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【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル

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29)想詠 夢悠(おもなが・ゆめちか)

想詠 夢悠(おもなが・ゆめちか)は、
パートナーの想詠 瑠兎子(おもなが・るうね)とともに、
「トッドの部屋」にやってきた。

「今日はよろしくお願いしますね。
さっそくですが、
あなたの大切な方はどなたですか?
その方について、そして、どう思っていらっしゃるか、
なるべく具体的に教えてくださらない?」

突然の直球の質問に、夢悠は深呼吸して答えた。

「……雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)さん。
災難体質だけど、
とっても明るくて気さくで前向きで、そんな姿が凄く輝いて見えるんだ!
オレは雅羅さんに降りかかる災難を弾いて、
雅羅さんにもっともっと輝いてもらいたい。
雅羅さんの素敵なところを、大勢の人に知ってもらいたい!」
「でも夢悠が雅羅ちゃんの彼氏になりたいんでしょ?」
瑠兎子の発言に、夢悠は硬直する。
「まあ、告白ね!」
トッドさんが両手で口を覆う。
「というわけで、雅羅ちゃんの恋人になりたい人は、夢悠を倒して行ってね♪」
瑠兎子が、全世界に向かって宣言する。
「……」
一方、夢悠は真っ白になって硬直していたが。
「起きろー!」
「うあっつ!!」
瑠兎子に思いっきり背中を叩かれ、目を覚ました。

「では、次の質問です。
あなたの将来の目標はなんですか?
それに向けて、今、どのような努力をされていらっしゃいますか?
まだはっきりしない、漠然としたことでもかまいません」

「教科書に載るくらいの立派な魔法使いになる事です! 勉強も冒険も頑張ります!」

「まあ、元気なお返事。がんばってね。
じゃあ、次は、お写真をご用意しているわ」

初イラスト

「まあ、かわいいお写真!
夢悠さんは、雅羅さんを守るために女装することもあるんですってね。
やはり、それはご自身の趣味でもあるのかしら?」

「ち、違うよ! 女性の敵の相手をしたりとかする時だけなんだ!
男の身体で女の人の服とか着るのは凄く恥ずかしいし、男だってバレたら怖いもん!」
趣味というトッドさんの発言を全力で否定する夢悠だが。

「女の子アイドルの代理が出来るくらい、男の娘になるのも慣れちゃってるくせに。
『桃幻水』で性転換もするのよ」
「一回だけじゃん!」
瑠兎子の入れる茶々に慌てる。
「結構胸が大きくて」
「まあ!」
トッドさんが驚くが。
「次の質問ー!」
無理やり話題を逸らした。

「では、
アキラ・セイルーンさんの質問です。
「これまでの活動を振り返り、一番印象に残っている出来事は?」」
「えーっと」
お茶を飲んで落ち着いて答えようとするが。
「女装姿で雅羅ちゃんを押し倒した事よね」
「ぶっ!」
瑠兎子の言葉に、夢悠がお茶を吹く。
「まあ、それってどういう状況だったの?」
「バレンタインデーを滅茶苦茶にしようとした敵から守るためだったんだけど、
押し倒した体勢で夢悠がパンツを取られて、はいてない状態で雅羅ちゃんの上に……」
「説明しすぎだー!」
真っ赤になって夢悠が叫ぶ。
「夢悠本人も凄くショックを受けちゃって。
暫く経って、夢悠が性転換する装置を使って
『これから女として生きる!』と言い出した時は驚いたわ。
祖父母を泣かせないためにワタシが力尽くで止めたけどね」
「え?」
夢悠がぽかんとする。
「え?」
瑠兎子が振り返る。
「瑠兎姉は喜んでなかった?」
「楽しんでたのよ」
「……」
夢悠がジト目で瑠兎子を見る。
「それで、パンツの話なのですけれど」
「それはもういいです!?」
トッドさんに夢悠が悲鳴を上げた。

「次は、瀬山 裕輝さんの質問です。
『僕私のおススメ又は自慢したいアイテムやスキル』はなんですか?」

「オススメや自慢じゃないけど、
オレの『使い魔:ネコ』はオツキミって名前のオス猫なんだ」
「夜によく月を眺めてるから、ワタシが名前を付けたの」
夢悠に、瑠兎子が続ける。
「まあ、かわいらしいわね。
次はリイム・クローバー(りいむ・くろーばー)さんの質問です。

皆様は夢のために誰かと争う事をどう思いまふか?
相手を打ち負かし、そして自分の道を進むのは果たしていいことなんでふか?

とのことです」

「オレも何かを目指して誰かと争うのは嫌だって思う事はあるよ。
どうする事が正しいかって、わからないけど、
でも自分の気持ちに嘘は付きたくないし。難しいね」
「優しい夢悠さんらしいお答えね。

では最後に、
本郷 翔さんの質問です。
もし、あなたに子供が出来たとして、めざすべき目標として、紹介したい人はいますか?」

「何人もいるよ。
でも出来れば、まずオレが子供の目標になりたい。
それでね、成長していく子供の姿を、ずっと見守り続けたいんだ」
まっすぐ前を見据えて、夢悠は宣言した。

「今日は楽しかったわ。
どうもありがとうございました」
トッドさんが会釈する。
「今日はありがとうございました」
「楽しかったー! 夢悠は少しくらい成長出来た?」
瑠兎子の言葉に、夢悠は遠い目をした。
「何か大切な物を無くした気がする……」