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第8章 大円団

 ガートルードとシルヴェスターが施設の外に出ると、すでに日は落ち、暗くなっていた。
 だが、ミッションをクリアーした生徒たちが宴を開いていた。
 キャンプファイヤーのように、大きな櫓がたてられ、煌々と炎が舞い上がっていた。
「すごいのう」
 シルヴェスターが呟く。
「ひゃっは〜☆これ、紅茶です」
 そう言って、紅茶を差し出してきたのは神楽月 九十九(かぐらづき・つくも)だった。
「ども」
 シルヴェスターは、紅茶を二つ受け取り、一つをガートルードに渡す。
「我はどうすればいいのであろう?」
 たくさんの生徒に囲まれ、紅茶を催促されている装着型機晶姫 キングドリル(そうちゃくがたきしょうき・きんぐどりる)
「ひゃっは〜☆今、行きますから、待っててください」
 パタパタと九十九が走っていく。
 ガートルードが炎の方に視線を向ける。
「同志よ……」
「貴公の勇姿は、しかとこの目に焼き付けた」
「君らこそ、俺の宝だ」
 それぞれ、変身した武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)風森 巽(かぜもり・たつみ)五条 武(ごじょう・たける)が肩を組んでいる。
「俺たちは、死ぬ時は一緒だ」
「ああ」
「もちろんだ」
 そこにサレン、……ラブピースが、走ってくる
「私も入れて欲しいッス」
「ああ。大歓迎だ!」
 その横では、太上 老君(たいじょう・ろうくん)フゥ・バイェン(ふぅ・ばいぇん)に迫っている。
「おじょうちゃ〜ん。パフパフしての欲しいの〜う♪」
「てめぇ、なにしやがるんだよ」
 フゥの拳が太上 老君の顔面を捉える。吹き飛ぶ太上 老君。
「……」
 その様子をジッと見ているガートルード。
「いつか、この世に憎しみがなくなるなんてこと、あるんじゃろうか?」
 ポツリとシルヴェスターが呟く。
「ワシらがこんなに肩肘張らなくても、よくなる時代がくるんじゃろうか?」
「……そうですね」
 ガートルードが手に持っていた紅茶を口に含む。
「……あ、美味しい……」
 ガートルードは、わずかに笑みを浮かべたのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

柳橋克哉

▼マスターコメント

 はじめまして、今回の『改獣の園』を担当させていただいた柳橋克哉です。
 今回が初のリアクション執筆となりました。本当に難しいものです。
 ですが、みなさんのアクションや、考えていただいたモンスターを使うことによりなんとか乗り切ることができました。
 まだまだ至らない点があると思いますが、どうか生暖かく見守っていただけると、嬉しい限りです。
 たくさん執筆していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。
 それでは、またお会いできるのを楽しみにしております。

▼マスター個別コメント