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とりかえばや男の娘 二回

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とりかえばや男の娘 二回

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取り憑く者達 2

 葦原城下
 セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)は、長逗留している宿での一室で、いつものように情事に耽っていった。
 そして、快楽の絶頂を迎えた時、セレンは突如として意識を一瞬にして失った。

「な……なにをするの? セレン!」
 セレンの手の下で、セレアナが首を絞められて苦痛に顔を歪める。
 セレンはそんなパートナーを真っ赤な目で見下ろすと、いつものセレンとは思えないような言葉と声でわめきはじめた。
「死ねぇ! 死ねぇ!!」
「くっ! やめて、セレン。お願い」
「このアマ……図に乗って乙にすましてんじゃねえ!!」
「ど……どうして、そんな事を……? あう……!」
「さっきまで気持ちよさそうによがってたのが、今度は苦しくてあえいでるのかい?」 
「やめ……て! あなた……セレンじゃない……わね!」
 セレアナは、全てを察知するとセレンの腕を握り、思い切り突き飛ばした。セレンの体が脱ぎ散らかした服の中に埋もれる。セレンは起き上がると、服の中からマシンピストルを2丁抜きだして、ゆっくりとセレアナに向けた。
「な……何をする気?」
 怯えるセレンに向かって、マシンガンを撃ち始めるセレン。
「嘘でしょう? セレン!」
 セレアナは泣き叫びながら逃げ回る。しかし、セレンは情け容赦なくマシンガンを打ち続けた。まるで、嬲るがごとく。そして、狩りを楽しむようにしてジワリジワリと追いつめえていく。
「いい気味だよ! さあ、もっと泣け、もっとあえげ、もっと苦しんであたしを楽しませるんだよ!!」
「やめて! 正気に戻ってセレン。あなたは奈落人に操られているのよ」
「やかましい! この淫売。済ました顔しやがって、あたしが何も知らないと思っているのか?」
「お願い。セレン! 私を思い出して」
 しかし、セレアナの言葉は、少しもセレンに届かないようだ。セレンは、目に入るものはすべて気に入らぬとばかりに撃ちまくり、弾が切れたらマガジンを素早く換装してセレアナの隠れている場所などを掃射する。
 そして、ついにセレアナは逃げ場を失った。セレンは壁際に追いつめた獲物ののど元にマシンガンを向けて言う。
「さぞかし、その体で毎晩あの男を楽しませてるんだろう?」
 そして、マシンガンの引き金にゆっくりと手をかけた。
 とっさにセレアナはトライデントを手を伸ばした。そして、その切っ先をセレンに向けて攻撃。一瞬セレンが怯んだ隙を見逃さず、セレアナは飛びかかって殴りつけた。その衝撃でセレンは意識を失ってしまう。意識を失ったセレンの肩をつかみ、セレアナは泣き叫んだ。
「誰が何を目論んでいるか判らないけど、セレンをこんな目に合わせるなんて許さない! 私からセレンを奪うなんて絶対に許さない! お願いだから……セレンを返して……私のセレンを返して……誰にも愛する人を奪う権利なんてないのよ……」