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【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編

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【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編
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■□■10■□■ パンツ争奪戦・リベンジ

現在の国頭 武尊(くにがみ・たける)は、
パンツ入手のため、ソーセージ争奪戦のメンバーが消耗するまで、
光学迷彩とカモフラージュで隠れていた。
「やった、やっとみつけたぞ!」
小ラズィーヤが、泥だらけになりつつも、ようやくソーセージを手にする。
そこに、現在・武尊が、シャープシューターとスナイプで充分に狙いを付け、
サイコキネシスで軌道修正をして、釣り具を放つ。
「ああっ!?」
「さぁ、ソーセージが欲しければ、パンツを脱げ。
そしてオレに脱ぎたてのパンツを差し出すんだ」
「き、貴様―! 児童ポルノだぞ!」
「拒否したりオレに逆らうのは構わないが、
オレからソーセージを奪い取るのと
オレがソーセージを喰ってしまうのとでは、
どっちが早いか試してみるか?」
(これで、この場に集まってる女のパンツは全部オレのものだ!
世間には、「エビで鯛を釣る」って言葉があるが、
オレの場合は「ソーセージでパンツを釣る」だな。
うはははは、笑いが止まらないぜ)

★☆★

「スーハー。スーハー」
一方、未来の武尊は、
大宦官・静香の部下なので、ソーセージを奪いに来ていた。
前回入手した、姫宮 和希(ひめみや・かずき)と、崩城 亜璃珠(くずしろ・ありす)のパンツをかぶり、
新たな力を得た気がするので、
誰が相手であれ、パンツを被っている間は負ける気がしないのであった。
「見たか、この圧倒的なパンツ力(ちから)を。
この力がある限り、君たちはオレには勝てない!!」
レジスタンスを蹴散らした未来・武尊だが、
泥の中のソーセージを回収する段階になり、
このままでは泥でパンツが汚れてしまうかもしれないことに気づく。
パンツをかぶるのをやめた未来・武尊だったが、途端に禁断症状に苦しみ始める。
「ううっ、パンツ力(ちから)が減少してしまう……。
パ、パンツを……新しいパンツをよこせええええええええええええ!!」

★☆★

小ラズィーヤにソーセージを持って、パンツを要求している現在・武尊の元に、
二人の吉永 竜司(よしなが・りゅうじ)が現れる。
「すげえうまいソーセージがあると聞いたから来てみりゃあ、
なんだそれは!
ンな事してるからモテねぇんだよ」
「オレはカニ……チョッキンチョッキン」
現在・竜司は、現在・武尊に言う。
未来・竜司は、緑色の肌になったので、
カニのハサミと甲羅を持って、じっとしていれば仲間に見えると考えたのであった。
「うるせえ、勝てば宦官、じゃねえ、官軍、もとい、パンツ軍なんだよ!!
それより、未来のトロールは何してんだ!」
「未来のオレは天才だから、カニのフリしてるんだよ!」
「うおおお、カニが……!
ちょん切られるのが怖くてパラ実生をやってられるか!
やれるもんならやってみろよ! アァ!?
ぐぎゃああああああああ!?」
現在・武尊と現在・竜司が口論している間に、
まだうろうろしていたカンガンガニが、未来・竜司に襲い掛かってきた。
捕まえようとした未来・竜司だったが、
カンガンガニの犠牲になってしまった。
「ちょっとお!
これ、どういうことよぉ!
責任取りなさいよお!」
切られた未来・竜司は、オカマ口調になった。
「……なくなってもオレはオレだ、
男らしく生きろ」
「そんな慰めはいらないのよぉ!」
「後でソーセージ食えば元に戻るかもしれないぜ。
とりあえず、あのソーセージを奪うんだ!」
「ふん、やれるもんならやってみろよ!」
二人の竜司に、現在・武尊は言う。

★☆★

一方、姫宮 和希(ひめみや・かずき)は、レジスタンスを率いて、
未来・武尊の軍を倒しに行こうとしていた。
(未来・武尊の野郎、前回は俺のパンツを奪うなんて
とんでもねぇ事しやがって……
今度は俺の方からやらせてもらうから覚悟しろよ!
武尊と正面対決し、今度は逆に武尊のパンツを奪ってやる!
部下やレジスタンスの前で丸出しになって大恥をかくといいぜ!
そういや、前回パンツを奪われたんで、スカートの中がスースーするが、
戦いの途中に余計な事に気を取られて油断する様な奴は
真っ先にボコボコにさせてもらうぜ!
俺はまぁ、多少見られたって気にしないぜ。
何より、穿いてなければ取られる事もないしな!)

