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【ダークサイズ】戦場のティーパーティ

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【ダークサイズ】戦場のティーパーティ

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3 ダークサイズ、宇宙へ……

 旅の道程を止めるような大きなトラブルもなく、無事に宇宙進出を果たしたダークサイズ。
 見渡す限りの宇宙のパノラマと、本当に宇宙に来たのだという感動も手伝って、景色を飽きずに眺めたり、バリアに触れてその波紋で遊んでみたりと、うきうきしたテンションがラピュマル艦内を覆う。
 向日葵もその一人で、ノーンと一緒にラピュマルの外周をお散歩している。
 ノーンがバリアをつんつんつつきながら歩いていると、その先に腕を組んで宇宙を凝視するクロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)マナ・ウィンスレット(まな・うぃんすれっと)が見える。

「クロセルくん、すごいねー! ホントに宇宙に来ちゃったよ」

 向日葵が声をかけるが、クロセルは黙ったまま

「……クロセルくん?」
「……残念です……っ」
「?」
「向日葵さん、俺は悲しい!」
「ど、どうしたの」
「にっくきダークサイズに宇宙進出を許してしまうとは! お茶の間のヒーローとして、今日ほど無力感に打ちひしがれた日はありませんよ!」
「あー、まあそうだね」
「ほーらまたそういう曖昧な態度! ほーらまたそういう曖昧な態度! 対ダークサイズの旗頭であるあなたがそんなことだから、ダークサイズに取り込まれた上、戦力の開きを許してしまうのです!」

 クロセルは思いのたけをぶつけながら、向日葵の胸元に下がる『ダークサイズ仮幹部カード』をビシッと指さす。
 向日葵は慌ててカードを隠し、

「ちちちち違うって! だからこれは無理やり付けられたものであって、あたしはダークサイズになんて入ってないんだからね!」
「とにかく、今回ばかりはダークサイズのニルヴァーナ入りは失敗していただかなくては」
「えー……宴会(お茶会)できないのー?」

 ノーンがつまらなさそうに指をくわえる。
 クロセルはきゅぴーんと目を輝かせて言う。

「そこで! 今回は新たな作戦を思いつきました。行きますよ、向日葵さん!」


☆★☆★☆


 ラピュマルの神殿前では、宇宙を背景にひしめき合って各々が料理を作るという、シュールな画が展開されている。

「さあアルテミスさま、じゃんじゃん食べて私たちの旅にご加護を!」

 宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)が、アルテミスの前に卵炒飯、五目炒飯、中華スープと、次々にお手製の料理たちを並べる。

「ご飯ものばっかじゃねえかよ」

 便乗してつまみ食いばかりしている総司が、祥子の料理に一言。
 祥子は、総司が伸ばす手をパチンと叩き、

「アルテミスさまの事を考えれば、当然の結論よ。必要なのは栄養じゃなくてカロリーなの。アルテミスさまが魔力で消費するのは熱量なんだから」
「母様、お鍋の食材が切り終わりましたわ。まあアルテミスさま、こんなところにお弁当をつけて」

 歩み寄って来た同人誌 静かな秘め事(どうじんし・しずかなひめごと)が、アルテミスの口元についたご飯粒を手で取らずに、わざわざ顔を近づけて舐め取る。

「ななな、何をするのだ……っ」
「大丈夫ですわ。アルテミスさまの唇には触れておりませんもの」

何が大丈夫なのか分からないが、静かな秘め事は人差し指を自分の唇にあて、ウインクしてみせる。
 総司はごくりと喉を鳴らして、

「今日はサービスデーだぜ……」

 と、ニヤリとする。
 そんな中、深々とスリットの入ったチャイナドレスを纏ったミカエラ・ウォーレンシュタット(みかえら・うぉーれんしゅたっと)が、滑車をつけた銅鑼をがらがらと引きずって来て、

じゃああああああん……

 と音を鳴らす。
 何事かと見てみると、ミカエラの隣にはコック姿の魯粛 子敬(ろしゅく・しけい)トマス・ファーニナル(とます・ふぁーになる)テノーリオ・メイベア(てのーりお・めいべあ)が両脇に並び、両腕を前で重ねてお辞儀をしている。

「この度は、存分に料理の腕を振るう機械を頂き、この魯粛、字は子敬、感激の極みでございます」
「そういうわけでアルテミスさま。僕たちからは中国最高のフルコース『満漢全席』をご堪能いただきますよ。魔力を補うだけじゃなくて、質も量も楽しめるものじゃなくちゃね」

 と、やはりボーイの恰好をしたトマスとテノーリオが、両手いっぱいに皿を抱えて来て、アルテミスの前に並べる。
 今や伝説となって詳しいメニューは謎である満漢全席だが、さすが英霊の子敬である。

