヒトリへ目掛けて体当たりする試みるも、当たりはしない。
「なるほど、一点突破か」
『一応聞いておきますが……兵を引いては頂けませんか?』
 ザカコがそう尋ねるが、返ってきたのは冷え切ったエレクトロンボルトの声。
『そんなことをまだ言ってるのか。私は君の敵で、君は私の敵。これでどうして兵を引くことができる?』
『へぇへぇさいですか。でもよ、今頃グランツ教には大勢の契約者たちがクイーンの拘束に向ってる筈だぜ。
 ……それの防衛に呼ばれていないなんて、信頼が足りないんじゃねぇか?』
 ヘルがエレクトロンボルトを挑発する。その挑発に、エレクトロンボルトがクツリと笑った気配があった。
『……違うな。お前たちは何も分かっていない』
『どういう意味だ?』
『答える義務はあるまいよ』
『なら、そのまま退場して頂きますわ』
 上空に、影。その影は次第に大きくなり、姿を見せる。
 「魔神」専用機サタナエル。操るは魔王 ベリアル(まおう・べりある)中願寺 綾瀬(ちゅうがんじ・あやせ)
 と、その姿が突如消える。
「……ワープ移動か!」
 姿を消したサタナエルの特性を瞬時に理解するエレクトロンボルトだが、理解したところでサタナエルが止まるわけではない。
『言いなりで行動する、お前ら如きが勝てると思うなよ!?』
『そして、ドラゴン殺しを行ったあなた方に、シャンバラの地にいる資格はありませんわ。……さようなら』
 ヴィサルガ・プラナヴァハを発動、覚醒以上の力を身に宿したベリアルが咆哮し、それにサタナエルも呼応する。
 リミッターが解除されたデュランダルを用いてグラヒトリを穿とうとする。
 だが、その間にセラフィム機が割り込んでくる。
 デュランダルは割り込んできたセラフィム機に深々と刺さったが、グラヒトリまでは届かない。
「ちっ、そこまで守る価値がある奴かよ!」
「……このセラフィム機、もしかして」
 綾瀬が感じた違和感。
 と、ベリアルと同じくして、覚醒以上の力を纏ったアルマイン・スカウターも攻撃に参戦する。
「これなら!」
 魔法で強化されたイコン用のカタールを持って、自身が持てる最高の突きを繰り出すアルマイン・スカウターだが、これもまたセラフィム機に阻まれる。
 しかし、その動きに違和感を感じる。まるで、操られているようなのだ。
 それだけではない。異常事態は更に続く。
 それまで修理を受けていた味方のイコン機が、グラヒトリの周りを囲む。
 まるで護衛機かのように。
『な、何をやってるんですか! そこをどいてください!』
 ザカコが味方イコン機へと通信をするが、味方イコン機のパイロットもひどく困惑していた。
『だ、だめなんです! 全然動かなくて、制御もできない!』
 操縦できない、ということらしい。一体何が起きているのか。
『……もしかして、イコン機を操れるのですか?』
『ほう、見抜くか。その通りだ……まあ知ったところでどうもできまい。
 それでどうするんだ? お仲間大好きなお前たちに手出しができるか?』
『下衆、ですわね』
『くそっ、貴方って人は……!』
 攻撃しようにも周りには味方イコン機が人質に取られている。と、グラヒトリの両肩部にエネルギーが集まっていく。
『喰らうがいい……雑兵共!』
 両肩部から集められたエネルギーが放出される。狙いはザカコやベリアル、ではない。
 放出された二つのエネルギーはザカコたちの周辺で、お互いに接触。
 途端、エネルギーが辺りに拡散してサタナエルとアルマイン・スカウターを襲う。
 そのエネルギーは雷を凝縮させたものであり、イコン機の精密な機器、スラスターやレーダー機能などを一瞬で奪い去った。
『エレクトロンショック、効くだろう?』
 正常な機能を失ったサタナエルとアルマイン・スカウターが地上へ落ちるのを見て、勝ち誇るエレクトロンボルト。
「全ての回路がダウンしている……!?」
 ザカコがイコンを動かそうとするも、全ての機能がダウンしている今、どうすることもできない。
「イコンを操る力に、雷を折り合わせた攻撃……嫌な相手、ですわ」
 綾瀬の方も復旧の目処がつかない。
『所詮はこんなものか……どけ!』
『うわあ!』
 操っていた味方イコン機を弾き飛ばすエレクトロンボルト。
『ほれ、貴様等も戦わんか。さもなく私の生贄となるか?』
 その脅しに戦慄したセラフィム機たちが恐怖を抱えたまま前線へと移動し必死に攻撃をしようとする。