波羅蜜多実業高等学校

リアクション

序章


「以上が本日の作戦だ、質問はないかな？」

　説明を終え、リブロ・グランチェスター（りぶろ・ぐらんちぇすたー）は皆の顔を見回した。
　モンスター退治を担当する排除班と、城内を綺麗にする掃除班。
　一部屋一部屋しらみつぶしにモンスターを排除し、すかさず綺麗にしていく計画だ。
　もし応援要請があれば、その時点で一番近い班を向かわせる。

「はい、これが城の見取り図ですわ。
　１人１枚ずつ、お持ちになられて」

　質問タイムを利用して、地図を配布する崩城　亜璃珠（くずしろ・ありす）。
　外観をもとに、だいたいの部屋の位置や数などを書き込んだものである。

「それでは、オペレーション・リールエルを開始する。
　害虫どもを粛清しろ！
　ヴァイシャリーとヴュルテンベルクの栄光を示し、古城を清掃せよ！」
　みなの健闘を祈る、以上だ」
「まぁ、みんなで楽しく『お掃除』しましょう？
　行ってらっしゃい」

　リブロの厳しい言葉は、古城を復活させてヴァイシャリーとヴュルテンベルクの密な経済発展に貢献したいとの想いから。
　たいして、軍隊やら国やらお堅い考えでは策を進めたくない亜璃珠の【誘惑】がかった台詞。
　２人の言葉を合図に、一同は城の扉をくぐったのだった。