★☆★

「そこまでだ、未来・武尊!!」
和希は、現在・武尊の波羅蜜多ツナギを切り裂き、パンツを奪って下半身を露出させた。
「わはははは!
武尊のパンツを奪ってやったぜ!
……ん?」
「き、君にはそーゆー趣味があったのか……」
和希は現在・武尊に言われて気づく。
「わりい、間違えた」

★☆★

「うおおおおおおおおおおおお!
パンツパンツパンツパンツウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!」
そこに、未来・武尊が暴走して走ってきた。
「パ、パンツを……パンツを……パンツ・オア・ダーイ!!」
「「美しくない!!」」
そこに、二人のアルツール・ライヘンベルガー(あるつーる・らいへんべるがー)が、
同時にサンダーブラストを放ち、二人の武尊は黒コゲになる。
「静香校長には悪いが、このソーセージは頂いていく!
イルミンスール再興の為に!
……ん?
しまった、ソーセージごと黒コゲになってしまったではないか!」
「やはり、これは禁呪の代償ということか……」
現在・アルツールに、未来・アルツールは言う。

★☆★

未来・アルツールは、
パートナーのシグルズ・ヴォルスングのつてで、
北欧神話の英霊達と契約してエインヘリャルなる軍団を結成、
校長や娘……ミーミル達……を守っている。
十嬢侍との揉め事など、
魔法学校や娘達に危機が訪れる度、
自分が嫌っていたはずの禁呪を行使、
強大な一撃と引き換えに寿命を削っていった為実年齢より二周り程老けている。
「今でも、禁呪は外道と言う考えは変わらん。
だが娘達を守れたのだ、後悔は無い。
娘達の花嫁姿を見る前に、寿命が尽きそうな事だけが残念だがな」
「うむ、娘達の為なら、仕方ない。
だが、花嫁姿が見られそうにないなら、
せめてウェディングドレスを用意するだけでもしておいてやるべきではないか。
そういえば、
形見や遺産が娘達にも配分される様、
手続きや遺言はキチンとしてあるのだろうな、未来の俺」
そんなやりとりが、二人のアルツールの間ではなされていた。

★☆★

「って、これは別に禁呪ではなく、普通のサンダーブラストの結果だと思うが」
「わかっている、だが、このままでは面子が立たないだろう、過去の俺」
二人のアルツールはそんな会話をしているが、
二人の武尊はぶっ倒れている。
「まだあきらめることはないですぅ。
まだソーセージがあるはずですぅ!」
現在・神代 明日香(かみしろ・あすか)は言う。
「エリザベートちゃん、エリザベートちゃん、エリザベートちゃん……」
未来・明日香は、
エリザベート依存症で暴走し始めていた。
「ああ、こんなに遠くに離れてるせいで胸が苦しいですぅ。
殺してでもソーセージをうばいとるですぅ!
ソーセージは全部、エリザベートちゃんのもの……ふふふふふふ」
「きっと、ここら辺一帯に埋まってるのは、全部、効果がありますよー。
だって、イルミンスールでソーセージを増やしたんですから。
それに、世界樹は神ですから、
ソーセージを丸ごと食べなくてもきっと大丈夫ですよー。
そんなに欲張らなくても、未来・静香と半分こでも大丈夫じゃないですか?」
しかし、現在・明日香の言う「半分こ」とは、
エリザベート大好き補正のため、ちぎったソーセージ10分の1くらいのことであった。

かくして、イルミンスール組は、
ソーセージの確保に成功する。

★☆★

「よし、戦い終わったら、腹が減ったな……
こんな所にソーセージがあるじゃないか。
気が利くな! じゃあ、いただくぜ!
むしゃむしゃ……」
和希は、ソーセージを拾って食べ始める。
「よし、僕もこれを食べてパワーアップだ!」
現在・緋桜 ケイ(ひおう・けい)にパワーアップだと言われていたので、
つぁんだもソーセージを食べる。

「こ、これは……!?」
和希は自分の身体の異変に気づく。
ソーセージを食べ終わったとたん、胸が平らになっている。
現在の狭山 珠樹(さやま・たまき)がスベスベマンジュウガニを混ぜてしまったので、
ソーセージに宦官を男の娘に戻すだけでなく、
女性が食べると性転換して男性になる効果も付加されてしまったのであった。
「なんだか筋肉も増えた気がするぞ。
俺が魂だけでなく身体も男になれたら完璧だぜ!」
和希は自分の身体を確認するため、スカートをまくりあげる。

「……すげえ!!」

★☆★

「ミュウ!
俺は身も心も男になったぜ!
これでおまえにふさわしい漢になれたぜ!
好きだ!!」
性転換して男になった和希は、
現在のミューレリア・ラングウェイ(みゅーれりあ・らんぐうぇい)にあらためて告白する。
「姫やん!?
す、好きって言ってくれてうれしいぜ!
でも、これはいったい!?」
ミューレリアは驚く。

★☆★

「うわああああああ、なんだこれはああああああ!?」
一方、同じく性転換して大騒ぎするつぁんだの前に、
現在・メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)が現れる。
「パラミタ撲殺天使、降臨♪」
「ぎゃああああああ!?」
つぁんだは現在・メイベルに撲殺された。

「こ、これで、シャンバラの地祇が完全に滅びてしまった!?
……そういえば、メイベルも、俺やつぁんだと声が似ているんだよな」
現在・ケイは、混乱のあまり、関係ないことを口にしていた。