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リアクション
14)
ネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)は、
宮殿都市アディティラーヤの阿頼屋敷に、
ザンスカールの森の精 ざんすか(ざんすかーるのもりのせい・ざんすか)と、
ジャタの森の精 じゃた、
そして、アルバ・フレスカ(あるば・ふれすか)を招待していた。
阿頼屋敷は、カレー(スパイス・ハーブ)屋の支店で、ネージュの別荘でもある。
ハーブを使ったお茶やお菓子を用意して、
ネージュは客人の3人をもてなす。
「ミーを歓迎するのはいい心がけざんす!」
「お菓子、おいしいじゃた」
ざんすかとじゃたは、お菓子を食べて喜んでいた。
「お招きいただいてありがとうございます。
ところで、なんでこのメンバーなんですか?」
一方、アルバ・フレスカは、
自分のことを恨んでいたはずのネージュが、
自分を呼び出したことを不審がっていた。
アルバ・フレスカは、
狡猾な宦官の英霊・張譲(ちょうじょう)が正体なだけあって、
こういったことには裏読みをしてしまうらしい。
「あたしも、過去のいろんなことは水に流して、
仲直りしたいと思ったんだ。
ざんすかにぶっ飛ばされたこととか、
じゃたにお料理をすっからかんにされたこととか、
アルバちゃんに、角で目を突かれたこととか」
「って、ボクのは2018年のクリスマスの話じゃないですか……。
あれは、ボクも悪かったと思ってますけど、
しかたなかったんですよ。
だって、あの時、静香校長が裸リボンで、
ネージュさん、媚薬の効果で、静香校長を脱がそうとしてたじゃないですか」
「詳しくは、『蒼空のフロンティア〜おとこのこうちょう!〜』
第5話 裸リボンでプレゼント!? をご参照ください!」
ネージュが、カメラ目線で言った。
「とにかく、いろんなことは気にしないで、これから、仲良くしよう!」
ネージュが、笑顔で、アルバ・フレスカに手を差し出す。
「……はい」
アルバ・フレスカは、おずおずと手を取った。
「じゃあ、今度、静香校長を宦官にするの協力してくれますか?」
「えー、それはどうかなあ」
そんなことを、話していると。
「がるるるる、お菓子足りないじゃた」
「じゃたがまた暴走し始めたざんす!
ハーブの効果ざんすか!?」
「じゃた、落ち着いて!
こうなったら、お店のカレーを……ガハアッ!?」
ネージュが、お店のカレーをじゃたに出そうとするが、
うっかり辛いカレーを味見してしまい、
火を噴き出してオーバーキルで自滅する。
「って、ワンターンキル&オーバーキルざんす!?」
「がるるるるるるじゃた」
「ぎゃー、じゃたが店の物を食いつくすには飽き足らず、
ミーたちに襲い掛かってきやがったざんす!」
「うわああああああああああ」
じゃたは、ざんすかやアルバ・フレスカにも噛みついている。
ネージュは、
じゃたにざんすかやアルバ・フレスカが噛まれているのを見て、
遠のく意識の中、少しだけスカッとする。
「あれ、でも、あたし、仲直りがしたかったような……。
まあ、結果オーライ、だよね」
そうつぶやき、ネージュは気絶した。
「がるるるるるるじゃた」
「やめるざんす! ぎゃああああああああああ!?」
「うわあああああああああああああ」
結局、いつも通り、大騒ぎになるのであった。