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【じゃじゃ馬代王】空京クリーン大決戦!

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第二章 空京『ナンパ』観光案内

  「パラミタに来て、それなりに時間がたったとはいえ……。実は空京のことって余り詳しくなかったりしますね」

 和服の立ち姿。三つ編みにした豊かな青い髪が朝の陽ざしに映える。

  「住んでいる葦原ですら、ガイドをするには少し心元ないかもしれません。
  一応、それなりに事前準備として教科書や書物で書いてある事は紹介できるかもしれませんが……」

 背が高く、スタイルもよさそうだが、『背が高すぎる』と本人は気にしているそうだ。

  「でも……私はパラミタが好きです。だから、このパラミタに少しでも興味を持って貰えたのなら……
  知っておきたいし案内できたら……凄く……素敵ですよね。
  一人でお客さんをとってガイドの真似事となるとやはり心元ありませんが…」

 うつむいた前髪を風が撫でる。頬はほんのりと赤い。

  「その……耀助さん……
  できれば……ですが……私が案内することになりましたら、できれば一緒に居て欲しいのですが……。
  その……やはり駄目でしょうか……」

 一雫 悲哀(ひとしずく・ひあい)がおそるおそる顔を上げる。印象的な青い瞳の先には――先ほどまでいたはずの人影がない。
仁科 耀助(にしな・ようすけ)の声があさっての方向から聞こえる。


  「そこのお嬢さ〜ん、オレと空京でお茶しな〜い? うそうそ、仁科 姫月(にしな・ひめき)さんだよねー。
  同じ苗字! これって運命のめぐり合わせっていうのかなーって冗談冗談。
  観光案内を手伝ってくれるんだよね、ありがとーー!! 
  苗字同じでややこしいから”姫月さん”って呼んじゃってもいい? オレのことは耀助って呼んで」

  「――あの耀助さん?」
 悲哀が『姫月をナンパしている』耀助に声をかける。
  「耀助さん……どこまで聞いてくださってました?」
  「勉強してきてくれたんだよねー、頼りにしてるよ悲哀さんっ」
 肝心の部分は聞かずにナンパしに行ってしまったようだ。

  「その……耀助さん……一人でガイドをするとなると心元ないのですが……その……」
  「心配ないよ! 姫月さんもいるしー。両手に花ってオレ、幸せもんだね」

 姫月が成田 樹彦(なりた・たつひこ)の後ろに逃げる。樹彦は姫月を耀助からかばいつつ、耀助をじっと非難の目で見つめている。

  「やぁ! 成田樹彦君だね。うらやましいなぁ美男美女カップル! 
  さて美男も加わったところで”空京観光案内ガイド”、本日はこの4人で仲良く、
  どうぞよろしくお願いしますってことで参りましょう!」