「私の趣味がこんなところで役に立つとは。腕が、手がわきわきしますねぇ」

 子敬は興奮で顔を紅潮させながら、次々に皿を盛っていく。
 一説によると、300品を超える品目になる満漢全席。
 一度に大量に出てくるわけではないが、途切れることなく延々とトマスとテノーリオが皿を運ぶ。
 そのたびにミカエラが銅鑼を鳴らして仰々しくアルテミスの隣に立ち、

「前菜はこちら。この料理はそちらのお皿の後で召し上がると、後味がからまって深みが増します……」

 などと、料理の解説をしている。
 ふむふむとミカエラの解説を聞くアルテミスだが、

「食べている間に他のご飯が冷めてしまうな……」

 魔力の維持のため大量の食糧が必要とはいえ、アルテミスは早食いではないらしい。
 一気に流し込むというより、食べ続ける、というのが重要なようだ。

「心配いらねえ。オレが手伝ってるから」

 と、つまみ食いを正当化する総司。
 彼はシシルの肉じゃが食べたり、持参のドーナツを食べたりしているが、

「その食べ合わせはどうなのだ……」

 と、アルテミスは眉をひそめる。
 総司はドーナツを差し出し、

「……食う?」
「いらぬ」

 皆の料理の匂いにつられて、徐々に人も集まってくる。
 ネネは、

「こちらは燕の巣ですの? 美容に格別によいとの噂ですわね」

 ミカエラに質問しながら当り前のように食べているし、

「変形のタイムラグってのはもっと短縮できねえもんかな」
「仕様の問題があるわ。それよりエネルギー効率化を先に改善したら……」

 ヴェルデとエリザロッテはイコンの性能向上の議論をしている。
 悠が咳払いを一つして、遠慮がちに終夏に話しかける。

「失礼。その……私たちもいただいていいだろうか」
「いいと思うよ。みんなで食べた方が楽しいしね!」

 終夏が席を用意してあげる。

「腹が減ってはなんとやら、ですわね」

 ネル・ライト(ねる・らいと)は終夏に丁寧にお辞儀をし、席について手を合わせる。
 隣には麻上 翼(まがみ・つばさ)が座るが、彼女のはだけたパーカーからは、今にも胸元が見えそうになっていて、向かいの総司とゲブーとクマチャンが目を皿のようにしている。

「み、みえ……」

 そんな三人に、浅間 那未(あさま・なみ)は、

「気をつけてください。あまり露骨にすると、『ガトリングの花嫁』の異名を持つ翼様の光条兵器があなたがたを蜂の巣に……」
「だからっ! ガトリングの花嫁って言うなー!」

 那未に向かって翼がガタッと立ち上がる。

「みえ……たあああっ!」
「うるさあーい!」
「ぎゃああああ」

 那未の予告通り、総司とゲブーとクマチャンに翼のガトリングが火を噴いた。
 隅の方では、着物姿のモモが顕仁のお茶の指導を受けている。

「違う! 手を添える時は指をこう揃えるのだ。一挙手一投足がもてなしと所作の美しさを表すと心得よ」
「す、すみません……」

 それをレティシアが、段ボールで作った電信柱から覗き、

「がんばってくださいねぇ。これもモモちゃんのためなのです」
「モモ君が手伝ってくれるんなら、面白いお茶会になりそうやなぁ、楽しみや!」

 泰輔も電信柱からわくわくして覗いている。

「宴もたけなわのところ失礼しますよ! お茶の間のヒーロー、クロセル・ラインツァートです!」
「マナ・ウィンスレットなのだ!」
「秋野向日葵です!」
「ノーンですっ!」

 賑やかな一時の中、四人がアルテミスの前に立ちはだかる。

「ダークサイズのみなさん、宇宙進出、まずはおめでとうと言っておきましょう。しかし! ニルヴァーナ行きは失敗していただきます。普通の戦闘力については、今回対ダークサイズは非常に不利になっていますので……」

 クロセルはアルテミスたちの前に並ぶ料理を指さし、

「ニルヴァーナ行きの生命線、この料理を全て平らげてみせましょう。俺のパートナーのマナさんがね!」
「私に任せるのだ!」

 マナは自信満々だが、アルテミスは、

「ほう、いよいよお前達も我らの邪魔だてに動くか。よかろう、その小物がどれだけ食べられるか見ものじゃな」

 と挑発するが、クロセルとマナの余裕は揺るがない。
 そこに静かな秘め事が、

「あら、ちょうどよろしいですわ。わたくしたちも、あなたがたの動きを見越して、フードファイトにお誘いしようと思っておりましたの。さあ、対ダークサイズの筆頭、魔女っ子サンフラワーちゃんさん。勝負ですわ」

