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ミッドナイト・シャンバラ4

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ミッドナイト・シャンバラ4

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思い出特集コーナー

 
 
「思い出特集コーナー。
 さあ、今日のメインコーナーがやって参りました。
 番組が始まってから二年。そこで、リスナーの皆さんの二年間の思い出を語っていただきたいと思います。
 はたして、どんな思い出が出てくるのでしょうか。わくわく。
 では、最初のお便りです。
 ペンネーム、目指せ壁サークルさん。
 
シャレードさんこんばんは!いつも番組を楽しく聴かせて頂いています。
記念番組でリスナーの思い出募集ということでしたので投稿させて頂きました。
教導団のお手伝いでコンロンに行った時のことです。
その時私はコンロンの奥地へ向かっていました。目標はコンロンの世界樹・西王母。
イルミンスール以外の世界樹が気になっていたんです。
途中トラブルもありましたけど無事、西王母の所に到着し…思わぬイベントが!
なんと西王母の守護者に相応しいか試練を受けることになったんです。
実際には他にも何組かいて、結果は…イルミンスールの生徒さんが守護者に選ばれました。
それでも西王母に気に入ってもらえたようで、それだけでも望外の誉れです。
生徒たちと関わりを持ち始めた西王母はこの先どうするのか、目が離せません

 
 世界樹って不思議ですよねー。今はイルミンスールも大変なことになっているみたいですけれど、他にもたくさん世界樹があるんですよね。
 いきなり、イルミンスールの森にクリフォトが現れたときはびっくりしましたけれど。
 セフィロトと扶桑は、一度枯れかけたのに生き返ったんですよね。さすがです。そういえば、イルミンスールも枯れかけたという話があるんですが、どうしたんでしょう。今は地上に戻ったようですし、養分が取れるようになってちゃんと元に戻ったのでしょうか?
 ナラカにはアガスティアという世界樹があるという話ですし、ユグドラシルはほとんどオニール型のコロニー並の大きさと内部構造だという噂ですし。ほんっと、世界樹って不思議です」
 
    ★    ★    ★
 
「ああ、本当に不思議だったわ」
 通信教育の教職カリキュラムのレポートを書く手を止めて、宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)がつぶやいた。
「おりを見て、またあそこに行ってみよう」
 そう心に決めつつも、今は留学している葦原明倫館で勉学にいそしむのであった。
 
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「ペンネーム、獅子座を想う者さんからです。いつもありがとうございます。
 
シャンバラでの2年間を振り返ると転機になったのはやっぱり、セイニィ・アルギエバ(せいにぃ・あるぎえば)に惚れたことです
彼女に認められるようにこれから先も頑張りたいと思います

 
 おお、この二年間に、ステキな人を見つけたみたいですねえ。
 でも、有名人を相手にすると競争率が高くて大変ですよ。ライバルに負けないように頑張ってください。
 やはり、惚れるよりも惚れさせろ、必勝法はこれしかありません。
 ライバルが互いに足を引っぱったり、自分だけ凄いんだぞーってやっている間に、自然体で相手の望むことをすることですね。強要は最悪ですから気をつけましょう。何ごとも、地道な努力が実を結ぶのです。
 
 続いて、ペンネーム、ドサクサに酒を飲む綺麗なおね−さんさんから。お酒は二十歳からですよー。おねーさんは、二十歳過ぎなのかな?
 
パラミタでの生活を初めて、そろそろ1年…年上のお姉さんとしては、知り合った少年達の成長を見てると美味しく頂きたく…おっと、眩しく思うときがある
もっとも、どいつもこいつも恋人が出来たり、いい感じになってたりとリア充街道まっしぐら!
シャレード殿、このリア充共を罰する法律はないでしょーか?
1人で過ごす夜は寂しいのです

 
 さすがに、法律はないですねえ。
 放っておくしかありません。
 そのうち、夏が終わればセミの声も静かになります。それまでは耐え抜きましょう。
 それよりも、早くおねーさんがリア充になるべきです。その方が手っ取り早いと思います」
 
    ★    ★    ★
 
「ふっ、愚弟よ……、リア充もほどほどにな」
 キッチンでコーヒーを飲んでいた武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)武神 雅(たけがみ・みやび)が言った。
「いきなりなんだよ。あれ? みやねぇ出かけるのか? めかし込んでるところを見るとデートかな」
「ふふっ、お前に言われたくはないわ。夜は帰ってこないので先に寝ていいぞ」
 そう言うと、武神雅はポイと古い新聞をテーブルの上に投げてからでかけていった。
「いってらっしゃい。……それにしても、相手は誰なんだろうな」
 言いつつ、武神牙竜が武神雅の残していった新聞に目をやった。
 タブロイド紙のようだが、その見出しを見て目が丸くなる。
「げぇ、新聞にスクープされてる! 合コンの時に2人で抜け出して、夜のヴァイシャリーに行ったときか……」
 どうしたものかと、じっと三分間それを見つめる。
「……記念に取っておこう」
 そう言うなり、丁寧にたたんだ。
「さて、夜食は残り物で適当でいいか」