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夏の雅に薔薇を添えて

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夏の雅に薔薇を添えて

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第8章 名残時2





花火を見終わった小夜子と美緒は、今日1日の汗を
ながすため、2人で温泉に入ろうとしていた。


「流石薔薇の学舎。浴室においても手入れが行き届いているわね」
「そうですわね」
「さ、美緒。 背中を流して差し上げますわ」


美緒の髪を丁寧に手でほぐしながら洗う小夜子。
同様に美緒が小夜子の髪を洗い、そのまま互いの体も洗う。
そして浴槽につかれば、たわわな桃が4つ浮かび上がった。


「うふ」
「どうしましたの、小夜子?」
「美緒、ちょっと後ろ向いてもらえないかしら?」
「いいですけれど……」


すると小夜子は美緒の肩を揉んであげる。
揉まれるたびに美緒の声が響くが、浴室には2人しかいないので心配はない。


「ふふっ。 それじゃ次はこっちね」
「ひやぁう!? さ、小夜子!? そこはぁ〜…!」
「美緒は日頃から努力して、このスタイルを維持してるの、私は知ってるわよ? 恋人ですもの…」


今度は優しくむにむにと。 美緒の正面を揉んでやる。


「ひっ! あう、あ、あ……あふぅ〜!?」


妙に艶っぽい声をあげる美緒。


「『雅』を回っていたとき、擦れ違う男性達は確かに美しくて
 非の打ち所が無い人ばかりだったけど、私の興味を引かなかったわ」
「あぁぁん!」
「美緒の方が私にとってずっと惹かれるもの…。 美緒はどうかしら…?」
「わ、わたくしも……はぁ……小夜子、はぁ……が一番………」




その言葉が引き金だった。
ぎゅっと美緒を抱き締めて、優しく濃厚な口付けを。


拒む者も邪魔をする者もここにはいない。
二輪の百合の湯ごみは、とても長きものになりそうだ……