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秋葉原四十八星華討ち入り

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秋葉原四十八星華討ち入り

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■□■4■□■ キラコーズ逃走

「なんだか知らんが、私をよそに勝手に暴れているな。
い、今のうちに……」
キラコーズは、騒ぎの隙に逃げようとするが。

「キラコーズ・ケノス!
セレスティアーナを辱めるとは……許さん!
四散では足りん! 八つ裂きだ!」
マジギレしたイーオン・アルカヌム(いーおん・あるかぬむ)が襲いかかってきた。
「ざんすかよ、キラコーズは、シャンバラを侮辱した許すべからざる人物。
さらには、龍騎士であることから、倒せば武勲の誉れも、パラミタ全土に響き渡るであろう」
イーオンは、怒りに我を忘れるだけでなく、
ざんすか達の功名心を煽り、
確実に倒せるように全力を尽くそうとしていた。
「なんだかわけわかんなくなってきていたけど、
こいつはミーのマブダチであるセレスティアーナをバカにした奴だったざんす!
ぶっ飛ばしてぶっ殺してやるざんす!」
ざんすかは、キラコーズを殴る蹴る。
「ザンスカールの森の精ごときが、神である私に……ぎゃあああああ」
イーオンは、その身を蝕む妄執で、ざんすかを支援する。
「セルウィー、ざんすかを全力で支援せよ!」
「イ、イエス・マイロード!」
セルウィー・フォルトゥム(せるうぃー・ふぉるとぅむ)は、常にないイーオンの気迫におびえながら、
パワーブレスやヒールでざんすかを支援する。
(怖い。
あれほど怒っているのを見るのは久しい。
これは失態を見せればあとでどうなるか……)
セルウィーは、イーオンの言っていた「八つ裂き」は比喩ではないはずだと確信する。
(しかし、キラコーズ、ここまでの事態になると予想していれば、
口を慎んだだろうに……)
キラコーズに同情するセルウィーであった。
「セクハラごときで柄にもなく激昂しよって……」
フィーネ・クラヴィス(ふぃーね・くらびす)は、イーオンに聞かれたら怒られることはわかっているので、
ぼそりとつぶやく。
(珍しい、というか知らせを聞いたときからかつて見ないほど怒っていた。
セレスティアーナに好意を抱いているのは知っているが、
怜悧冷徹のイーオンがこうまでとは……)
「よくよく人を怒らせるのが得意なようだ、吉良上野介は」
「討つ! キラコーズを討つ!」
(こんなアナグラムにも気づかないほどには血が上っている。
これは教育が必要か?)
フィーネは魔法を乱発しながら考える。

★☆★

「待ちたまえ!」
そこにあらわれたのは、ブルタ・バルチャ(ぶるた・ばるちゃ)であった。
(ボクは秋葉原四十八星華のファンクラブ会員だけど、
キラコーズには運命的出会いを感じずにはいられない!)
「ボク達は下ネタ&オヤジギャグユニット『アブラギッターズ』!
イーオン、何を怒っていーおん?」

「冬の女王」も吹雪を起こしているのだが、
その場は絶対零度となった。

「つまり、これはイーオンと『いるの』をかけたダジャレで……」
「誰が解説が必要だと言った!」
イーオンはブルタをぶっ飛ばす。
「グフウ!?
そんなこといいつつ、イーオンだってセレスティアーナの胸のこと気になるんでしょ?」
ブルタの発言に、イーオンの周囲の空気が揺らめいた。
「ひいいい!?」
セルウィーが飛びすさる。
「……な」
「え?」
「セレスティアーナを汚すなーッ!!」
イーオンの怒りの攻撃で、「アブラギッターズ」はぶっ飛ばされた。
「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!」」

★☆★

「な、キラコーズがいないだと!?」
倒れていたのは、キラコーズの影武者となりとどめを刺されたブルタだけであった。
ブルタは、セリヌンティウスに、
キラコーズの影武者を依頼して、
「『シャンバラの3乳の一柱』であるアイリスのブラジャーをプレゼントする」
と言って協力させようとしていたが、
連絡がつかなかったため、自分が影武者になったのである。
「『シャンバラの3乳』とは、
『美乳のアイリス、巨乳の泉美緒、貧乳のエリザベート』を指すんだ。
ミツエの微乳も入いれて4乳という説もあ……ごはあっ!?」
「滅びろ!」
解説するブルタを、イーオンが今度こそとどめを刺す。

★☆★

そのころ、キラコーズは、屋敷を飛び出して、隣の家に駆けこんでいた。
「シャンバラでの女性の地位は、まだまだ低いと言わざるを得ません」
「自立した市民として生きられるようになるべきです」
「同感だが、そのために必要な教育や機会平等はいきわたっているだろうか」
クレア・シュミット(くれあ・しゅみっと)は、
たまたまキラコーズ邸の隣の家で、女性解放運動家・婦人運動家らと討論をしていたのであった。
クレア自身は、フェミニストではないが、
ごくナチュラルに実力主義的である。

「……」

キラコーズとクレア達の間で沈黙が訪れる。

「まぁ、どちらにつくかと言われれば、こちらだろうな、この場合」
クレアは、迷わず秋葉原四十八星華側につくことを選ぶ。
「貴様、さては土屋主税の転生だな!? ぎゃああああああ」
「なんでも転生にしないでくれ」
クレアは、オランプ・ド・グージュの英霊や、メアリ・ウルストンクラフトの英霊、
ヴァイシャリーの知識人達とともに、キラコーズをフルボッコにした。