波羅蜜多実業高等学校

リアクション

　
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「はい、気をとりなおして、もっとまともなお葉書にしましょう。
　百合園の守衛者さんからのお便りです。
　
　最近パートナーが８４６プロでの活動の為にって、
　すっごくひらひらなスカートを買ってきたんだよね。
　僕はあんまそういうのは好きじゃないんだよね。
　まあ、僕は百合園生だしアイドルだから仕方ないんだもん。
　
　百合園の方ですから、ボクっ娘みたいですね。
　それだからかな、ひらひらのスカートが好きじゃないっていうのは。
　でも、女の子は、それも、アイドルだったら、やっぱりひらひらの衣装は標準装備だと思いますよ。
　がんばって、世の男の子たちを魅了してくださいね」
　
「よかった。ちゃんと読まれたもん」
　自分の投稿が読まれて、ちょっと安堵する松本恵でした。
　
「シャレさんは、フリフリは着ないんですか？」
　ふいに、客席から声が飛びました。
「わ、私ですか！？　ええっとお、さすがに、もうそういうのは卒業みたいな歳なんですけれど……」
「まだいけるー」
「ありがとうございます。褒め言葉として受けとっておきますね」
　律儀に、シャレード・ムーンが客席の紫月唯斗の叫びに答えました。
　
「フリフリが好きなんだ……」
　ちょっとショックを受けたように、紫月睡蓮が、いきなり叫びだした紫月唯斗を見て言いました。
「それはもう、マスターですから」
　プラチナム・アイゼンシルトは、さも当然の結果という顔をしています。
「ちょ、ちょっと待って。俺は今、何か変なことをしましたか？」
「自覚がないところが……。仕方ない、今度、夕食を作るときは、フリルつきの可愛いエプロンを着けて作ってやろう」
「エプロンだけを着けて……」
　エクス・シュペルティアの言葉をとんでもない聞き間違いをして、紫月唯斗が聞き返しました。
「唯斗兄さんの耳は、どうなっているんですかあ！」
　信じられないとばかりに、顔を赤らめた紫月睡蓮が、紫月唯斗をポカポカと叩きました。
　

　
　
「さあ、続いてのコーナーは、ちょっと雰囲気を変えていきましょう。
　百物語のコーナー！」
　
「ひっ！」
　シャレード・ムーンの言葉に、それまで有頂天だった悠久ノカナタがピキッと固まりました。
　
「　それは、ある夏の日の午後八時を少し過ぎた頃のことでした
　
　私はテレビをつけ、生放送中の国民的人気バラエティ番組を見ていたところ、不意に私の携帯電話が鳴りだしました
　
「もしもし？」
『もしもし…○○さんですか？』
「はい」
『今から貴方に会いに行きます』
　
　そう言って電話は切れてしまいました
　
　私はいたずら電話だと思い、気にせずテレビを見ているとまた携帯が鳴りだしました
　
「もしもし？」
『今、貴方の住む街につきました』
「えっ？」
『これから貴方の家に向かいます』
　
　そう言ってまた電話は切れてしまいました
　
　テレビのコントは山場を迎えていますが、私は電話が気になってそれどころではありません
　そうしてると再び携帯が鳴りだしました
　
『今貴方の家の玄関の前にいます』
　
　私は急いで玄関に向かい扉を開けてみましたが、そこには誰もいません
　
そしてまた携帯が鳴りだしました
　
「もしもし、玄関には誰もいないじゃないですか」
『………』
「いい加減、いたずら電話はやめて頂けませんか」
『………』
　
　私は電話を切ろうとしました。すると…
　
　
『もしもし、私今……
　
　
　
　
　
　シムラの後ろにいます』
　
　メリーさんョ！全員集合！さんからのお便りでした……けど、思いっきりネタじゃないですか、もう。
　怖いんだか、怖くないんだか、よく分からないですよねー」
　さすがに、シャレード・ムーンも苦笑してしまいます。
「そういえば、この間空京で百物語の会があったとか。そのとき、なんでも不思議なことが起こったそうですね。
　参加した人たちはみんな固く口を閉ざしているらしいんですけれど、いったい何があったんでしょうか」
　
「そういえば、あのときのメガネはどうなったのかしら」
　自分が探していた呪いのメガネのことを思い出して、ちょっと不安そうにリカイン・フェルマータがつぶやきました。
　
「は、ははははは。こ、怖くなんか……」
「カナタ？」
「ひゃう！」
　立ちあがったままひきつり笑いを浮かべている悠久ノカナタに、さすがに心配になって背後から緋桜ケイが声をかけました。ところが、思いっきり逆効果だったようです。髪をパチパチと逆立てて、ほとんど白目をむきかけています。
「どうどうどう。怖くない、怖くない」
　なんとかなだめて、緋桜ケイが悠久ノカナタを再び席に座らせます。
「忍びよるゆる族の恐……いてっ！？」
「もうベアったら、そういうことしたらメッですよ！」
　ここぞとばかりに、背後から追い打ちをかけようとした雪国ベアでしたが、素早くソア・ウェンボリスにたしなめられてしまいました。