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リアクション
第5章 長き戦いの行方・・・
-PM21:00-
得点を狙うエヴァルトを見つけ、天槻 真士(あまつき・まこと)はニヤリと笑う。
「やっぱりまだ点を狙おうとしているやつがいるのね。通りがかりに見つけられるなんてラッキーかしら・・・フフフ」
「くそっ・・・また敵陣の人間が・・・」
「ほらほら行くわよー、退かないと危ないわよー」
水鉄砲のトリガーを引き、西軍の人間へめがけてシャープシューターを放つ。
ドシュシャァアアーッ。
「馬鹿正直に正面からって・・・・・・お嬢、ちょっとそれは流石に無理が!」
セラフィス・ローレンティア(せらふぃす・ろーれんてぃあ)が止めようとするが、真士は戦いに夢中で聞く耳持たない。
「うぐぁああっ。ここまで来たのに・・・落とされてたまるかー!」
敵陣に落とされないようにエヴァルトは、水鉄砲の水圧に耐えながら丸太にしがみつく。
「いったん陣地に戻ってもう一回点を狙おうと思ったけど、ここで点減らされちゃったらヤバイからね。加勢しに来たわよ」
西軍に点を入れてきた美羽が加勢しようと参上する。
「仲間がいたのね!」
「ここは私たちに任せて早く行ってください」
「あぁ・・・任せた」
美羽とベアトリーチェに助けられ、エヴァルトは敵陣へ向かう。
「パワーブレスで強化した拳で戦おうというのね・・・」
「ダブルパーンチッ・・・と見せかけて・・・・・・目潰しファイヤァアアッ!」
「お嬢様・・・危ない!あぁああっ目がぁああー!!」
「―・・・おのれよくも・・・」
敵に水鉄砲の照準を合わせ、シャープシューターで真士が狙い撃とうとする。
「これは戦いなのよ。正々堂々、小細工しなきゃね」
「時間がありません、私たちも急ぎましょう」
「―・・・伏せて!」
とっさに丸太にしがみつき、美羽とベアトリーチェは敵襲をかわす。
「さっきはよくも落としてくれましたね・・・」
「逃がさないわよ!」
「復讐は我にありーっ!!」
真士と満夜が2人がかりで美羽たちに襲いかかる。
「ああぁっ丸太が揺れてバランスが・・・きゃぁあっ!?」
バスンッドゴスッ。
ピコピコハンマーを力いっぱい振り下ろし、彼女たちをプールに叩き落とした。
「ひゃぁー冷たいですーっ」
「ぷはぁ・・・こらー待ちなさいよぉお」
「点をもらいに行かなきゃいけないからじゃあね」
悔しそうに喚き散らす美羽に向かって真士は片手を振り、丸太の上を走り出した。
「もうすぐ着くわね」
「えぇ・・・時間的にこれが点を奪える最後のチャンスですね」
「まだ来るとは・・・しぶといでござるな!」
点を取らせまいと逢が横薙ぎにピコピコハンマーを振り回す。
「フッ甘いわね」
ダンッと丸太を蹴り、真士は軽々と避ける。
「退かないと叩き落とすわよ?」
ニヤッと笑い間合いを詰めていく。
「そっちだって点を減らされたらヤバイんじゃないですか。大人しく退いたほうがいいですよ」
「くぅ・・・・・・しかしここで退いてしまったら武士の名折れ・・・。いざ・・・尋常に参る!」
「その心構え・・・受けたちます」
満夜が決闘の申し出を受け、ピコピコハンマーを構える。
「はぁあああーっ!」
ドォオーンッと激しくぶつかり合う音が空気を振動させて辺りに轟く。
「やりますね・・・」
「そっちこそ・・・」
「ですが時間もありませんし・・・通させてもらいますよ!」
ありったけの力を込め、逢の足を狙いプールに叩き落とす。
「正面だけじゃなく、成功法でいかないといけませんからね♪」
「もう少しで着きますよ」
セラフィスが守りのないガラ空きの場所を指差した。
「よし・・・たどりついたわね・・・」
「えぇ・・・やっと長い戦いが終わりました」
西軍のプールサイドにたどり着き、彼女たちは見事走りきり点を獲得する。
-PM22:00-
「時間でーす!さぁて・・・得点を計算しましょう」
アメリアはメモを開き確認する。
西軍側の得点は・・・。
イリーナ・セルベリア・・・40点
水神 樹・・・30点
影野 陽太・・・20点
エリシア・ボック・・・20点
ナナ・マキャフリー・・・40点
音羽 逢・・・30点
エヴァルト・マルトリッツ・・・40点
小鳥遊 美羽・・・30点
ベアトリーチェ・アイブリンガー・・・30点
東軍側の得点は・・・。
ラルク・クローディス・・・100点
クルード・フォルスマイヤー・・・60点
朱宮 満夜・・・20点
ミハエル・ローゼンブルグ・・・満夜のコーチ役のため点なし。
天槻 真士・・・20点
セラフィス・ローレンティア・・・20点
レキ・フォートアウフ・・・20点
チムチム・リー・・・20点
「西軍側は280点・・・対する東軍側は260点・・・なぁんと大逆転ー!本日の丸太戦争はこれにて終了ですっ!!」
プールサイドに戻りマイクをオフにした。