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リアクション
序章 裏路地と策略
「ふっふふーのふー。あったー。これだねー」
「い、いいのかしら?」
鼻歌でも歌い出しそうに上機嫌な如月 玲奈(きさらぎ・れいな)の声に、如月 葵(きさらぎ・あおい)は不安そうな表情を浮かべた。
警備隊詰め所の裏手。
何かの資材やらガラクタやらに紛れて、一台の小型飛空艇が置かれている。
「誰にも迷惑かけないから大丈夫だよ」
「でも……証拠として押収されてるのに……」
「もう、お姉ちゃんは真面目なんだからっ。それとも、テティスが犯人だと思ってるの?」
「それは……思わないけど」
「だったら、いいのいいの。ちょっと隠しておくだけなんだから――あ、でもすぐ見つかっちゃうような所じゃダメだからね。ほらお姉ちゃん、そっち、しっかり持って持って!」
「う、うん……」
楽しそうな玲奈の声に押されて、葵は飛空艇に手をかけた。
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