校長室
遅咲き桜と花祭り~in2022~
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●終章 「みんな……ありがとう。素敵なプレゼントだったよ……。シベレーちゃん……アクロくんを……よろしくね。フィンちゃんとアクロくん……、これからも……みんなの母親として……支えていくよ……よろしくね……」 帰り際に、ルカーディアがアクロたちを見回してから、そう告げた。 「約束します。アクロ様は……私が幸せにします。そして、これからもよろしくお願いします、ルカーディア母様」 力強く頷きながら、シベレーが応える。 「私たち兄妹を助けてくれてありがとう。そして、これからもよろしくね」 フィンランも頷いてから応えると、微笑んだ。 「これからも、僕達を支えて下さい、ルカ母さん」 アクロもそう告げて、一行はまた1つ増えた思い出と共に、花祭りの会場を後にした。 * 日が傾き、夕日に照らされた西の空と、薄暗い夜に包まれた東の空が上空で交じり合う。 通路に灯りが灯された花祭りの会場では、夜桜を楽しもうという客たちが訪れ始めていた。 非不未予異無亡病 近遠(ひふみよいむなや・このとお)とそのパートナーたちもそのうちの1組だ。 遅くまで開いていた屋台で食べ物や飲み物を確保してから、1本の桜の木の下に陣取った近遠たちは、早速夜桜を楽しみ始める。 「あれから……そろそろ1年ですか。早いものですね」 ふと、近遠が呟いた。 「ああ、そうなのだよ。長い様な、慌しく過ぎ去った様な……そんな1年であったな」 「そうですわね、思えば色々ありましたわ」 イグナ・スプリント(いぐな・すぷりんと)とユーリカ・アスゲージ(ゆーりか・あすげーじ)が、1年を振り返るように、頷く。 「夜桜が、雪の様で……幻想的で綺麗なのでございます」 しんみりとして、訪れてしまった沈黙を破るように、アルティア・シールアム(あるてぃあ・しーるあむ)が口を開いた。 「そうですね〜、綺麗な桜吹雪ですね〜」 「そうですわね、ホント……雪の様ですわ」 言われて、近遠とユーリカは桜の木を見上げる。そこから、風に乗ってハラハラと舞い落ちる花びらが、アルティアが言うように、雪のように見えた。 「みなさん……今年度も、よろしくお願いしますね」 視線をパートナーたちへと戻した近遠が姿勢を改めると、そう告げて微笑む。 「近遠ちゃん、あたしたちは『パートナー』ですわよ? 去年とか今年とか、区切る必要はないですわ」 「そうなのだよ。区切り・礼節は大切なのであろうが、これからも長い付き合いになるのだよ。ずっと肩肘張っていては疲れるであろう?」 空かさずユーリカとイグナがそう言い返す。 「それもそうですね〜」 同意するように頷いた近遠は、苦笑いを浮かべた。 「それにしても、綺麗な夜桜ですね〜」 それから、今一度桜を見上げて呟く。 「そうでございます。ちょっと儚く、寂しくも思うのでございます」 昼の桜と違う風情を見せる夜桜に、アルティアが頷いた。 「そうですわね、綺麗で儚い夜桜ですわね」 ユーリカも頷く。 「折角買ったんですし、こちらも楽しみますか〜」 告げる近遠は、皆で周りを囲むように中央に並べていた食べ物や飲み物を指す。 頷いたパートナーたちと共に、夜桜を楽しむのであった。 こうして、今年も賑わいの中、花祭りは幕を閉じた――。
▼担当マスター
朝緋あきら
▼マスターコメント
リアクションお届けします、朝緋あきらです。 まずは、参加ありがとうございました。 1年ぶりに花見シナリオをお届けしようと思った結果、今年もまた桜の時期を逃して、遅咲きになってしまいました。 けれども、雅羅ちゃんを巻き込んだハプニングを用意してみましたら、ノってくれる方もいらっしゃって、嬉しかったです。 そして、美緒ちゃんたちと過ごされた方も、それぞれ思い思いに過ごされた方も、楽しんでいただけたのなら、幸いです。 ではまた、次のシナリオでお会いできることを楽しみにしております。
▼マスター個別コメント