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【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル

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26)ルナティエール・玲姫・セレティ・ユグドラド(るなてぃえーるれき・せれてぃゆぐどらど)

ルナティエール・玲姫・セレティ・ユグドラド(るなてぃえーるれき・せれてぃゆぐどらど)は、
インタビューということで普段より猫をかぶっていた。

【スペカ】ゲルニカ2・14

しかし、トッドさんが凄惨な写真を映し出した。

「楽しみにしていたケーキが「大変素晴らしい出来であった為」
起こった事件ということですが、
この時のお話、ぜひ詳しく聞かせてくださらない?」

「あれは忘れもしない去年のバレンタインでしたわ……」
わざとらしくしんみりした声で、ルナティエールが語り始める。

「ネットで見たデコレーションチョコケーキがなかなかのもので、
たまたま同じように注文を考えていらっしゃった
他の契約者の方々と一緒に注文することにしたのですわ。
わたくしは当時愛用しておりました妖刀村雨丸、
わたくし命名『むらまさ』で皆様に切り分けて差し上げようと待ち構えておりましたの」
「それ、危険なんじゃありませんか?
しかも『むらまさ』って……」
「細かいことを気にしていては負けですわ」
トッドさんのツッコミを、ルナティエールがにっこりとスルーする。

「ところが届いたケーキが『あまりにも素晴らしすぎて』
その感動を製造会社に伝えずにはいられず、
皆様と一緒に討ち入り……失礼、押しかけたときの一枚ですわね」
「まあ!」
「皆様の感動表現が素晴らしかったですわ。
武器や楽器を振り回しての喜び表現や、
ネットを通じて生放送実況してらっしゃる方もいらっしゃいましたわね」
「ルナティエールさんはどうされていたの?」
「わたくし?
わたくしは『あらかじめ会社に仕掛けておいた』『花火』で感動と感謝をお伝えいたしましたわ」
耳まで裂けるような笑みで、ルナティエールがにっこり笑った。
「『少々火力が強すぎて』『刺激的に』なりすぎて『建物が倒壊』してしまいましたけれど、
製造会社の方も『きっと喜んでいただけたはずですわ』」

「これがそのときのケーキを再現したものだよ」
夕月 綾夜(ゆづき・あや)が、
灰色に変色したケーキのような何かを運んでくる。

「まあ、くさい!」
トッドさんがストレートすぎる表現で言った。

「素晴らしすぎる出来でしょう? トッドさんもぜひおひとつどうぞ」
キラキラ王子スマイルで、綾夜がケーキを切り分ける。

「さぁ、どうかご遠慮せず、召し上がって下さいな。
視聴者の方も、きっとその感動を知りたがっているはずですわ」
「あのときのケーキほど『素晴らしい出来』じゃないけどね。
でもきっと、『思わず卒倒するくらい』美味しいよ?
その素晴らしさをぜひ、トッドさんに伝えてほしくて用意したんだ」

ルナティエールと綾夜が、わざとにっこり笑って言う。

「あらどうなさいましたの?
あぁ、わかりましたわ。ただ食べるだけでは芸がないということですわね。
綾夜、トッドさんに食べさせてさしあげて?」
「はい、あーん」
綾夜がフォークにケーキを取って、トッドさんに無理やり食べさせようとするが。

「くさいわ!」
トッドさんがケーキを思いっきりひっくり返した。

「キャー!?」
「く、くさっ!?」
ルナティエールと綾夜の顔面にケーキが飛んでいく。

「このババア! 何しやがる!」
「おとなしく僕らのいうことを聞けばいいんだよ!」
ルナティエールがブチ切れて、綾夜も本性を現す。

「くさいって言ってるのよ!」
しかし、トッドさんも負けていない。

かくして、スタジオでは、大乱闘が始まった。
のちに、ルナティエールは、「あの日に匹敵する『感動的出来事』」だったと語ったという……。



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