 と、大皿の炒飯をどんと置く。
 向日葵は挑発に乗るまいと、

「何言ってんのかしらー。この勝負はマナくんが……」
「望むところです!」
「く、クロセルくんー!?」

 向日葵は勝手に受けて立つクロセルの首を絞め、

「打ち合わせと違うわよー! あたしこれ以上太りたくないし!」
「ふうん、そういう態度ですの……送信予約で『サンフラワーちゃん逃げたなう』と」
「ちょっと待った―! 別に逃げてないんだからね!」

 携帯を取り出す静かな秘め事に、向日葵は両手をばたばたさせる。
 一足先に着席したマナは、突如身体を巨大化させ、

「がおー、なのだっ!」

 と、流し込むように炒飯を一気に平らげ、肉じゃがも食いつくさんばかりの勢いである。

「ふっふっふ。巨大マナ様の食欲を、思い知るがよいのです! さあ、バリアが消える前にパラミタに戻るなら、今のうちですよ?」

 いきなり優勢に立ったマナの勢いを見て、向日葵は、

(いっぱい食べてるフリをすれば……いけるっ)

 と、一口食べてはマナに皿を回したりしながら、フードバトルに参加する。

「ああーっと! 開始数秒でギアをトップに入れたマナ選手! 彼に食べ物を食いつくされて、ダークサイズは宇宙の塵となり果てるのか!?」

 勝負が始まったとあって、突然実況を始める終夏。
 しかしそこにシシルが慌ててやってくる。

「師匠師匠! そんな場合じゃないですよう! 火術でお鍋を煮込んでください!」
「あ、はいはい」

 マナの超人的なスピードを見て、慌てたのは調理組である。

「魯先生! 食ってるやつらが増えた上にスピードがとんでもねえんだが、どうする?」

 テノーリオも急ぎ子敬に報告。
 子敬は包丁と共に目をキラリと光らせ、

「いいでしょう……むしろ私の腕がなるというものです。その程度の速さで、私の料理が間に合わないなどと、舐めないでいただきましょう!」

 と、彼の闘志とコンロが燃え上がる。


☆★☆★☆


 ラピュマルでそんな騒ぎが起こっているとはいざ知らず、異界属性をつけているのを強みに、宇宙に出た後に早速ラピュマルを抜けて斥候を買って出て飛ぶ洋とみとのイコンと、ブルタ・バルチャ(ぶるた・ばるちゃ)ステンノーラ・グライアイ(すてんのーら・ぐらいあい)へルタースケルター。そしてララ・サーズデイ(らら・さーずでい)ユノ・フェティダ(ゆの・ふぇてぃだ)が乗り込むラルクデラローズ

「なかなか敵さん、現れないねぇ」

 ブルタはビデオカメラを回しながら、周囲を見渡す。

「さっきからのそれは何なのだ?」

 洋からの通信に、ステンノーラが答える。

「冬季ろくりんぴっく誘致のための、プロパガンダ映像でございます。ジャジラッドさまがカリペロニアにリンクを作っておられますが、わたくしたちはシャンバラへの貢献を示すため、ダークサイズがニルヴァーナ捜索隊の活躍に寄与したことを知らせるのです。悪の秘密結社とはいえ、捜索隊を救ったとあれば、ダークサイズを無視できないでしょう」
「ほう! ダークサイズが名を上げるための動画だな。それならば私も歓迎だ。我々がブラッディ・ディバインを叩き潰す様、しかと押さえてもらいたいものだ」

 洋はブルタのカメラに期待する。
 ユノは、先んじてパラミタの月に向かうリリ・スノーウォーカー(りり・すのーうぉーかー)と通信する。

「リリちゃん! やっと繋がったんだもん〜」
『うむ。まだ月に向かっている途中でな、目的の物を手に入れるのは、もう少し時間が必要だ。それよりそちらの状況は?』
「至極順調さ。他に2機いるけど、予定通り斥候に出てる」

 と、ララが返事をする。

『そうか。必ず一番槍の手柄を立てるのだぞ。ダークサイズでは速攻で昇進しておくのだ』
「まっかせといて!」

 元気よく胸を叩くユノ。
 ララが遠くに、不自然に動き、ランダムに点滅する光を見つけ、

「ユノ、見ろ。敵影だ」

 と、警戒を促し、

『では、頼んだぞ』

 と、リリも通信を切る。
 ララが見た光は洋にも目視出来ており、

「むっ、みと!」
「ええ、見えておりますわ」
「新人! こちらの動きがばれる前に展開しろ」
「失礼だなあ、新人だって!」

 頬を膨らませるユノに、ララは、

「フッ、今はそれが事実さ。だが遠からず、立場は逆転する……っ!」

 と、静かに闘志を燃やして操縦桿をひねる。
 3機が見た光は、予想通り鏖殺寺院のブラッディ・ディバインとニルヴァーナ捜索隊が今まさに戦闘状態に入らんとしたところであった。
 しかしそれはまだ遠くにあり、目下彼らが狙いを定めたのは斥候に出ていたブラッディ・ディバイン側の敵機晶姫、3体。

