波羅蜜多実業高等学校

リアクション

　古代シャンバラ王国の遺跡にて発見された地下遺跡。
　入り口から崩落によってまるで落とし穴の様に最深部まで落下した探索チーム。
　落下の際に衝撃で意識を失っていたが、奇跡的に岩盤に潰されたメンバーはおらず重症とはいえ生き残っている。
「……俺達、ここでくたばるのかな」
　しかし、メンバーの言葉と意識は暗い。
　自分で気が岩に潰されて居なかったとはいえ、落下してきた部屋の唯一の出入り口は岩によって埋まっている。
　上を見上げても岩だらけ、いつ崩落して潰されるかわかったものではない。
「馬鹿野郎！ 団長が俺達を見捨てるかよ！」
　絶望の言葉を口にしたメンバーの肩を１人をチームリーダーの男が何度も叩く。
「それに、アイツは入り口で待機していた。 きっと俺達のことを伝えてくれたさ」
「逃げたかもしれないだろ！」
　反抗するように他のメンバーが口を入れる。
　食料も残り少なく、連絡装置も壊れてしまっている状態で皆極限状態だ。
「俺だって不安さ、けど教導団は決して仲間を見捨てないっていったのは団長だ。 俺達はそれを信じるしかないだろう？」
　リーダーも本当に助けが来るかはわからないが、それでも団長と唯一残ったメンバーを信じるしかないのだ。
　自分に言い聞かせるようにリーダーは他のメンバーに言い放つ。
　しばらく沈黙が続いたが、メンバーはそれぞれに「そうだよな」と呟き納得してくれたようだった。
　一安心したリーダーだが、彼の肩にこつんと何かがぶつかった。
「ら、落石！？」
　慌てて上を見上げるが、岩盤に変わった様子はない。
　不思議に思って足元を見降ろすと、そこには飴玉が転がっていた。
「……無事だったようで何より」
　その声を聴いた瞬間、探索チームは安堵に包まれた。