波羅蜜多実業高等学校

リアクション

　更衣室の中では解放された皆が呆然としていた。
　物凄いものを見せられたのだから仕方ないかもしれない。
「はっ！　怪盗は！？　のぞき部は！？」
　目覚めた珠樹は叫んだが、もうあとのまつりだ。
「今度こそ……このマンネリを解消してみせますわーー！」
　めげるのかと思いきや、決意を新たにしたようだ。

「すまなかった……大丈夫か？」
　ロープから解放されたばかりのメイコは呆然状態から回復すると、ルンルンのそばへと駆け寄り、テーピングをはがしてあげた。
「はうっ！」
「大丈夫ですか！？」
　声を上げたルンルンを心配して由宇は話しかけたが……問題は無さそうだ。
　実に幸せそうな表情である。


ーーーーーーーーーーーー


「ネットにもう動画がアップされてるでありますね！　あ、じゃあ、この動画に書き込みをすれば皆が見るから情報の共有になるでありますね！」
　自室でパソコンをいじっているのはスカサハだ。
　見ているのは今日の怪盗とのぞき部の動画だ。
『怪盗パープルバタフライはのぞき部の一員であります！』　
　こう書き込みをすると満足そうにしたのだった。


ーーーーーーーーーーーー


　さて、こちらは毎度おなじみ空京のネットカフェ。
　対決が終わって、すぐに編集をし、動画をアップしていたのはシオンとウォーデンだ。
「こんなに素敵な動画になるなんて……天才だと思わない？」
「うん！　良いよね！」
　動画には更衣室で着替えている映像や、蝶子が見られちゃった映像、またのぞき部がお仕置きされているところや、大佐のＳＭプレイまで全てを網羅していた。
　大佐のＳＭプレイに関しては、どうやら映像を本人に提供してもらったようだ。
「それにしても……今回、橙歌は影薄かったよね」
「うん……というか、最後はどこにいたのかすら、よくわからなかったよ」
「そうね……あ、お仕置きのところに美羽と一緒に居たみたい。ほらここ」
「あ、本当だ〜」
「それにしても……これでツカサはのぞき部として見られるようになるわね」
　シオンはかなり楽しそうに、笑った。
「あ、向こうの動画もアップされたのね」
　どうやら、薔薇の学舎での決着も着いたようだ。

　とうの司は……自分の部屋で椎名に同情でもらったケーキをもそもそ食べながら、涙が頬を伝った。
「あれ？　おかしいですね……涙が……」
　どんなお仕置きをされたのか……司は一生語る事はないという……。