「まずは敵本陣にばれぬよう、斥候は隠密に撃滅する。我々両機で……おい、待てっ!」
「いっただきいーっ!」

 洋が止めるのを聞かず飛び出すユノ・ララ機。
 一見功を焦って先走ったように見えたが、敵の死角に回り込み、【イコンボウ】を撃ち込んで背面から機晶姫を分断し、ボウ弾を避けて展開した1体を素早く【マジックソード】で仕留める。
 1体が方向を変えて、コンテナからミサイルランチャーを取り出してユノ・ララ機を狙ったところを、ブルタ機がワープを使って背後に現れ、【アダマントの剣】と【空裂刀】で急襲。
 ブルタは破壊した機晶姫のパーツを取り、

「んー、ダークサイズ用新型イコンに使えるかな?」

 と、眺めている。
 残りの1体が、すぐさま体勢を切り替えて本陣に戻ろうとするのを追うが、

「しまった、予想以上に早い」

 ユノ・ララ機は、機晶姫のスピードに振り切られそうになる。
 それを、【スナイパーライフル】で照準を合わせていた洋機が、何とか撃墜。

「やれやれ、新人が無茶しおる」
「洋さま、あの機晶姫」
「うむ、やはり非常シグナルを送ったようだな。間もなくこちらにも一部隊割いてくるだろう」

 洋とみとの会話に、ララが通信を挟む。

「サポートありがとう。お礼にこの薔薇の香りを贈ろう」

 ララがモニター越しに、みとに対して薔薇をフッと吹く。

「まあ……///」
「みと! 浮かれるでない」
「わ、分かっておりますわ」
「もうララちゃん! そーゆーのいくないっ」
「さて、こちらも本陣に戦闘態勢を整えてもらうとしよう」

 ララはこともなげに、ラピュマルに通信する。

「はいはい、こちらラピュマル」

 ララの通信を受けたのは毒島 大佐(ぶすじま・たいさ)

『ブラッディ・ディバイン側の機晶姫斥候を発見。ユノ・ララ機が撃墜した。繰り返す。ユノ・ララ機が撃墜した』
『おいっ、なぜそこを繰り返す!? あと正確に報告しろ! 私たちもいるのだぞ!』
『撃破直前に、敵本陣に非常シグナルが送信されたと思われる。ダークサイズイコン部隊の派遣、およびラピュマル内の戦闘態勢を整えられたし。また、敵斥候を撃墜した一番槍はユノ・ララ機。繰り返す。一番槍はユノ・ララ機』
『だからなぜそこをー!?』
「そういうわけで、ダイソウトウ。いよいよ来るべき時が来たようだのう」

 洋がわいわい言っているスピーカーを切り、大佐はダイソウを振り向く。

「うむ。我々が、覇権を争う戦いに斬り込む時が来たのだ」

 ダイソウは、アルテミスを中心に行われている食事会の方を向き、

「敵が間もなくラピュマルに押し寄せてくる。総員! 戦闘はい、静まれお前達。敵が来るから戦いの……静ま、お前達静まれーい」

 何故かフードファイトが盛り上がっており、総司令官の第一声を誰も聞いていない。
 大佐が拡声器を渡してあげるが、

「あー、あー。敵が間もなくピヒョーやってくピヒョー準備ピヒョー
「ダイソウトウ……おぬし、ほとほとそういう運がないのう……」

 さすがの大佐も、哀れそうな顔でダイソウを見上げる。

『おーい、おぬしら。敵が来るから準備せんとやばいぞい。イコン並みの機晶姫が大量に来るからの』

 見かねたダイダル卿が、ラピュマル内に声を響かせる。

『なにーっ、まじでー!?』

 と、戦闘要員はようやく慌てて食卓を離れ始め、

「何故指示が飛んで来ない!?」
「ダイソウトウ! なんであんたが命令出さないのよ!?」
「お前達が聞いておらんかったではないか……」

 ダイソウの自己弁護も空しく、すれ違いざまにさんざん文句を言われている。
 一方、急遽ラピュマル付近まで退かなければならなくなった洋機、ブルタ機、ユノ・ララ機。

「くそっ、応援が遅い!」
「ていうか、敵が来るのが早いよおーっ」
「あーあ、あのパーツ回収したかったな……ま、他の機晶姫のを回収しよっと」

 彼らの後ろには、早くも敵機晶姫の一部隊が追ってきている。
 一部隊、とはいうものの、その数およそ100体。
 到底3機では応戦できるものではなく、撤退しながら味方イコンの合流を目指すハメに。
 機晶姫の機動性に差を縮められながら、急ぎラピュマルへと向かう。