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【ろくりんピック】駆け抜けろ、2人3脚トライアスロン!

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第6章 閉幕!


 本競技の開幕式の会場となった、葦原島で最も広い砂浜。
 今度は、ここが閉幕式の会場となります。


「皆、よくがんばったでありんす。
 まさか、すべての組が制限時間内にゴールまでたどり着くとはのう。
 にわかには信じられぬが……」

「そうですね、私も驚きました。
 皆様の底知れぬ力、見せていただきましたよ」

 スタッフも含め、全参加者の前に立ったハイナと房姫。
 まずは簡単に、競技全体の感想を伝えます。
 曰く、感動したそう。

「それでは、表彰を行います。
 各組の代表者は、どうぞ前へおいでください」

 房姫の呼びかけに、7名の代表者が歩み出ました。
 その肩には、2人3脚に使用した『たすき』がかけられています。

「優勝は【イーシャン】じゃのう、おめでとう。
 最後の逆転劇、なかなかのものじゃったえ」

「第2位は【西シャンバラ】、おめでとう。
 最初から最後まで、安定した走りを見せてくれたのう」

「第3位は【ウエスト】、おめでとう。
 特に自転車種目でのがんばりは、しっかり脳裏に刻まれたえ」

「第4位は【WWW】、おめでとう。
 女性のみでようこの競技を駆け抜けたのう、感服じゃよ」

「第5位は【UPW】、おめでとう。
 皆の『心の絆』、しかと視せてもらったでありんす」

「第6位は【東】、おめでとう。
 人数が不足しているなか、ようがんばったのう」

「そして第7位は【こりいとさ】、おめでとう。
 最後までよう諦めんかった、素晴らしかったえ」

 ハイナは、手書きの表彰状を手渡していきました。
 と一緒に、記念のピンバッチをば。
 葦原島の形をしたバッチには、2本の足を『たすき』でリボン結びしている絵が描かれています。
 なんとなく、可愛いかも。。。

「お待ちかね、MVPを発表するかのう……房姫や!」
「はい、これに」

 控えていた房姫は、懐から取り出した紙をハイナへ。
 外装の多当紙を外し、ゆるりと広げます。

「うむ……では、発表するえ。
 【ろくりんピック】2人3脚トライアスロンのMVPは、【WWW】の『御茶ノ水千代』でありんす!
 パートナーやチームの仲間を信じる心、さらには精神的な面でのバックアップが高評価を得たのじゃよ。
 おめでとうのう」

 続いてハイナは、房姫から受け取った額縁を渡しました。
 とても驚いているようですが……皆の祝福を聴き、現実味がわいてきたようです。
 ハイナも房姫も、その場にいるすべての人が、盛大な拍手を贈りました。

「さぁ、すべての者達へ妾らからの贈り物でありんす!」
「いきますよ……ふっ!」

 ハイナが手を挙げたのを合図に、背後の陣幕が下ろされます。
 そこには、なんと葦原明倫館の誇る雅楽部がスタンバイ。
 房姫の指揮に合わせて、緩やかな曲を奏で始めました。
 曲に合わせた部員とハイナの舞いも披露され、戦いに消耗した心を癒したことでしょう。

「皆、今日はほんによき戦いじゃった。
 今晩はゆっくり休み、明日からの競技にも備えてくれりゃ。
 ということで、妾も帰るかのう」
「私どもは楽器を運ばねばなりませんので、お先にお帰りになられて結構ですよ?」
「な、冷たいことを言うな。
 房姫がおらぬと……」
「おらぬと?」
「さっ、淋しいんでありんすよ!
 はよう片して、一緒に戻るのじゃ」

 房姫の言葉に、ハイナは足を止めます。
 ともに、後片付けに加わることにしたのでした。


「いくよコハク!
 私のこと、かわいく撮ってね♪
 この放送は空京放送局リポーター、小鳥遊美羽の実況でお送りしています!」
「カメラマンは、コハク・ソーロッドだぜ!」

 閉幕式も終わり、美羽とコハクは改めて自己紹介。
 2人には、リポーターとして最後の仕事が残っていました。

「それでは、優勝組へインタビューしたいと思います。
 まずはマラソン走者のラルク選手と『闘神の書』選手です、優勝おめでとう!
 現在の心境はどうですか?」
(美羽の笑顔も、一緒に全国へ届けるぜ!)

 疲れを感じさせないよう配慮して、美羽はマイクを操ります。
 カメラを逆の肩へ持ち替えて、コハクも選手達と美羽の勇姿を伝えきりました。


「うん、なかなか面白かったね」
「そうだよね、みんながんばってたもん!」

 ところかわって、こちらは『2020ろくりんスタジアム』です。
 スタジアムの大スクリーンでは、現場で観戦できない人達のために、生中継の映像を流していたのでした。
 イレイン・ハースト(いれいん・はーすと)近衛 涼子(このえ・りょうこ)も、開幕から閉幕までを見守ります。
 勝利者インタビューも終わり、中継が切れるまで、イレインと涼子はその場を離れませんでした。


 すっかり陽も落ち、浜辺には打ち寄せる波音だけが響きます。
 たった1日の競技でしたが、たくさんの感動を人々の心に残してくれました。
 2人3脚トライアスロン……これにて、一件落着!

担当マスターより

▼担当マスター

浅倉紀音

▼マスターコメント

お待たせいたしました、リアクションを公開させていただきます。
素敵なアクションばかりで、判定には苦労させられました(笑
なお選手の皆様には、参加した記念品としてピンバッチをお贈りいたします。
ただしアイテム化はされません、ごめんにゃさい(礼
楽しんでいただければ幸いです、本当にありがとうございました。