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リアクション
序章
「やあやあ、どうも、ご苦労さん。今回も、よろしく頼むよ!」
真っ白な雪で飾られた老舗の温泉旅館・風船屋に、その日、一番に到着した客は、「温泉へGO!」のスタッフを引き連れた敏腕プロデューサー、マーガレット・スワン。
「はあ、どうも、いらっしゃいませです」
ペコペコと卑屈なほど頭を下げて迎えた音彦は、女将の音々の実の兄だが、旅館の乗っ取りを企んだ罪滅ぼしに、下足番として働いている身だ。
「なあ、音彦さん、ちょっとあんたにいい話があるんだけど」
「いや、オレは、もうすっかり改心しましたし、怪しげな話なぞ、懲り懲りでして」
「待て待て、これは、音々さんや風船屋さんのためにもなる話なんだぞ」
逃げようとする音彦を捕まえたマーガレット・スワンは、その耳に、自分の計画の一部を囁き始めた。
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