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リア充密告作戦

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■□■7■□■ やはりつぁんだは撲殺

一方、ボロボロなつぁんだの前に、
空京稲荷 狐樹廊(くうきょういなり・こじゅろう)が現れる。

「つぁんだ様、今までの非礼をお詫びします。平にご容赦を」
「え? え!?」
つぁんだの顔に「ありえない!」と書かれているが、狐樹廊は続ける。
「地祇とはいえ契約者である以上、一所に留まることは許されない身。
まして行く先で何が起こるとも限りません。
そしてどんなに力を振るったところで若輩であることが覆るわけでもなし。
そんな手前にとって、くうきょう様の後見をお願い出来るのはつぁんだ様、あなたしかいないのです。
その体に余るほどの大きな野望も、根底にあるは『地祇のため』であると存じております故」
「もしかして、僕、褒められてる?」
「あなたをそのような姿にした者どもをフラワシで火祭りにして参ります。
無論、これからもあなたに害する者を見過ごしなどしません。
その上でもしお許しいただけるのでしたら……『特別な相手』と呼ばせてはもらえませんか?」
「……どうせ何か裏があるんじゃないの?
でも、そこまで言われたら悪い気はしないかな……」
これまでのことがあるのにもかかわらず、つぁんだはフェイントでドギマギしているのが見て取れる。

★☆★

そこへ、ブルタ・バルチャ(ぶるた・ばるちゃ)が、つぁんだをたぶらかしにやってくる。
「エリュシオン帝国の龍騎士達がツァンダの町を落とそうとしてる時に、
ヴァイシャリーなんかでフラフラしてて平気なの?
このままじゃ、町が滅ぼされて野良地祇になっちゃうよ?」
「な、なんだと!?」
「ねえ、だからボクと手を組もうよ。
つぁんだの持ってる地祇のネットワークを有効に活用してあげられるのはボクくらいだよ」
「何言ってるんだよ、君、明らかに怪しいよね!?」
そこへ、火村 加夜(ひむら・かや)が割って入る。
「つぁんだちゃんは悪いことしてないですよ。
合コンで幸せな時間を過ごした人も居るんですから、
つぁんだちゃんは人の為になることをしてるんですよ。
ブルタさんは危険かもしれませんから、さあこっちへ」
加夜がかばってる間に、狐樹廊がフラワシでブルタをぶっ飛ばす。
「ひぎゃあああああああああああああ!?」

★☆★

「あ、ありがとう、心なしか今日は皆に優しくされてる気がするよ……」
安堵するつぁんだだが。
「それにしても、つぁんだちゃん」
加夜はつぁんだに向き直る。
「まさかお金の為だけにロイヤルガードの権利を売ってた訳じゃないんですよね?
恋路を応援するためもあるんですよね?」
「え? もちろんお金が目的だけど? 他に何があるの?」
「そうですか。じゃあ、少しお説教しないといけませんね」
「……ハイ」
加夜は笑顔だったが、つぁんだはその場で正座した。
(こ、この人、ブルタなんかより……というか、狐樹廊よりも強い!
契約者にどつかれまくった僕の勘がそう告げているんだ……!)

「つぁんだちゃんは恋してないんですか?」
「えーと……」
加夜の「恋って素晴らしい」というベクトルのお説教に、つぁんだは困惑している。
(あれ、僕は何をしにこの会場へ来たんだっけ……)

★☆★

そこに、それまで誰がぶっ飛ばされようと、
ディナーを楽しんでいたメイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)と、
セシリア・ライト(せしりあ・らいと)と、
フィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)が、
タシガンの町の精、たしがん
ヒラニプラの町の精、ひらにぃ
キマクの町の精、きまく
シャンバラ大荒野の精、しゃんばらだいこうやを連れてやってきた。

地祇達も全員、フィリッパの用意した野球のバットを持たされている。

「前回二刀流なんてつぁんださんにしては素敵なアイデアで対抗しようとしていましたからね。
今回は、イルミンのナイスガイ、
クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)さんからプレゼントされた
マジ狩る☆ホームランバットと、
撲殺天使専用野球のバットを両方持ってきましたぁ」
「二刀流は訓練した人でないと不利になるとか、パラミタ撲殺天使にそういうのは関係ないよね」
「そうですわね、地祇の皆さんもショーは見るだけでなく
参加していただいた方がいいと思いますので、野球のバットをお配りしましたわ」
「暗黒とか闇って感じするね……フフフ」
「オマエ、コロス」
「撲殺バットで撲殺だよー」
「って、たしがんが暗黒儀式に興奮して、
ひらにぃがドリルがもらえなかったことに怒って、
きまくが野球のバットを持っただけで洗脳されているのである!
やめるのだ、いくらなんでも何もしていない相手を撲殺するなどと……」
常識人のしゃんばらだいこうやが抵抗しようとするが。
「しゃんばらだいこうやは撲殺ですぅ」
「撲殺だね」
「撲殺ですわ」
「なんだとうわあああああああああああ!?」
しゃんばらだいこうやは、撲殺天使と野球のバットを持った地祇達に撲殺された。

「わー、早く逃げないと!」
「ちょっと待って、つぁんだちゃん。
つぁんだちゃんは好きな人を考えて、胸がドキドキしないんですか?」
「今、命の危険でドキドキしてるよ!」
「恋したら気持ちとかわかるはずなんですけどね。
いちゃいちゃしたくならないですか?」
「それどころじゃな……ぎゃあああああああああああああ!? またこのオチかああああ!?」
「たとえば、私は好きな人のことを考えると……きゃあああああああああ!?」
「つぁんだ様……うわあああああ!?」
「撲殺ですぅ」
「撲殺だよ!」
「撲殺ですわ」
「撲殺か。フフフ」
「オマエ、コロス」
「撲殺だよー」
つぁんだは、いつものように撲殺天使に撲殺され、加夜と狐樹廊も巻き込まれるのだった。